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インドに行って度胸がついた初日

もう行きたくない。でもまた行ってみたい国。


名古屋飯のあんかけスパゲッティは最初食べた時全然美味しくなかった。
でもなぜかしばらく経つと食べたくなった。
「あの不味さをもう一度味わって嘲笑いたい。」
今では好きなものは何と聞かれたらあんかけスパゲッティと答えるくらいに変化している。

インドに対してはこの感情と同じ気持ちになる。

大学生の頃お金はないけど時間はあった。
外国語大学に通っていた僕は、別の外国語大学へ進学した友人とバックパッカーの旅をしたいねと話しとりあえずインドへ行くことにした。

最初旅行ビザを取得する時に旅行計画を提出しなければならない。
特に計画は立てていなかったがインドからネパールへ向かうことにした。
この旅のことは大学生の頃なので正直10年以上前の話である。
バックパックのみで14日間かけてインドからネパールを旅した。
旅費は航空券合わせて10万円ほどだったと思う。

「パスポートは渡してはいけない」「パスポートを見せろ」

日本からは約9時間半。到着したのは夜の9時頃だった。
ついに俺たちはインドに来たのか・・・
と思いに耽るよりも、真っ暗な空港の異質な空気に飲まれていた。
空港の周りは何も無く、あたりは真っ暗で、とりあえず空港から街へ向かうためにトゥクトゥクに乗った。

運転手は「ノープロブレム」、「アイアンダスタンドゥ」をインド訛りでやたら連呼したことは覚えている。
近くの安いホテルに泊まろうとしたが、今日は祭りでどこも部屋は空いておらず、5つ星の高級ホテルしか空いていないと言われ僕らは困り果てた。

今思えば、一種の嘘なのだと思う。空いていないからしょうがなく5つ星に泊まらせてマージンを掠め取ろうという策略だったのだろう。


とにかく「I have no money」と強調していたので、運転手も焦っていた。
それならということで、国内の旅行代理店に連れていかれた。
薄暗い店内には日本語が達者な黒ひげの店長みたいな人に話をされた。
1万円払ってくれれば、ガイド付きで翌日ニューデリーを観光して、アーグラに行きタージマハルに連れて行ってやると言われた。

ホテルもガイドもついて1万円ならまだ良いかと2人で話し合い、契約をした。
しかしとりあえずパスポートを見せなさいと言われ、パスポートだけは見せてはいけないと「インドの歩き方」に書いてあったので「no!」と繰り返し唱えていたが、「いや、見せてくれんと事が進まんがな」と言われんばかりの説明を受け、渋々パスポートを見せた。
結局普通に旅行パッケージプランを組む事ができひとまず安心して外へ出た。

はい、じゃあ400ドル払ってね



そして




先ほど連れてきてくれたトゥクトゥクの運転手が外で待っていて
お金を払ってくれと言ってきた。

「How much?」と聞くと「400ダラー」と言ってきた。

ん?

インドの通貨ってルピーだよね?

ダラーって何?「ミリオンダラーベイビー」のダラー?

400ダラーって400ドルってこと?

400ドルってことは4万円くらいってこと?

答えはもちろん

「I have no money!」

すると仲間たちが急に10人くらいぞろぞろとやってきて、囲い出した。

「いや!マジでないのよ!I」と心で思っていたが
毅然とした態度で
「I have no money」と繰り返し言い続けた。
3分間くらい10人くらいから睨まれていた。


結局は向こうも折れて、適正価格の1,300円くらいに落ち着いた。

本当にお金がないやつはしっかりと相手に気持ちが伝わるのだろう。

これ今考えるとかなり勇敢だったと思う。
なんなら一歩間違えれば殺されていたかもしれない。
自分の中のぞっとする話というのはさておき、近くのホテルにつきようやく初日を終えた


これからネパールまでの旅日記はたくさんありますが、とりあえずは今回は初日で早速インドの洗礼を受けた話を書きました。

どこか落ち着いた時にでもこの後の物語を書こうと思います。







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