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たんぽぽの音

少しずつ暖かくなってきて、春の足音を感じる。
春といえば、たんぽぽ。
鮮やかな黄色の花も、ほわほわの綿毛も、大好きだ。

今月のNHK短歌テキストに、たんぽぽの名前の由来が載っていた。

球状になる種子が鼓のようだから「たん・ぽぽ」と打つ音に模したという。だから花のことではないのだが、あの黄の花もたん・ぽぽと弾んで咲いている感じがする。

花山多佳子「草・木・花・実」NHK短歌テキスト2023.3

たんぽぽって、鼓の音なんだ!
全然知らなかった。

私は、鼓の音が好きだ。
能を観に行く目的の半分くらいが、お囃子を聴くことにあるくらい。
大鼓のカン、というからりとした音と、小鼓のポン、というしっとりした音のコントラストが好き。

ひな祭りの歌に出てくる五人囃子は、謡、笛、太鼓、大鼓、小鼓の構成だというのも、最近知った。能に由来があるらしい。
うちのひな人形は二人だけで雛壇がなかったから、五人囃子のお人形というのを、実はちゃんと見たことがない。
全員楽器だと思っていたけれど、人の声も入っていたとは。

散歩をしていたら、早咲きのたんぽぽを見つけた。
たんぽぽと鼓。
好きなもの同士が結び付いて、ちょっと嬉しい。
春は、もうすぐそこだ。

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