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短歌の波

今、空前の短歌ブームらしい。
先日のクローズアップ現代でも、取り上げられていた。
番組の中で、ゲストの東直子さんが、コロナ禍になってから新聞の歌壇への投稿がとても増えた、と話していた。

私自身、コロナによる巣籠もり生活をきっかけに短歌を作り始め、以来、日経歌壇に毎週投稿しているので、まさに、そのうちの一人だ。
特に誰かに影響されたわけでもないのに、それぞれが何気なく歌を作り始めるというのは、なんだか不思議。
これも、和歌という伝統の力なのだろうか。

今月のラジオ深夜便「ほむほむのふむふむ」でも、短歌ブームのことが話題になっていた。
ゲストの鈴木晴香さんが、「平安時代のブームにくらべたら、まだまだ」と言っていたのが、面白かった。
確かに、源氏物語を読んでいても、この時代の貴族は、息をするように歌を詠み、古歌に親しんでいる。

令和の今と、平安時代とでは、言葉はかなり変わったし、価値観も違う。
でも、千年の時を超え、三十一文字という同じ鋳型に言葉を入れて、日々歌が生まれている。
とても素敵なことだと思う。


起きぬけにくしを入れれば手ごたえのフッととぎれて  切ったんだ、髪
(2023.3.18日経歌壇  穂村弘選)

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