街鳴り〜2ndオリジナルフルアルバム解説【セルフライナーノーツ】

2024年3月6日 1stアルバム「心が震えるまで」リリース

…から、早3ヶ月

遂に2ndアルバムを公開します。

概要

 インスト5曲、俺の歌8曲、ボカロ4曲の合計17曲入りです。ちょっと作りすぎた

 EPにしようかとも思ったのですが、ある程度アルバムに起承転結を付けようと思うと曲数が足りないので、こんな感じになりました

 イメージとしては、
第一部 街鳴りと朝焼け
第二部 赤の最終裁判まで
第三部 SIRENまで
第四部 約束と掟まで

 って感じです。第一部で意味ありげに始まり、第二部でブチ上がり、第三部で聴かせて、第四部でちょっと切なく終わる

 曲の解説は、①一言コメント ②歌詞の解説って感じでやっていきます
 では早速

1.街鳴りと朝焼け

 ①不規則なピアノの旋律の後ろで、雨が降っている変なインスト曲。実は出鱈目に打ち込んでいるのではなく、「アンダーグラウンド」「星影アストレイ」「約束と掟」など(もっとあるはず)のフレーズが散りばめられてます
 暇な時にでも探してね

 ②インストなので割愛

2.憂鬱を飲む

 ①ボカロの良さを全面に出したような曲。アルバム中だと一番最後に作った歌なんですが、リズムと歌詞がお気に入りなので2番に抜擢

 ②歌詞はR15かな…テトちゃんごめんよ
 1stアルバム「心が震えるまで」収録の「錆びたアンコール」や「0から始まる物語」でも題材にした、才能ない奴の歌詞です。
 同じテーマで曲書きすぎるのは良くないっすね。ちょっと反省
 ラスサビ後の歌詞は会心の出来なので是非聴いてね

3.無礼講


 ①俺が使ってるGarageBandというアプリには、ありがたいことに既成の音源が幾つか入ってるんですね。しかも著作権フリー

 面白いなーと思って色々聴いていたら、なんとスラップの音源があるじゃないですか。ベーシストとしてこれは一曲作らねばと思い、作ったのがこの曲です。うん、キャッチー

 ②この曲も比喩表現だけど若干えっちな描写あるね。要はナンパするダメ男の歌
 この曲に関しては韻を踏むことにかなり拘ったので、歌詞が読みづらいかもしれないです。

4.アンダーグラウンド

 ①夏らしさが伝わってるかな?この曲は高音が辛かった思い出しかないですね、サビは結構グッドメロディだと思ったんですけど、どうなんでしょうね。俺は好きな曲です。

 ちなみに、この曲と対になる「バックグラウンド」っていう曲があるんですけど、手応えがなかったので没になりました笑

 ②大人が飲み込まなきゃいけない理不尽を肯定できない若者をテーマにしてます。来年から社会人になる男女の学生が海にいるのを想像してもらえると。
 Cメロの「このまま私も歳をとり、若いという武器を失くし、辿り着く先が幸せでありますように」っていう歌詞が大好き

5.輪廻

 ①俺は、2024ボカコレ冬に出した「声ノ檻」があまり評価されなかったので、「俺のボカロに需要はないか…ボカロPたくさんいるしなあ」なんて思ってました。
 しかし、春になってボカロマイブームが到来。ボカロ作りたい欲が燃え上がってきたんですね。そこで作ったのがこの曲
 今や「錆びたアンコール」の再生回数を超えてかなり人気曲になりました。やったね

 ②疾走感があって語感が良い歌詞がいいなあと思い、「グルグル」、「来る来る」から歌詞を連想して作りました。グルグル→生まれ変わりかなあと思い、生まれ変わりの恋人を探す話に
 この曲も韻を踏むのが大事な曲なのでね。あまり細かい歌詞は解説できないっす

6.春待ち

 ①いっとき毎回参加していたTwitterでのイベント、「深夜の2時間DTM」にて生まれた名インスト。テーマは「門出をイメージした曲」だっけな。動き回るピアノのフレーズと、途中の静かになるところがお気に入りです。インストの中では不協和音の曲に次いで2番人気かな。
 不協和音の曲はアルバムに馴染まなすぎて没りました笑。Youtubeにあるから是非!

 ②インストなので割愛

7.青い桜

 ①卒業ソングを作ろう!と思い立ち、勢いで書き切った曲。卒業=しんみりした感じにはしたくなかったので、春の植物の若さと卒業する学生の若さを掛けて、ロックっぽく作りました

 ②俺にしては珍しく、結構ストレートな歌詞。こだわりポイントは、1番と3番で
 火照る→ホテルになっているところ
 どういう意味でしょうね…ニヤニヤ

8.赤の最終裁判

 ①ここまで続いてきた、キャッチーなメロディの集大成みたいな曲。ボカロで打ち込むのがちょっと難しくて、所々ブツ切れになってるのはご愛嬌です 
 サビでジャカジャカ鳴ってるギターと、合いの手の「トュットュットュルー」が好きなので、耳を澄まして聴いてみてね

 ②地球が滅んだ後、人間の罪を神様と天使が裁いている曲。このアルバムの中で一番ぶっ飛んだ場面設定だと思うな
 分かりにくい言葉を解説すると、

 業因→仏教用語。調べてね!

 マイクの前→英語圏に多い名前、Mikeの由来は大天使ミカエルであることから。マイクロフォンとのダブルミーニング

9.雨降る未来の君へ

 ①大人しめのピアノが主役の曲。ここから第三部に入り、曲調がゆったりとした曲が続きます。歌がないところで聞こえるピアノのフレーズが好きですね。雨っぽくない?

 ②歌詞は「アンダーグラウンド」っぽいですね。こうして見ると同じような歌詞が多くてちょっと反省
 ラスサビ後の「誰かに託してる限りは変わらないだろうがっ」って言い放って終わるのが気持ちいい。その通りです

10.夜行列車

 ①暖かさと冷たさをどっちも感じるような不思議なインスト曲。仲良いFFさんがすごく気に入ってくれてるのでアルバム入りです
 トラック15「星影アストレイ」にてこの曲の存在が示唆されます。まああれは銀河鉄道の夜のオマージュなんですけど、繋がってる世界線だと思ってもらって

 ②インストなので割愛

11.午睡の君は連鎖して

 ①社畜が、のんびりと生きる天界の天使たちを見て、「俺もそこに混ぜてくれよ」って歌う曲です。物語になってる歌詞はファンタジックなのが多いですね
 結構好きな曲で、最初はアルバムの先頭に据えようかと思ってたくらいの曲なんですけど、サビのインパクトの無さもありあんまし人気なかったので、適当な位置にきました

 ②紀友則の「ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ」が若干引用されてます。散ってるのはこの詩の主人公
 Bメロの
「枯れた花に光を差して
 再び命授けたあなたは
 枯れた花の気持ちも知らず
 偽善だと滑稽だと僕は思いました」

 は俺からの問題提起です。みんなはどう思う

12.透過するロックンロール

 ①元々ここには「夜桜と月光」というラブソングがあったんですが、出来が気に入らなかったのと、俺の歌が続きすぎるのが理由で却下しました。たまにはボカロあった方がいい
 イントロのフレーズが思いついたので、そのままの勢いで一気に書き切った曲です。「狼少女」の時も言ったかもしれないんですが、ミドルテンポのロックと転調は相性が良い

 ②俺が昔集団虐めを受けていた頃の衝動を、吐き出すような歌詞です。人が言う綺麗事(言葉)はこの歌詞の主人公には響かず、耳をすり抜けていく(透過する)
 歌ったら気持ちよさそうな曲ですよね。いつかセルフカバーします

13.SIREN

 ①このアルバムで一番長い曲かな。それでも4分半くらいしかないから、俺の作る曲は割と短くなりがちですね
 タイトルのSIRENは、「サイレン」と「セイレーン」のダブルミーニング
 セイレーンはギリシャ神話に出てくる海の化け物ですね。美しい歌に集まってきた人達を海に沈めるんだっけな

 ②歌姫=セイレーンが主人公を海に引き摺り込もうとするのですが、セイレーンが主人公を気に入って生かしています。
 この先へ行くとセイレーンに喰われてしまう、という警告(サイレン)を無視して、主人公はセイレーンの方へ
 主人公は人間なので、セイレーンを残して死んでしまいます。最期はセイレーンの方が寂しがっているのがポイント

14.この惑星が終わるまで

 ①深夜の2時間DTM「世界滅亡の前夜をイメージした曲」より
 特に思い出もない曲です。なんかね、この頃作る曲がマンネリ化し始めてて、この曲もピアノ中心の似たり寄ったりな曲だなあって印象
 インスト曲は展開を作るのが難しいから、転調しがちです。転調なしで曲作れるようになりたいね

15.星影アストレイ

 ①「夏と駆け落ち」をテーマにした曲
 アストレイ=道を踏み外して、みたいな意味だそうです。本来結ばれてはいけない2人が駆け落ちする曲なので、「アストレイ」と付けました
 サビだけ半音キーが上がる変な曲ですが、意外と馴染んでて違和感はないね

 ②前述の通り、2サビ前の一節は銀河鉄道の夜をモチーフにしてます
 あと、
 「ああ、あの日眺めた草原は
 今では大人の世界に変わってしまった
 さあ、次の駅では降りなくちゃ
 変わらないのは僕らだけだね」

っていう歌詞はありきたりかもしれないけど凄い好きな歌詞ですね

16.未来へ捧ぐ長い川

 ①なんとなく切ないインスト。「星影アストレイ」と「約束と掟」の間に、音数が少ない曲が欲しかったんですよね。ピアノと、効果音ラボさんからお借りした音源だけで構成されてます。

17.約束と掟

 ①戦争をテーマにした最終曲。このアルバムは転調する曲が結構あるんですが、この曲の転調がマイベストですね。元々アルバムの最後に据えようと決めてから作ったので結構重いテーマです。最後あっけなく終わるのがポイント

 ②このアルバムの中で一番気に入ってるのがこの曲の歌詞です。1番の歌詞で「崩れる廃墟」だったのがラスサビで「崩れた廃墟」になってます。戦禍にいるのが伝わってほしい

 崩れた廃墟の中で2人
「大好き」だって言って君を撃つ
薄れる意識の中で君が
「私も」なんて今言ってどうするんだよ

 最高に切なくて美しくないですか。生き延びても、戦争で離れ離れになって死んじゃうだろうから、ここで終わりにしようってことです。
 お互いを撃った後に、薄れゆく意識の中、君は「私も」と言うわけです。
 こんな世界じゃなかったら幸せに暮らせていただろうにねっていう想いを込めての、「今言ってどうするんだよ」。いい詩が書けた

今後の展望

 一応音楽活動は細々と続けるつもりですが、どうしても受験で頻度は下がるかな。

 ではまた

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