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結論

◎ サトノグランツ
〇 サヴォーナ
▲ タスティエーラ
☆ トップナイフ
△ ショウナンバシット
△ ドゥレッツァ
△ ソールオリエンス


予想ポイント

①菊花賞のラップ傾向
②各馬の能力比較

①菊花賞のラップ傾向

以下は2018年から2020年のレースラップとその平均ラップを示したものです。縦軸は1Fごとのラップタイムを示していて、上に行くほど遅いタイム、下に行くほど早いタイムになっています。

菊花賞過去3年(2018-2020)分のレースラップと平均ラップ

京都3000mという珍しい条件で行われるレースであり、あまりレースラップが参考とならないレースといえます。どの馬も3000mは未経験で出走してくるため、ラップというよりは長距離への適性を問われるレースです。

過去3年(2018-2020年)の前後半平均は

前半5F 62.4
後半5F 60.2

であり、2.2秒の後傾ラップ(前半が遅く後半が早い)となっています。近2年の阪神3000mとの違いで言えば、京都の下り坂を活かした後半最後のスピード勝負になりやすいというのが京都3000mの特徴であり、2018年フィエールマンが勝った年のラップがわかりやすい例でしょう。よって、スタミナよりはスピード寄りの長距離適性が重要であると考えます。


②各馬の能力比較

今回重視したいのは神戸新聞杯組です。理由はこのレースのレベルが高かったと考えているため。よって、神戸新聞杯組を重視するというのが予想の最大のポイントとなります。神戸新聞杯の回顧は以下の記事で詳細を述べているので興味がある方は是非読んでみてください!

また、もう一つ大きなポイントは、ダービーの全体時計、上りがスローのわりに遅かったこと。この事実だけでメンバーレベルが低いと言い切るのは危険ですが、一つ言えるのは「このレースの上位陣がこの世代で抜けているわけではないのではないか」ということです。特に今回上位人気になるソールオリエンスとタスティエーラに対しても疑いの目を持つことができるのではないかと考えます。

よって、これらの推測から、菊花賞では他の馬の台頭もあると私は考えます。今回は穴目でも面白いと思う馬が多いため、印を打った馬全頭の見解を次章で述べたいと思います。


各馬の短評(ピックアップ馬のみ)

11. サトノグランツ

◎ 本命
春までの実績は薄く、ダービーの着順も悪かったことでこの世代の上位とはみられていなかった馬です。しかし、陣営が公言している通り春から菊花賞を見据えたレース選択をしており、明らかにここが本番だとみます。前走はレコード勝ちとなりましたが、陣営が仕上げ切っていたとは思いません。その中で後半5F 57.2の超ハイペース戦を勝ち切ったことは大きく評価できます。そして、仕上げから今回上り目があると考えるのが妥当だと思います。この馬は、これまでスローペースからの後半スピード勝負ばかり経験しており、そのようなレースでもしっかりと力を見せていますが、本質はスタミナも生かした競馬を得意とするタイプだと考えています。(陣営の声や未勝利勝ちのレベルが高いことが主な理由です。)この馬のMAXのパフォーマンスを発揮し、勝利することを期待しています。


8. サヴォーナ

〇 対抗
春は大きな結果を残せませんでしたが、京成杯でゴール後伸びを見せてソールオリエンスに迫れていたり、ゆきやなぎ賞でサトノグランツを追い詰めたようにスタミナ的な素質はこの世代でも上位のものを見せていたと考えています。夏を越して信夫山特別で強い勝ち方をみせ、前走の神戸新聞杯では早い時計勝負にも対応できることを示したことで大きな成長を感じました。今回、調整過程で初めてCWでの追切を行っており、最終追切でもこの馬としてはかなり早い時計で走っていることから、前走を使っての大きな上積みを感じます。陣営もこの舞台を早くから見据えていたことを示唆しており、勝ちまで意識してレースに挑んでくるのではないかと思います。スタミナが大いに問われる展開になれば頭も狙えるとみます。


7. タスティエーラ

▲ 単穴
この世代のダービー馬であり、人気通り強い馬であることに疑いようはありません。特にこの馬が強かったのは皐月賞です。かなりの重い馬場で前半5F 58.5という超ハイペースとなったレースにおいて、この馬は前半から前に位置してそのまま一頭抜け出すところを最後に差された形。明らかに皐月賞で一番強い競馬をしていました。ダービーは騎手の上手さもあって勝利をつかみ、時計的な評価も低いため例年のダービー馬ほど評価されていないような印象を持っています。皐月賞の競馬から、スタミナが問われたときにこの馬本来の能力が最大限に発揮されると考えているため、菊花賞の舞台はスローとなったダービーよりも合っているとみます。ノーザンファームのクラブ馬としては、モレイラ騎手を確保してここに挑んでくるあたり勝負気配は非常に高いでしょう。調教の時計も春より明らかに良化しているため、ここで大崩れすることは考えにくいと思います。


1. トップナイフ

☆ 星
ずっと言い続けているのですが、この馬で最も評価しているのは萩Sの走りです。1日後のプログノーシス2着と変わらない時計で走れており、自身の上り3F 33.9は非常に優秀です。そして、前走の札幌記念の時計はかなり優秀で強い競馬ができていました。(札幌記念の回顧記事もあるので気になる方は是非!)メンバーレベルもG1級である中で勝ち負けしたのは大きく評価できます。札幌の馬場適性が高かったことは間違いないですが、純粋な能力が高いことはこのレースで証明されたと思います。スタミナ的な能力は間違いないため、ここではスピードで他の馬に対抗できるかがカギとなるでしょう。ダービーで後方から上り33.1を使った経験がここで生きることを期待します。


16. ショウナンバシット

△ 連下1
この馬において評価できるのはスタミナが大いに問われた皐月賞、そして究極の上り勝負となったすみれSです。すみれSの上り5Fは58.2であり、このレースでは過去比較でダントツの一位です。前半が超スローとなったことが主要因ですが、この馬は直線で不利がありながら勝ち馬シャザーンに迫る上り3F 33.6の脚を使えています。サヴォーナと同じく本質はスタミナ勝負が向いているタイプながら、早い上りにも対応できるのは高い能力の証だと思います。前走の神戸新聞杯でも着順ほど負けておらず、脚も使えていたので上位陣と大きな差はないとみます。そして、調教時計を見る限り前走を叩いての上積みは大きく、過去最高の状態で臨んでくる可能性もあるとみています。外枠から前目に位置をとってスタミナを生かす勝負に持ち込めば大波乱を演出するかもしれません。


17. ドゥレッツァ

△ 連下2
東京2000mの後半スピード勝負では現役でもトップクラスの馬です。ホンコンJCTにおいて、後半5F 57.3という究極のスピード勝負となったレースを自身の上り3F 32.7で差し切った走りは圧巻でした。前走もハイレベルな古馬を相手に差し切り勝ちで強い内容であり、全体時計も過去の日本海Sで最速のものでした。クラシック路線を歩んだ馬との実力差が測りにくいですが、これまで見せたパフォーマンスから菊花賞で上位人気となる実力は兼ね備えているとみます。気になる点は唯一経験した右回りの山吹賞の内容がいまひとつであること。そして、陣営はもともとこの馬にとって長距離は向かないと考えていたことです。前走後のコメントから菊花賞を目標とすることは考えにくい状況でしたが、一転してルメール騎手でここを目指すことを決めています。邪推ですがレーベンスティールを優先して考えた結果ではないかと思います。以上のマイナス材料から連下までの評価に留めました。


14. ソールオリエンス

△ 連下3
京成杯後から、この馬が出走するレースでは一貫して厳しい評価をしてきました。理由は時計的な裏付けが薄いため。個人的な予想スタイルとして、時計的な強さの裏付けがない状態で人気する馬は徹底的に嫌うことで妙味を狙っているため、どうしても評価をしずらい馬、というのがこの馬に対する評価の全てです。関係者の声や、皐月賞・ダービーの内容から世代屈指の馬であることに疑いの目を向けることは難しいでしょう。しかし、競馬で勝つ(馬券として長期的なプラスを目指す)ためにはこのような馬に対して厳しい評価をすることは間違いではないと私は考えており、その姿勢は貫きたいと思います。とはいっても、前走セントライト記念の時計と内容は素晴らしく、例年のセントライト記念組と比べても上位に来るとみているため、能力であっさり勝利しても勿論おかしくないと思います。ただ、前走・今回の仕上げと体重的な成長面で疑問があるため、下位の評価とし、3連系の抑えで買うのみとしたいと思います。


最後までお読みいただきありがとうございます!
みなさんによってよい菊花賞となりますように!

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おず




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