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「正夢」を企画した経緯と超個人的な思い🦄(長いよ)

多分だいたいの人がはじめましてだと思います。
はじめまして。普段は秋吉というコンビでフリーで芸人活動をやっている星歌《せいか》です。

この度、2024年3月28日〜31日にかけて北池袋 新生館シアターにて、ひとりしばい公演を打つことになりました。
人生で初めてちゃんと劇場を借りて、自身で企画・製作・演出・出演するという超超超大ハード責任重大公演です。
戯曲執筆という核の部分を作家様にお願いするので、せめて自分でできることは全部自分でやろう!という裏テーマもあります。はい。
今回は私が尊敬してやまない、素晴らしい作家さん5名に10〜15分ほどの当て書き脚本を書き下ろしてもらい、それをオムニバス形式で上演するといった企画です。

そう、つまり、1時間ちょっとで少なくとも5人演じ分けないといけないのです。ギャーー。
でも逆に言えば1時間ちょっとで5人も演じるところが見れる超贅沢公演です。ヒューーー。

この情報を知った人に「こんな豪華な作家陣どうやって集めたの?」と聞かれるんですが、本当にほぼ「熱意だけでひたすらアタックした」って感じです。
実績も経験も少ない私にとっては熱意しか武器がなかったんです。マジで。逆にほぼ熱意だけで頼み込んだ、得体の知れない私の依頼を快く受けてくれた5名の作家様にはただただ感謝しかないです。どこに住んでるか分からないけどこの5人が住んでる方角には足を向けて寝れないね。あっ、鈴江さんは愛媛か。とりあえず愛媛には足向けません。

オノマさん、柴さん、鈴江さんの作品は高校時代から大ファンで、演劇部で作品をやった事もあるので、未だ、夢みたいです。震えております。うひょー。
櫻井さん、保坂さんは東京に来てから知ったお2人で、この2人の作品を見た時、「こんなに面白い作品をやる劇団があるんだ!上京して良かった!」と本気で心の底から思いました。救われた気持ちになりました。なので、いつか絶対一緒に創作がしたい!と思っていたので夢が叶って嬉しい。うひょー。

ほんと、ちょっと前の私が見たら卒倒するレベルのメンバーです。未だにふわふわした気持ちです。
この5人の作家様を背負って公演を行うプレッシャーもあるけど、もうここまできたらひよったって時間の無駄だから、今はただただ「たのしみ〜🌷」でいっぱいです。バカみたいだけど、本当にそうなんです。どうせなら楽しんでやった方がいい。

今回は特にテーマはなく、ただただ「私に対する当て書き脚本を作ってください」としか注文していないので、この5名の作家様がどんな角度からどんな私を生み出してくれるのか、乞うご期待です。

5名とも打ち合わせをしてお話したのですが、もうほんと、5人みんな個性があって話してて楽しかった。当たり前だけど、作家さんによって雰囲気も話す内容もバラバラだったので、個性豊かな脚本が5つ揃うのが楽しみで仕方ない。
5人それぞれとのお話や思いは近いうちにnoteに書こうかな…

はい、そう、前置き長くなったんですが、なんでこの公演をしようと思ったのか、それを今からここに書きますね。私の思いです。

私はお笑いと演劇が大好きで岡山から上京しました。芸人をやりつつ、どうしても演劇がやりたい気持ちが抑えられなくて、昨年、大好きな鈴江俊郎さんの作品、「天にのぼりたいとふとおもい」の1人芝居公演を行いました。その1人芝居は鈴江さんの台本提供のおかげもあり、とても満足のいく形で幕を下ろしました。
周りからも好評だったので(自画自賛)、また1人芝居公演を行おうと思いました。
だけど、せっかくまた1人芝居をやるなら、なにか企画みたいなのでやろうと思いました。

そこで思いついたのが、私の好きな劇作家の人、数名に10〜15分の短編脚本を書いてもらい、オムニバス形式の舞台を上演しようというものです。
脚本が違えば、全く違った舞台が広がる面白さを伝えたいので、様々な人を選んでオムニバスにしよう!と思ったのが事の発端です。

あと、個人的な話になりますが、私がこの公演を試みようと思ったのにはもう1つ理由があります。
私個人的に、この年始に死にたいくらいしんどい思いをしました。
今思えば全然「死にたい」と思ってしまうほど落ち込むことではなかったのですが、その当時は「死にたい」「消えたい」「いなくなりたい」とばかり思って頭がいっぱいでした。私、追い詰められると「死ぬしかないじゃん」ってパニックになって、ほんとに「死ぬ」以外の選択肢がないと思っちゃうんですよね。
毎日Googleで、
「死に方 楽」
で調べていて、実家にあった風邪薬をイッキ飲みしてみたけど、結局そんなんじゃ死ねずに、ゲロとピンク色のうんちが止まらず、トイレから出られなくなって正月が終わりました。
ピンク色のうんちをしながら「私なんのために東京に行ったんだろう」「東京に行ってなにをしてるんだろう」と思ってボロっボロに泣きました。

だけど、ふと、俯瞰で自分を見た時に「逆にどうしたら死にたいと思わずに済むだろうか」、「逆にどうしたら生きたいと思えるだろうか」と真剣に考えました。逆転裁判の綾里千尋風に言うと、「物事を逆転して考えるのよ、成歩堂くん」です。(みんな逆転裁判おもしろいからやってね🎶)
私の中の綾里千尋が降りてきました。こんなの初めてです。初めて、死ぬ以外の選択肢を探そうとしてる自分がいました。

私は普段芸人をやって、そしてたまに演劇をやったりしていますが、まだ何もなしえていません。
今、私は、何者でもないなと思いました。仕事を聞かれても「一応、芸人です」と答えるくらい何者でもないです。毎回、「一応」をつけてる自分が情けない。「早く何者かになりたい」とずっと思ってました。何者でもない自分にどこかずっと罪悪感がありました。
(まあ逆に「何者」かになれた!って思って満たされるのってどこからなんでしょうね。)

今思えば、演劇というものは何者でもないフラフラした私を何者かにしてくれるから好きでした。自己肯定感の低い自分にとって、演劇をすることによって、役を与えられることによって、「そこにいてもいい」と思えるような感覚があったのです。
まず、演劇によって何者かになれたら、死にたいと思わなくなるかもしれない、と思いました。
(じゃあ、お笑いじゃなくて演劇やれよって思われるかもしんないんですが、それはまた違う話で…難しいのですが)

そして私にはひとつ夢があります。私の好きな劇作家さんに当て書きをしてもらうことです。私は本を書くのが得意ではないです。というか「書けない」に等しいです。芸人として活動している時もネタはいつも相方が書いてくれています。🐜×10
だけど、演劇や創作活動は大好きです。
なので、書けないけど、好きな劇作家さんの台本を自分なりに解釈してひとつの作品にする、という形で表現をすることが多いです。
私は好きな劇作家さんの作品を考察したり演出を練ったり演じたりするときは、その人と一緒に舞台を作っている感じがして好きです。なので毎回演じる度に、「劇作家」という職に対して尊敬と憧れでいっぱいの感情になります。私は「劇作家」というものが大好きです。

「死にたい」と思ってるのなら、じゃあどうせ死んでしまうつもりなら、最後に自分が1番やってみたかったことをやろうと思いました。そこで思いついたのが、私の好きな劇作家さんに当て書きをしてもらい、私を何者かにしてもらおう、というものです。
何者でもない私がやったら面白いコンセプトの企画。無名の、得体の知れない奴がやったら面白いだろうと。
これなら、何者でもない私を肯定できると思いました。生きたいと思えると思いました。

私は昨年の一人芝居は「私の大好きな鈴江さんの脚本をみんなに伝えたい!」という気持ちで全力でやりました。
私は普段は芸人をやっているので、観に来たお客さんはほとんどが芸人の繋がりの人たちでした。
ですが、観終わった後に「普段演劇を見たことなかったけど感動した」「演劇に興味が湧いた」「鈴江さんの他の作品も見たくなった」と言われました。

私は本気で感動しました。普段演劇に触れたことのない人たちに演劇の良さを伝えられたことと、私がその架け橋になったことに。(めちゃくちゃ自意識過剰だけれど)
なので今回の企画もその部分を大切にしようとおもいます。

せっかく沢山の作家さんに書いてもらうなら、その作家さんを知るきっかけになって欲しいし、一括りに演劇と言っても作家さんごとに色は違うということを楽しんでもらいたいです。色んなジャンルの人たちを繋げる舞台になればいいなと思ってます。

と、こんな感じです。よく意味わからないかもしれないけど、これが全てです。

「どうせ死ぬなら最後に」を根底に置いてある舞台なので、(もう多分死なないだろうけど、)本気で心の底から今書いて欲しい人に全力で頼みました。妥協一切無しです。なのでこんな豪華な作家陣になったのです。
お前みたいな無名の芸人が生意気な……と思う人もいるかもですが、最期を飾る舞台だ、と思ってやっていると思って許してくだせぇ。

面白いことに、どうせ死ぬなら、やりたかったことを叶えて死のう、と思って企画を進めて、本当にその夢が叶うと、死にたい気持ちなんてどこかに行ってしまいましたね。そんなんでいいんです、ほんとに。死にたいって思ったら好きなことをやればいいんです。これはまた死にたくなったときの未来の自分に向けてのメッセージです。

延命治療のような公演ですが、ただの自己満足にならないようにします。お客様に見てもらうなら、ちゃんとエンターテイメントにしなくては。
星歌ちゃん尽くしの公演だと思うんですが、星歌ちゃんを知らない人も楽しめるものにしよう、というのも一つの大きな目標です。

今一度、作家さま、関わってくれるスタッフさん、親、そして芸人活動をしながらもこの公演をやるということを快く許してくれた相方に感謝でいっぱいです。

世界はそんなに悪くないし、死ななくても意外となんとかなるね。生きててよかった。
とりあえず、デロリアンに乗って過去に行けるなら、ピンク色のうんちをしながら悶え苦しんでる自分に「大丈夫だよ」ってつたえてあげたいです。

星歌


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