嗚呼厭世

ここでだけ、涙を流そう。


汚い涙だ。誰も見たくもないだろう。誰にも見せたくもない。


ここでだけ。今だけ。


もう疲れたんだ。勝手に目が熱を帯びていく。すぐに冷えるのに。


ここでだけ。


身体が震える。身体は寒くもないのに。血流が不規則だ。地面に沈み込んでいきそう。


ここってどこだ。


心臓が不自然に強く打つ。そんな気がするだけかもしれない。ただ違和感がある。穴が空きつつあるような。抉られている気がする。


どこだ。


道化だ。主人公を映えさせるために落ち込む登場人物だ。いつになったら主人公は来る。ツバを吐いて乾いた笑顔で笑ってやる。


ない。


ハハハハハハ。ギャハハハハ。ハーハハハハハ。ははははは。何か吐きそうだ。臓物でも出てくれば終われるのに。




黒い湖が見える。落ちたら終われる。なんて魅力的なんだろう。誰か落としてくれないか。ねぇ。




声もない。もう消えた。もういいんじゃないか。










いいだろ。


いいよ、










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