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「ちょイケじぃじぃの独り言」: 日経ビジネス『同意なき買収の時代』【第一生命・ニデック・ブラザー、攻防の内幕】

1  はじめに

  私は「日経ビジネス」を定期購読し、自由時間は十分あるので、気になった
 記事を整理しました。

2  今回の特集 :   『同意なき買収の時代』【第一生命・ニデック・ブラザー、攻
          防の内幕】

 (1) 市場の秩序を乱す野蛮な手法とされてきた「敵対的買収」は、「同意なき買
  収」へと衣替えし、「全ての上場企業が、買われてもおかしくない」という原
  則が、今、日本に根付こうとしている。
   東京証券取引所や経済産業省の後押しを受け、再編につながるM&Aに大義
  あり、という流れができ、もはや、割安な株価を放置し、持ち合い株や買収
  防衛策という盾に甘えてきた企業の逃げ場はない。
 (2) PBR(株価純資産倍率)が1倍を割っている、つまり資本コストを上回る価値
  を生み出せていない企業が多いことが日本市場の課題で、東京証券取引所はP
  BRの低迷する上場企業に対して改善策を開示・実行するように要請し、M&A
  は低PBR企業を淘汰し、強い企業群をつくるための有効な手段となった。
   経済産業省は2023年8月、上場会社のM&Aに臨む企業がとるべき行動の指
  針を策定し、買収において尊重されるべき「3つの原則」や買収対象企業に求
  める対応などを明示した。
   *買収において尊重されるべき「3つの原則」
    ①「企業価値・株式共同の利益の原則」
    ②「株式意思の原則」
    ③「透明性の原則」
   *買収対象企業に求める対応
    「真摯な買収提案」に対しては「真摯な検討」をすること
 (3) 『同意なき買収」の成功事例(第一生命・ニデック)と失敗事例(ブラザー)か
  ら、成功するための条件などを紹介している。
   *対抗TOB成功の3ヶ条
    ① 事前に対抗TOBを仕掛ける企業を徹底研究
    ②「後出しじゃんけん」のメリットを追求
    ③ ライバルと異なるシナジーを訴求
   *相手から同意を得るための3ヶ条
    ① 最初から高い買収価格を提示し、抵抗を封じる
    ② 回答期限を設定し、引き延ばしをさせない
    ③ 相手を徹底的に調べ尽くし、打ち手を考える
   *相手の対抗措置を突破する3ヶ条
    ① 争点の核心を見極め、惑わされず反論する
    ② 悠長な交渉は厳禁、反撃準備の隙を与えない
    ③ 反撃にひるまず、やり切る覚悟で挑む
 (4) ある外資系投資銀行幹部は「日本で同意なき買収が広まれば、上場企業の交
  代が起き、(株価や業績が低迷した)『死んだ魚』がぷかぷかと浮いた状況が
  変わる」と語っている。

3  その他の内容

 (1) 長時間労働や不安定な雇用形態で、教師が定着せず、教員不足が叫ばれて久
  しい。
   一方、授業を円滑に回すための備品(目標を達成した生徒の書類に貼るシー
  ル等)や家庭訪問の交通費などを私費で立て替え、自腹を切りながら学校生活
  を整えていくのが基本にさえなっている現実を明らかにした書籍『教師の自
  腹』を紹介している。
 (2) 農林中央金庫は2025年3月期に、運用環境の悪化を受けて最大10兆円分の
  債券の「損切り」を拡大させ、今期の連結最終損益は2008年のリーマン・シ
  ョック後を上回る1.5兆円規模の赤字となる可能性がある。
   農林中金には全国各地の農協の自らの貸し出しや運用に回しきれない資金
  が集まり、農林中金はこれを一括運用して農協に利益を還元する(2024年3月
  期の貯金残高:約108兆円)。
   農林中金は、運用上の制約のある『自由なヘッジファンドになれない巨大
  な運用機関』で外債に依存し、世界的な金利上昇(債券価格は低下)で、そん
  な弱みがあらわになり、各地の農協への影響が懸念される。

4  「ちょイケじぃじぃの独り言」

  私がこの頃気になることは、ある歴史学者が語る「近現代アップダウン説(40
 年周期)」で、1868年に元号が明治に、1905年に日露戦争の勝利、1945年に
 太平洋戦争の敗戦、1985年に世界が驚く経済大国の頂点をあげ、来年の2025
 年にはダウン局面の底(私には、なかなか信じがたいが)がきて、その局面で大
 切なことは『危機管理と油断大敵』であるらしい。
  ただ、太平洋戦争敗戦時のダウン局面の底と現在のダウン局面の底とは、外
 観上(破壊度等)の違いは明らかで、今の日本社会は、まだ「ゆでガエル」状態
 から抜け出せておらず、バブルは「日本社会の油断」であったように思う。
  今回の特集である「同意なき買収の時代」の記事は、「危機管理』の一例で
 あり、こういう事例が増えることで、外資系投資銀行幹部が語る「(株価や業績
 が低迷した)『死んだ魚が』ぷかぷかと浮いた状況」が変わって欲しいとも思う
  個人も、価値観が多様化した日本社会では、これから「個性(自分の価値観を
 持つこと)」
がより一層求められ、今の日本社会の風潮とは「適度な距離を保つ
 ことも大切になるような気がする。
  6月の日経平均株価は、4万円の大きな壁を目前に、単月比で2.8%(年当初比
 18.3%)上昇し、海外の主要株価指数と比べても順調で、為替も161円目前で外
 貨建て債券で運用している私はウハウハな気持ちである(ただし、運用している
 日本株式は散々な状況である)。
  今回の農林中金の外債の「損切り」での大赤字の記事は意外で、国債という
 国内中心のポートフォリオを国内・海外の株式を50%などへと見直したGPIF(
 日本の年金基金を運用)は投機的と批判されたが、2014年度末に137兆円だっ
 た資産は今では約226兆円まで増大し、運用の自由度の違いでこれまで差がつ
 くとは思わず、ダウン局面での顕著な事例のような気がする(GPIF改革は、故安
 倍晋三氏の最大の遺産)。
  私は今、小学2年生の孫の世話(学校帰り)をすることがあり、孫が先生に貼っ
 てもらったシールを嬉しそうに私に見せるのを見ているので、こんなことまで
 先生の自腹になっていることを知リ、このような経費までケチる教育行政では
 先生も気の毒に思うし、こんな状況では優秀な教師は続かないような気がする
  最後に、私は運動での「体」の筋トレと資格学習やnotoでの「頭」の筋トレ
 で「老いと闘える最後のチャンス」である私の70歳代を運に全てを任せ、ハッ
 キリした姿勢と「まぁ、いいか」という気楽な気持ちで過ごす一方、「宝物の
 孫」の世話をして、働きながら子育てをする一人娘をサポートしていきたい。



 
 

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