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業界動向と平均を俯瞰する。スーパーのオオゼキを例に企業の業績を考える。

企業の経営状況が良好か、
その企業に投資価値があるかを知るためには、

1)業界動向(市場特性と推移)
2008年ピークに減少を続けている
労働人口の減少(少子高齢化)や、
2020年以降、コロナ禍による人流変化に
左右されたかどうかを確認する。

2)業界平均と自社の立ち位置
業界内での競合や平均と比べて
自社がどの立ち位置かを確認する。

3)状況を俯瞰した未来想像
今後起こりうる動きを予想して、
何をすれば企業の業績が伸びるかを考える。

以上の確認がお勧めです。

これは、竹中平蔵さんの著書
『考えることこそ教養である』に書いてある
【考える「型」】のフレームを参考にしています。

・川を上る=歴史を辿る
・海を渡る=国外と比較する
・バルコニーを駆け上がる=全体を見る

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業界動向と業界平均に関する確認項目は、

▼業界動向
2014年→2023年、10年間での業績推移など
横ばい、下落、回復、上昇の観点で動向を確認。

例)総合小売・食料品小売
2014年→2019年 横ばい
2020年→2021年   上昇
2022年→2023年 下落

▼業界平均
年間を通じていくらの売上と利益が出たか、
銀行などへの返済不要なお金(自己資本)は
他人資本や純利益と比較していくらあるか確認。

例)総合小売・食料品小売
・売上高   :5004億円
・営業利益率 :4.47%
・自己資本比率:30.37%
・ROE            :6.95%
・ROA          :2.81%

さらに、業界における企業を詳しく理解するため、
[ 損益計算書(PL) ][ 貸借対照表(BS) ]
数値を見ていくと、
企業の方針や今後起こりうる動きが予測できます。


[ 損益計算書(PL) ]

売上高(客数 × 客単価)
−原価   :仕入など製造原価、人件費など売上原価
−販売管理費:営業活動費、物流、広告、水光熱など
=営業利益

−営業外損益:銀行利息、為替損益、株式損益など
=経常利益

−特別損益 :突発的な損益、固定資産の売却など
−税金   :法人税、法人住民税、消費税など
=当期純利益


営業利益率(=営業利益 ÷ 売上)は、
5%〜10%で優良な経営状況といえます。

また、年間の経営活動で得た当期純利益は、
利益余剰金として自己資本(純資産)に加えます。

ちなみに、自己資本(純資産)と、
銀行などから借りた他人資本を合わせた
「総資産」が会社のお財布になります。

自己資本比率(=自己資本 ÷ 総資産)は、
最低でも30%、50%以上で優良な経営状況です。


[ 貸借対照表(BS) ]

ROE(=当期純利益 ÷ 自己資本)
自己資本(純資産)は、返済不要な資産、
ROEは、自己資本利益率の略になります。
10%以上で投資価値があると判断されます。

ROA(=当期純利益 ÷ 総資産)
総資産は、自己資本(純資産)+他人資本(負債)、
ROAは、総資産利益率の略になります。
5%以上で投資価値があると判断されます。

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業界動向と平均を俯瞰して、
企業の業績を考えると、

日々目の前で起きてる物事が
平面ではなく立体的に捉えることができます。

スーパーマーケットを東京23区に
43店舗展開している株式会社オオゼキは、

お客様第一主義、地域密着・個店主義を
経営理念に掲げており、その経営哲学は
「お客様が喜ぶか、明日も来てくださるか」

もっとお客様のために、
店舗設計、商品仕入れ、接客販売まで
オオゼキのアイディアを表現するため、
正社員比率が約70%(業界平均25%)と高い。

「接客が丁寧」だけ見ると平面で捉えてますが

「地域密着のドミナントで物流費を抑えて
人件費をかけた丁寧な接客で客数を増やしてる」
と見ると立体的に捉えることができます。

ちなみに、株式会社オオゼキは、
2021年2月期に売上1000億を突破し、
2022年、2023年は減収減益となったものの
2024年2月期決算では増収増益となっています。

・売上1017億1800万円(昨対比3.7%増)
・当期純利益41億4000万円(昨対比25.6%増)
・自己資本比率:68.56%
・ROE            :13.40%
・ROA          :9.19%

自己資本率、ROE、ROAの観点でも
投資価値が高い企業といえます。

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