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【感想】WoL討滅戦終了、漆黒はまだ続く

ということでWoL討滅戦まで進めた。なんでこんなすっきり終わります!!みたいな顔しているのにエンドロールも「つづく」も存在しないのか全く理解できない。これが漆黒後半戦の中盤だということが一番信じがたい。
こんなことあっていいのか!?て思うけれど、なっているので受け入れざるを得ない。

漆黒のヴィランズでは第一世界での新たな冒険やたくさんの出会いとともに、二人のアシエンと戦うことになった。
一人はみんな大好きエメトセルク、もう一人は唯一白い服を着たアシエンだったエリディブス。
彼ら二人には共通点がある。それはヒカセンに直接コンタクトを取り話をしたことがあること。それから二人とも、オリジナルアシエンであること。
でも、その中身は全くの正反対だった。水晶公も含めたこの3人の在りようの違いが絶妙でよかった。

ここから原初世界に戻って冒険を再開する前に、まずはここまでの話を整理して感想も残しておこうと思う。

古代人もアシエンも、大切なことを忘れる

どんなに大切なことでも、そのまま覚えておきたいことでも、残念ながら人間は忘れる。
そのことが強烈に頭に残るストーリーだったけれど、完全に近い古代人やアシエンも、また忘れてしまうのだというのが切ない。

さて、エメトセルクはヒントトークの中でこんな話をしている。

ああ、そんなことか。私たちアシエンは、いわば水……肉体というのは、入れ替え可能な器にすぎない。
そして、奪い取った肉体を、そのままの形で使う奴もいれば、再創造して、己の好きに作り変える奴もいる……。
私は、仕事で変えざるを得ないタイミングがくるまでは、極力同じ容姿を使い続けるようにしているからな。(中略)
対して、器にほとんど調整をほどこさなかったのが、お前たちが殺したラハブレアだ。
いやぁ……あれだけ姿かたちを変えると、普通、自己ってものが崩れてくるものなんだがな……よくやったもんだよ、あの爺さん。

エメトセルクのヒントトークより

この辺の会話から、新生の最後でサンクレッドが肉体をラハブレアに乗っ取られていた時も、ラハブレアの魂に合わせて肉体をチューニングせず使用していたと分かる。
でなければサンクレッドは肉体を取り戻せなかっただろうという話から、おそらくエリディブスもまた、同じ方法を取っていただろうと想像できる。

何故なら、エリディブスはゼノスの肉体を使用していたにもかかわらず、難なくゼノスに肉体を奪い返されているからだ。これがエリディブス用に肉体を調整されていたら、ゼノスでもすんなりと肉体に収まることはできなかっただろう。

対してエメトセルクは慎重派で、必要な時以外肉体を奪うことはしない。
特に漆黒で彼が使っていた肉体は、ヴァリスがアラグの技術を使って量産していたコピー品だった。他人だった誰かの肉体を奪ったわけではない。すでにエメトセルクの魂の形にあった肉体だったから、おそらく彼の魂そのものへの負担も軽かっただろう。

やたらとエメトセルクが人間臭く、ヒカセンに肩入れしそうなほどの距離感で接してきたり、怒りを顕にしたりと感情の起伏が色々はっきりしているのは、多分この慎重な行動のおかげだ。
おそらくエメトセルクがこうした行動をとっていたのは「自己を守るため」であり、もっとそれっぽく言えば「大切なことを忘れないため」だ。

そうまでしてでも、エメトセルクには忘れたくないものがあった。
反対にラハブレアやエリディブスは、忘れたくないものを忘れてでもやり遂げたいことがあったのだ。

エリディブスが「大切なこと」を忘れてしまった原因を考える

と、ここまで考えてみるとエリディブスはずーっと冷静沈着だったのではない。すでにその辺の感情がそぎ落とされて、元のエリディブスとは魂の形が変わってしまっていたのだと考えたほうが納得できる。

コップの中に水を入れる。そのあと別のコップに水を移していくと、同じ量の水が別のコップに入っているようでもだんだんと水が減っていく。
それと同じように、エリディブスは自分の水(魂)がだんだんと減っていった結果、自分がいったい何者なのか、一体どういう理由でここまで来たのかを忘れてしまっていた。

彼にとって、エリディブスという職責こそがすべてになっていて、十四人委員会の決定を最後まで遂行することが目的になっていた。ところがWoL討滅戦前のカットシーンで「誰かと約束した」ことをふと思い出す。

この一連の流れを確認しなおすと「そもそもエリディブスの最初の目的は誰かと約束したことを成しえること」であって「ゾディアークを復活させること」ではなかったとわかる。

ヒカセンや水晶公に比べ、長い時間がかかってしまったことや、肉体をいくつも渡り歩いた結果忘れてしまったという違いがあるにせよ、一番忘れるべきではなかった「どうして自分がこうしたいと思ったのか」「その結果どうなってほしいのか」という、願いの根源をエリディブスは忘れてしまった。
皮肉なことに、エリディブスは蛮神でありながら一番テンパードに近い存在になり果ててしまっていた。

エリディブスは自分の名前について「この名前が自分の導(しるべ)である」と発言している。だが、肝心かなめの自分自身が変わってしまうことを彼も想像はしていなかったのだろう。
ヤ・シュトラが「大事なものを、きちんと覚えていて?」というセリフは、まさにこの点を喝破した台詞だった。

一応こちらの後半でも、似たようなことを書いていた。
つまり、彼らは何をもって自分がその本人であると証明するのか?というのが、漆黒後半からはかなり重大な問題になっていた。
その問題に見事にぶつかり、そうして自己が乖離した存在だと気づけなかった存在こそがエリディブスだった。

それに対して水晶公は、自分が何者であるのかを忘れていない。
彼を「グ・ラハ・ティア」と呼ぶと、いつもの振る舞いから昔の彼に戻るのは、彼自身が自分をグ・ラハ・ティアであることを忘れていなかったからだ。

その最大の理由は、おそらくグ・ラハがヒカセンのことをしるべにしていたからだ。いろんな意味でヒカセンはブレない。
アシエンたちは「なりそこないは揺らぎやすく、常に変わり続けている」と言っていたが、生きていたらそれは誰だってそうなるに決まっている。
でも水晶公の中のヒカセンは違う。すでに死んでしまい、ただの英雄譚の登場人物となった彼はブレることがない。そして、彼を助けたいという願いは、第八霊災が阻止され実際に叶うまで絶対に変わりようのない真実なのだ。

だから、まだ原初世界のグ・ラハを叩き起こしていない今でも断言できることがある。
それはグ・ラハなら水晶公の記憶を受け止めて目を覚ますことができるということだ。どっちが意識として勝るかはさておいて、グ・ラハに水晶公の記憶はちゃんと収まる。間違いなく。

整理すると、多分こう

蛮神となったエリディブスの最初の願いは「仲間たちの笑顔が見たい」というものだった。
ところがゾディアークから零れ落ちたあとのエリディブスは、このことを忘れてしまった。それは蛮神だったエリディブスと零れ落ちたエリディブスに違いがあったからだ。

この違いこそが、蛮神の核となった存在なのか、テンパードなのかの違いだ…と、思う。
5.3あたりまで進めると、テンパードと罪喰い化に色々な共通点があることがわかる。具体的に言えば、光(霊属性)のエーテルの「停滞」に寄る現象が罪喰い化で、この停滞は様々な部分に障害を引き起こす。
そのひとつが「魂そのものにエーテルが作用して、自己が希薄になること」。自己が希薄になると、今度は蛮神やほかの罪喰いなど信奉するものを優先する行動をとるようになる(なんかアリとかハチみたいだ)。

つまり元来のエリディブスの願いは「仲間の笑顔が見たい」だったが、そのためにはゾディアークとなって世界を救わなければならない。
ゾディアークの願いは「世界を救うこと」なのだから、零れ落ちたエリディブスは、その願いに応じた行動をとるテンパードと化した。

もともとの自己が希薄になっていたのに、肉体を自分に合わせて調整せず使い続けたことで、さらに自己が希薄になり、結果的に「約束」を零れ落ちたエリディブスは忘れてしまうこととなった。

最後に自分の最初の願いを思い出し涙を流せたのは、蛮神の核となったエリディブスと零れ落ちたエリディブスが一つに戻った=同じ存在であったことを思い出せたからだと考えればしっくりくる。

健全な肉体にこそ、健全な魂が宿るもの

ここまで魂=自己の話をし続けているけれど、考えてみれば自らの肉体を持たないアシエンたちが魂の在り方が変わっていくのは仕方ないことだったのでは?と思う。

漆黒の序盤でこんな話をしていた。
漆黒に突入する前、紅蓮の最後のほうにクルルはマトーヤからこんなことを言われている。それが「肉体が健全ならば、また魂も健全」ということだ。

このことがあったからゼノスの肉体がきちんと機能している=ゼノスの魂は生きていると考えていたし、アルバートも魂が無事=肉体も使用できる状態ではないかと考えていた。
結果的にその通り?というか、特に腐敗したりすることもなく、アルバートの肉体はそのままエリディブスが使用している。

で、ここまで考えて思ったのは「じゃあ本来の肉体を持たない魂だけの存在が、健全であり続けられるわけがないのでは?」ということだ。

魂と肉体が分離してずいぶん時間が経ってしまったサンクレッドは、身体の不調を訴え始める。
どんなに強い力を持っていた古代人たちやアシエンといえど、似たような現象が起こっていないという保証はない。それが「自己が崩れていく」という現象だった可能性も十分にありうるよな、と思った。

それでも黙っているハイデリンの考えを知りたい

ということで、漆黒の後半戦はさらに盛り上がってきた。これ以上盛り上がることある?ってくらい盛り上がったけれど、ここから先に暁月があるので、確実に盛り上がるとわかるのが凄すぎる。

第一世界に戻っていった暁のメンバーを待つのは…今からあんまり想像したくはないけれど、ゼノスだよな~~と思うと頭を抱えそうだ。好きだけど嫌いだ。

斜に構えたおじさんの相手の次は、コミュニケーションバブな暴れん坊と壮絶な殺し合いか~~…熱烈なことで。
現在、過去、そして未来から強烈なラブを送り続けられるヒカセン、前世で絶対何か悪いことをしたに違いない。
そうして、その悪いことを知っているのは多分ハイデリンなのだ。

そうなったら次はハイデリンに会いに行くしかない。
第14の座に座るアゼムは、ヒュトロダエウスいわく「たくさんの出会いを経験して、何かあると仲間を呼んで解決しちゃう」そうなので、その座に座すものとしては会いに行くしかないのだ。

ハイデリン、いや正確にはその核になったヴェーネスに会いにいくこと。
一回くらいはゾディアークを殴っておくこと。
邪魔してきそうなゼノスを殴ること。

この3つがここから暁月にかけての最大の目標になるのかなぁと思っている。
暁月が終わったら夏休み!!あとレポリットにも会える!!長い長いヒカセンの冒険譚も最高潮の盛り上がりが見えてきて、ワクワクしている。

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