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時折最高:019 Catherine Ribeiro + Alpes - Ame Debout (1971)

Catherine Ribeiro + Alpes3枚目のアルバムからタイトルトラック。
なんと言っても圧倒的なボーカルに打ちのめされる1曲。
毎日聴く音楽ではないかも知れないが、聴いた時には毎回背筋に戦慄が走る。だからこの「時折最高」のシリーズで取り上げるには相応しいだろう。

Catherine Ribeiroは1965年から歌手として活躍していた。この初期ソロ時代はシャンソンの流れを組んだポップス歌手に分類できるだろう。それが1969年、Catherine Ribeiro+2bis(Alpesの前身)という実験的なロックバンドとして活動を開始する。1980年までに9枚のアルバムを発表、フレンチプログレ黎明期の登場から、唯一無二の音楽を残した。

一聴、かなり耳慣れないサウンドに気付く。実はメインの演奏は彼らが独自に開発した楽器によって奏でられているのだ。
一応弦楽器だとは分かる音を奏でるのがコスモフォン、ちゃかぽこちゃかぽこと鳴る打楽器ぽい音を出しているのがパーカフォンと名付けられた自作楽器。どのような楽器なのかを知ることが出来る映像が残されている。

分類としてはフランスのプログレッシブ・ロックに入れられることがほとんどなのだが、実際はロックではないだろう。シャンソンの流れは含むが、そう呼ぶには破天荒過ぎる。

アナログ時代から、フランス以外では発売されたことがなく、比較的入手しにくかった。CD時代に部分的な再発はあったが、2015年には全アルバムを収録した9枚組Boxが発売されている。

それより数年前には、2~5枚目を収録した4枚組Boxもあった。

その前となると、2004年にCatherine Ribeiroの1965年から1983年までのキャリアをカバーした4枚組Boxとなる。

このボックスでは、1965年からのソロ時代シングル・EP収録の12曲のCD化が貴重だった。

思い出したように、時折再発されてはきたが、それでも未だに一般的な知名度は低いのではないだろうか。配信ではAlpesの前半期(2~5枚目)という、個性全開アルバムが聴けないので、ご興味を持たれた方には9枚組ボックスを入手していただくのが一番安価で簡単なのだが・・・。


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