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【ほろ苦くて、しょっぱくて、ポッとする。】青春恋愛みたいなお湯♨️静岡県西伊豆 雲見温泉へ。【おひとり様女子旅記録】

魚が食べたい!濃い温泉に入りたい!
2つの希望を満たすべく、
西伊豆松崎にある雲見温泉を初めて訪れました。

「西伊豆の最奥にある温泉地ながら、
泉質の良さは何度も訪れたくなるほどで
漁師が営むお宿が多く、
手ごろな価格で新鮮で美味しい海の幸が
楽しめる…」との情報を得まして。

三島駅からバスを乗り継ぎ、片道所要時間は7時間。
公共交通機関の民にはちょっとだけアクセスが悪いですが
未知の温泉へ出かける興奮は何にも代え難い。

バスの本数が少なく、雲見温泉到着は
チェックイン2時間前の午後1時。

なまこ壁のバス停がかわいい

近頃は本当に
「温泉」ばかり追いかけていて
観光やグルメには心が向かず、なのですが

バス停降りたら目の前に
「千貫門遊歩道」の看板があったので
何となく向かいます。


千貫門が何なのかも知らずに歩き出す

あっという間に
ぬかるんだ山道へ迷い込んだところで
看板発見。

この遊歩道の先にあるのは
かつて海底火山の地下にあった「マグマの通り道」が地上に姿を現した「火山の根」の一部だそうで。

千貫門には、岩の中央部分に波で削られてできたトンネルがあって
「見る価値が千貫文(せんがんもん)にも値する」という意味から「千貫門」と呼ばれるようになった、とか。

見る価値がせんがんもんにも値するなら
見てやろうじゃないの、と
俄然やる気満々になる私。
張り切って遊歩道を登りつづけます。

が、間もなく後悔。
延々と続く登り道、ドロドロのぬかるみ道。
ニットのワンピースにダウンといういでたちの私は
さぞ浮きまくり、
やらかしたヒト感満載だったことかと思います。

程なくして急に視界が開けました。


烏帽子山というそうです。

絶景かな!
海の水の透明度に驚き、波の音に聞き惚れ
しばし目の前の風景を楽しみました。

そして、そこには
第二の看板がありました。


目当ての千貫門はさらに先らしい

ここから先は急な下りになります。
ここまで来たんだし…と貧乏性丸出しで
さらに先へ進みます。

いいお天気で気温もグングン上がったこの日、
海風に吹かれながらといえども
普段から運動不足の身にはだいぶキツイ道です。

そして今年は特別多いと言われる花粉の攻撃を
存分に喰らっている状態です。

そして、到着。

見る価値が価千貫とのことで名づけられたという奇岩
「千貫門」。
夕焼けは紺碧の海をオレンジに染め上げる。とのこと。

美しい。

ここから見る夕陽が最高のようですが
それを見るには来た道を
真っ暗な中戻ることになるわけで。

それは無理ゲー。

いい時間になったのでお宿へ向かいます。
戻り道の方がキツかった…!

荒々しい海の絶景スポットです。



今回選んだお宿は 
東海バスの雲見温泉バス停からすぐの
アットホームで素朴な民宿 富久三苑さんです。



道路に看板も何もないので、車で来た方は気づかず通り過ぎてしまうのでは…?と要らぬ心配。

宿の方々は皆さんフレンドリーで
チェックインの瞬間から
豪快な若女将の笑顔に癒されます。

「早く着いたなら電話くれりゃーよかったのに!」
笑われるヘロヘロの私。

玄関脇には囲炉裏のフリースペースが。
コーヒーのセルフサービスやウォーターサーバーや
貸し出し用ドライヤーなどがあり、なにかと便利でした。


お宿の中は築年数による古さは否めませんが
清掃が隅々まで行き届いており、快適です。
民宿らしく、布団敷きもセルフ。

壁の薄さや畳や廊下などの古さを
ネガティブに捉えず、
レトロ、昭和感懐い!と思える方でしたら
最高のお宿かと思います。

客室。

お風呂は3つ。
時間制限無しの貸切です。


露天風呂は温泉ではないので
撮影のみ


石風呂と檜のタライ風呂がある露天風呂は
すぐそばを流れる川のせせらぎもあって雰囲気抜群。
ただ、こちらは温泉ではないとの事です。
さらに、この日はタライ風呂のラストデー。
翌日撤去する事が決まっているそうで…

入らないけどちょっと残念。

掛け流しの温泉は岩風呂、家族風呂の内風呂ふたつ。
早速、岩風呂に行きます。

第一印象は「アサリの酒蒸しの汁の色」

温度は最適温度!多分43度から44度です。
ぷはーっと顔を拭って悶絶。

苦っ!!しょっぱ!痛てぇっっっ!!!!!

花粉症で掻きむしった瞼と
鼻のかみすぎで荒れた鼻の下に
容赦なく沁みわたりました。

これだけ塩からい温泉だと
海上がりのように肌がベタベタするかと思ってしまいましたが
肌触りはサラサラ。
湯上りはとてもしっとり、です。
温泉って、やっぱり不思議…!

わずかな時間でも温まり
じわじわと汗が止まらない
そして身体中ポッポする保温性抜群のお湯でした。

しばし休憩ののち
もう一つの温泉「家族風呂」へ。


タイル風呂です。

こちらはいつ入っても温度がぬるくて
40度くらいだったかと思います。
窓を開けて風を通すと
いつまででも長湯できました。

ただ、ぬるくてもしっかり温まっているので
上がってからしばらくは汗ダクダクです。

17時45分ごろ、客室の電話で
夕食に呼ばれます。

このあと、アツアツの焼き魚と天ぷらと煮魚とお鍋が
次々と運ばれてきます。

料理は評判通りとても美味しく、さすがお魚は新鮮!

刺身、焼き物、煮付けなどなど
これでもかと出してくれました。
お椀やお鍋の具材も魚介たっぷりです。

+1,000円で舟盛りができるとの事で、一瞬迷いましたがもう十分!大満足!

あとはもう、ひたすらに
部屋とお風呂を行き来するのみ。
夜通しお風呂に入れるのは私にとってプライオリティ高いです。


客室からの朝風景。

朝食は7時半か8時。
無駄に早起きな私は、迷わず7時半でお願いしています。

午前3時には目が覚めて
温泉に入っていたので
もう、すっかり空腹です。

朝食もこのようにしっかりとしたメニュー。

鰺の開きもしっとり肉厚、脂があり美味しいです。
マグロ叩きの上に山芋刻みと山葵が美しく乗っていて
朝から刺身を頂ける喜びを味わいます。

極太ヒジキに温泉卵にヨーグルトと
バランスも百点満点。

お櫃を空にして参りました。

お風呂に入れるのは朝9時まで。
ラストスパート、しつこくお風呂に入るのも
いつもの事。

女将さんの予告どおり、業者さんがやって来て
露天のタライ風呂を外している音と声がよく聞こえて
ちょっと切ないながらも
このお宿のお風呂の門出を一緒に立ち会い、祝った気分に勝手に浸りました。

天然温泉と海の幸が
破格の料金で満喫できる民宿でした。


静岡県 雲見温泉
温泉民宿 富久三苑
泉質: カルシウム・ナトリウム-塩化物泉
源泉温度:53.6℃
入浴可能時間:チェックイン〜翌9時
2023年3月7日(火)宿泊
一泊2食 7,000円+入湯税150円

復路は伊豆急行下田駅行きのバスに乗りました。

なんだかんだ、コロナ禍になって
伊豆半島自体3年ぶりで
駅前の賑わいに心躍ります。



駅前ロータリーのプチ温泉

所用で夕方までには帰宅しなければならず、
時間があまりないけれど
行ってみたい温泉が2つ。

蓮台寺の金谷旅館の千人風呂と
下田の温泉銭湯、昭和湯。

迷いに迷って…金谷旅館は泊まりでくるか
たっぷり時間がある時にしよう、と
歩いて15分の昭和湯を目指して歩きます。

事前のネット情報では
この日は9時から営業中、と確認済みです。


この道をずっと行った先に
下田唯一の温泉銭湯があるらしい!

見えてきたナマコ壁と昭和湯の看板。
なのに…
暖簾はドアの中。
「午後1時から営業します」の貼り紙に
項垂れてしまいました。


ショックな時に「ガーン」とか「ガビーン」って言うのは
昭和のジジババなんですって。
ええ、私の心は叫んでましたよ「ガビーン!!!!」

トボトボと駅に引き返し、
ロータリーの温泉で手湯をして
帰りの電車に乗り込みました。

トップの写真は休暇村トラベルマガジンさんよりお借りしました。
日本一富士山が綺麗に見える町、雲見温泉だそうですが…見えなかった、残念!

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