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これからも

先日のNHK短歌のテーマは、「家族」。

今一緒にいる家族、少し離れてしまった家族、もう会えなくなった家族。
いろいろなかたちの家族があるなあと、入選歌を見ながら、しみじみ思った。

嬉しいことに、私の投稿歌も選んでもらえた。

あの傘は父さんが差していったから十年たっても見つからないね
(2024.5.12NHK短歌入選・俵万智選)

高校生のころ、俵万智先生の「恋する伊勢物語」を愛読していた身としては、ただただ、感無量、というほかない。
当時から古文や和歌は好きだったけれど、自分で短歌を作るという発想は全くなかったから、20年以上の時を経て、俵先生に自作短歌の評をいただくなんて、なんだかとても不思議な気分だった。

そもそも私が短歌作りをはじめたのは、父との思い出を残しておきたかったから。
日々の慌ただしさの中、埋もれがちな数々の思い出を、できる限り歌にしている。
切り取られるのは、なぜか、ごく普通の日常の風景ばかり。

これまで作った歌では、父はいつも生きているのだけれど、今回、残された家族の思いを歌にできたことは、また新たな一歩のように思う。

歌を杖として、生きていこう。
以前のNHK短歌テキストで、黒瀬珂瀾先生が書かれていた。
私の支えになっている言葉だ。

これからも、歌とともに。

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