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木のささくれに。 …あるいはすいばりのこと

 「すいばり」という言葉に聞き覚えはあるでしょうか。

 中国地方の山口県や広島県でわりと普通に使われる方言のひとつです。

 すいばりとは、手や指に木のささくれが刺さること、あるいはその木のささくれのことです。
 「いてて、すいばり刺さっちゃった」のように使います。

 そう、この前の記事でまるちゃんの指に刺さったというアレです。

 私はすいばりという言葉を普通に使う地方出身です。
 逆にすいばりを使わない地方の人って毎回「木のささくれ」って言うんですかね。
 こういうときは固有の名詞があって便利だと思います。

 国や地方によって言葉の違いはさまざまですが、それは文化面で何を重視しているかに影響されるようです。
 日本では稲(米)にまつわるさまざまな単語がありますが、それは稲作を中心に生活基盤が形成されたからでしょう。
 稲、籾、米、飯。
 いずれも稲や米飯にまつわる単語ですが、英語だとriceで括ってしまうでしょう、きっと。
 それだけ日本では稲作が大事だったってことですね。

 今回取り上げた「すいばり」は中国地方近辺でしか使われていないようです。
 ということは、中国地方の人たちは木のささくれが手や指に刺さることを、他の地方の人たちよりも重視していたのでしょう。

なんで??

 すいばり専門の医者でもいたのでしょうか。
 よく当たると話題の占い師がすいばりの形や刺さり方で未来を予知していたのでしょうか。
 めったに食べられない極上のスイーツがすいばりだったのでしょうか。

 うーん、ミステリアス。
 不思議の国のニポン。
 カーシュマレイハントウ、チュウゴクチホウ。

 ちなみに、我が家ではすいばりが刺さったとき火であぶった縫い針や安全ピンを使っていました。
 このあたりも地域性が出そうで面白そう。
 木のささくれをリムーブする魔法みたいな方法があったら教えてください。


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