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マシューの言葉

先日、文春文庫の「炉辺荘のアン」(モンゴメリ)を買った。
新訳が随時出ているシリーズで、出るたびに買っていたけれど、昨年11月に「炉辺荘」が出たことに気がつかず、はや一年近く経ってしまった。

炉辺荘時代のアンは、34歳。6人の子の母になっている。子供のころ旧訳で読んだときは、かなり年を取っている印象があったけれど、そんなに若かったのか。衝撃。

子供のころ、アンシリーズの中では、「アンの青春」が一番好きだった。
でも、大人になってから新訳で読み直すと、最初の「赤毛のアン」に、特に心惹かれる。

農場の手伝いのために男の子を引き取るつもりが、手違いでアンを引き渡されてしまった、マシューとマリラの兄妹。
アンを引き取るかどうかでもめたとき、「あの子が私たちの何の役に立つんですか」というマリラの問いかけに対する、マシューの返事が素晴らしい。
「わしらが、あの子の役に立つかもしれないよ」

以前、NHKで「アンという名の少女」を放映したとき、マシューのこの言葉がそのまま残っていて、とても嬉しかった。
大人になってから読むと、なんだかじーんとする。

良い本には、何度でも出会える。
炉辺荘のアンにも、新しい発見がありそう。

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