大人の人形劇

最近、テレビで平家物語の人形劇を見ている。
吉川英治の新・平家物語が原作なので、実際の平家物語と違うところもあるけれど、こちらはこちらで、とてもおもしろい。

なにより、人形がいい。
仕草や表情は、とても人形とは思えないほど生き生きとしている。琵琶や笛などの小道具や衣装も、とても凝っている。

人形美術は、川本喜八郎氏。
渋谷で展示会を開催しているので、先日、見に行った。
氏は、吉川英治の新・平家物語を読んで感銘を受け、オファーが来る前から人形を作り始めたとか。さすがの情熱。

人形劇を見ていると、心が静まる。
表情が豊かだけれど、人間そのものではない、というところに、独特のヒーリング効果があるように思う。
人形劇って、子供のころにみていた、ひょっこりひょうたん島とかのイメージが強くて、子供向けと思っていたけれど、本当は、疲れた大人にこそ、いいのかもしれない。

人に疲れたとき、誰とも話したくないとき。
昼間のあれやこれやで、すっかりざらざらになった心とか、たくさんできた小さなささくれを、人形が鎮めてくれる気がする。
鎮魂の物語である平家物語。
思えば、人形劇にはぴったりなのかもしれない。

続きが楽しみ。

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