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国民が求める安定を実現したプーチン政権の成り立ち

ロシア・ウクライナ問題(22年2月-)を
起こした当事者、独裁者と呼ばれている

ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは
どんな思想を持っているのか。

▼ソビエト連邦が崩壊した後の大統領
第1代(1991-1999) ボリス・エリツィン
第2代(2000-2008)ウラジーミル・プーチン
第3代(2008-2012)ドミートリー・メドヴェージェフ
第4代(2012-)ウラジーミル・プーチン

プーチン大統領への肯定的評価は、
常に60%を超えています。

その大きな理由は、
【安定】と【愛国心】です。

20世紀のロシアは、革命や戦争、
ソビエト連邦崩壊による混乱を経験してきました。

独裁制から民主主義の政治体制に移行し、
国民の生活が良くなると思っていたら、

1998年、
ロシア国債の債務不履行(債権者への未払い)、
つまり、国家財政の破綻により生活は厳しく、

多くの国民は、
「ロシアはどうなってしまうんだろう」という
アイデンティティークライシスが生じるほどに
追い込まれていたのだと思います。

多くの国民は、「変化」は悪いことしかない、
自由や民主主義よりも「安定」が欲しいと
思うようになりました。

そんな中、
2000年から大統領になったプーチンは、
実効的な政策を実行してきました。

経済改革を実行し、
未払いだった年金の支払いを再開し、
10年でGDPを倍にするという計画も打ち出した。

化石燃料を中心とした資源高が追い風となり、
この計画をわずか数年で達成しました。

2006年以降、
旧ソビエトの債務を完済し、国際社会に対しても
強いロシアを打ち出していくようになります。

2007年、
プーチン大統領は、ミュンヘンでの演説では、
アメリカの一極支配を批判し、

勢力が分散する「多極化」を求める
ロシアの立場を表明しています。

プーチン大統領は、
国民の欲求に応えてきた政治家であり、

ロシア国民の多くは、
「国民のことをよく考えてくれている」
皇帝と思っているようです。

2000年、
当時48歳で大統領に就任できたのは、
ロシアを守ってくれる、信頼できる後継者だと
エリツィンに評価されたことも大きな理由です。

エリツィン政権の退任を防いだり、
側近の汚職事件が公になることを防いだり、
エリツィンに尽くしてきた結果といえます。

20世紀末、ロシア国民が
自らのアイデンティティにおける
不確かさや混乱を経験する心理状態の中、

21世紀に安定をもたらしてくれた
「あの時のプーチン」の残像を見ている
国民は、少なくないと思われます。

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