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電柱に話しかけるじーじ


さて、大事な1番手は誰からにしようかなあと色々考える。

お酒に詳しい綺麗な飲み方をするあの常連さんやドラマに出てきそうなThe金持ち社長さん。
日本旅行に来た韓国人や酔っ払うと何事にもピースをし始めるおじさん。


とまぁ考えたけど何故か最初に選ばれたのは電柱じーじ。
理由はなんとなく
じーじの場合はお店での話よりその後にパンチがあるので良かったら読んでみてください。



じーじは歯がない。だいたい2.3件目にくるからいい感じに酔っ払って来店される。

話す内容は半分何言ってるかわからないからフィーリングで話してる。だいたい合ってるから大丈夫。


そんなじーじは仕事の話になるとどんなに酔っててもシュッとする。

長男でもないのに家業を継ぎ安定させるまで結構苦労している人だ。
仕事の話になるといつものニヤニヤ、ヘラヘラしてるのが嘘みたいにいきなり流暢に話し始めるので、
内心(いや、最初からその呂律できてくれよ。)と思ってたりする。

じーじの仕事の話を聞くのは面白い。
知らない世界の職人さんの話を聞ける。そして為になる。なぜなら水道屋さんだからだ。
先日家のトイレの流れが悪いなあと相談して解決だってしてもらった。

1時間程じーじの話を聞いてるとプツリと充電切れする。限界が来たみたいなので帰るよーと一言。
酔っ払いあるあるの『おれ、払ったか?』を何回も繰り返した後、やっと帰宅への第1歩が出る。
そして一緒にお店を出て近くの交差点まで見送る。
交差点まで見送るなんてじーじくらいだ。

なぜかって?

じーじは前歯がないと冒頭に言ったと思うが、要は転けるのだ。交差点で。

今まで何回も交差点で落し物をしたそうだ
時には歯を。時にはメガネを。(4代目老眼鏡)

そんなじーじ心配すぎるので信号をわたり切るまで見送る。

だがこのじーじにはまだ続きがある



お店の締め作業をして帰宅する時
あのじーじが来たら必ず決まったルートで私は帰る


そして電信柱を横目にしながら家まで向かっているとだいたいいるのだ。
あの人は。


電柱におでこをくっつけて話しかけている。


(今日は進んだ方か、、)


「ほれ!じーじ帰るよ!そこ家じゃないよ!」
と声をかけるがなんか言ってるけどやっぱり呪文。1ミリも理解できない。

でも私だって魔法の呪文がある。
明日の仕事間に合わなくなるよ!!

これで1発だ。


( ˙-˙)すん
って顔して何事もなかったように静かに帰っていく。




その背中を少しだけ見届けて、今日も濃い1日だったなあと思いながら私も帰宅する。

そんなじーじのことを考えるとあれが古からいる酔っ払いなんだろうなって思う



こんなくせ強いお客さんなんてうちのお店そうそういないから安心して欲しい。


なんだか文章が上手くまとまらないので書いていくうちに成長するだろうと未来投資気分でついてきてくれたら嬉しいです。


次はどんなにお客さんにしようかな


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