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時折最高:034 谷山浩子 - テングサの歌 (1979)

楽しくて、可愛くて、怖ろしい。
そんな曲ですね。
出だし部分の歌詞とリズムとメロディが素晴らしい。
この語順、修飾子を重ねていく語り方、日本語の歌、日本語の歌詞として素晴らしいと思います。

歌詞が詩として成り立たない歌って、繰り返しの鑑賞に耐えない、と思うのですよ。いいたいことを並べただけの歌詞は詩じゃない! 80年代以降、落第レベルの歌詞しかついてない曲が圧倒的に増えた気がします。誰かの陰謀ですか?(笑)

さて、谷山浩子好き?、と聞かれれば「好き。尊敬してる」と答えるくらいには好きなのですが、実は1979年までの作品以降をあんまり聞いていないため、谷山ファンに見つかれば怒られること必至です(笑)。

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周囲に谷山ファンがいつでもいたため、活動の様子はなんとなく把握していました。ただ結局初期作品のインパクトとその時受けた衝撃から私は抜け出せなくて、以降の作品に思い入れが生まれなかったのでした。

ノックアウトされた曲の数々

う~、今でもこのあたりの曲を聴くと鳥肌が立ちます。
なんのことなのかよく分からない、ちょっとファンタジックな歌詞なのに、妙に心に刺さります。もの悲しいような、楽しいような、絶妙なメロディーですよね。

ねこの森ってなんなんだ?、と思いながらも、あっという間に猫の森から出てきた女性に魅せられて、共感して、一緒に悲しくなって、励ましたくなる、不思議な歌。

薬のCMに使われた曲ですが、本当に見事。
知り合いのファンによれば、彼女の日本語の発音は大変美しい、と。
言われてみればなるほどです。
日本語を学ぶ外国人の皆様にはお手本、教材としてもらいたいようなきちんとした日本語、そして発音だと思います。

ハードロック調のアレンジがファンには不評だったらしいシングルバージョン。しかし歌は見事。確かに見事な発音の日本語です。いい曲だ~。

そもそも谷山浩子さんのレコードデビューは15歳の時ですよ?
最初からこんな怖ろしい歌を歌っていたんです。
まあいつまでも同じ路線でいる必要はまったくないのですが、なまじ初期作品に魅せられてしまったせいで、その後の作品についつい同じようなものを求めてしまう・・・。こっちが悪いんですけど、抜け出せません・・・。

この曲とかを聴くと、Discogsで「ニューミュージック歌手として受け止められているが、プログレッシブ・ロック的な要素もある」といった紹介のされ方をされているのも理解できます。

彼女の音源は、サブスク配信こそほんのちょっとしかありませんが、iTunesやAmazonでは初期音源含め揃っているようです。70年代のアルバムも紙ジャケ再発されているようですし、音源は入手可能です。サブスクでは聴けないだけで。

Amazonといえば、Kindle Unlimitedで読み放題になっているこんな本もあります。

2冊目は谷山さんの本みたいですよ。

仲良し姉妹のミカルとハルルが迷い込んだ、世にも不思議な世界。これは夢か、それとも現実か――。NHK『みんなのうた』、スタジオジブリ『ゲド戦記』『コクリコ坂から』への楽曲提供など、世代を超えて愛されるシンガーソングライター、谷山浩子さんが贈る、20年ぶりの新作小説!

2023.03.25に新刊も出るようです。

10年前にはストレンジ・デイズが大型本をまとめたこともありました。

1983年時点で、SFがらみの版元から出た本、というのもあり、以前からSFファンやプログレ界隈でも人気があったことが窺えます。

日本が誇る偉大なシンガーソングライターであり、作家でもある谷山浩子さん。もう活動50周年です。これまで触れる機会のなかった方も、一度は聴いてみて欲しいと思います。って、初期しか聞いていない私が言っても説得力ないんですけど・・・(^_^;)。

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