読書家たちの習性
職場の人と小説の話をすることがありました。
そのときは話題に上った本を私が読んでおらず、今月中に読みますと宣言しました。
細かい流れは忘れてしまったのですが、私が1ヶ月に3冊程度は本を読むと言ったら驚かれました。
本をちっとも読まない人からすると月に3冊は多いかもしれませんが、読書を趣味や習慣にしている人からすれば、3冊ってそんなもんだと思うのですが、どうなんでしょう。
と言うより、読書量の多寡ってもはや指標としてどうでも良くなってきませんか?
若いころは読了した冊数でなんとなく上下…とまではいかないにしてもこの人すごいなあみたいな感覚があったのですが、今となってはどんなにページをめくっても「まあ、趣味だしな」としか思えなくなってしまいました。
もしこれがゲームだとして、プレイ時間を自慢して何になるというんですかね。
ゲームで競うべきはプレイ時間の早さとかランク帯とかですかね。
それだって傍から見ればどっちだっていいんですけど。
読書って謎に高尚なものだと思われているので、なんかやりにくいなあと思いますね。
私が若いころは「月に10冊読んだ!」と声高にSNSに書き込んでいる人もいました。
そんな人の読書欄を見るとライトノベルがほとんど。
ライトノベルじゃないにしても所謂ライト層向けの小説が多かったです。
別に誰が何を読んでもいいんですけど、読んだ冊数を自慢したいならもうちょっとジャンルは選んだ方がいいよなあと思ったのを覚えています。
ライトノベルだって内容によっては大衆小説より面白かったり、考えさせられるようなものもあるので一概には言えませんが。
私は読書家ではないですし、小説家でもないですから、ただ趣味としての読書を楽しんでいる人間です。
敢えて言うならコレクターの方が近いかもしれません。
積読も300冊より多くなっている気がします。もう数えるのはあきらめました。
読書は競技じゃありませんから、それぞれがやりたいように本を開けばいいんじゃないでしょうか。
これは万人に共通しているのかわかりませんが、長く本を読んでいると並行して複数の本を読むことが増えたように思います。
私も今は4冊を並行して読み進めています。
「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」ピーター・トライアス
「春期限定いちごタルト事件」米澤穂信
「日本霊異記・発心集」伊藤比呂美
「完全教祖マニュアル」架神恭介, 辰巳一世
以上のラインナップがバッグに入っていたり、テーブルに置かれたりしています。
SF、ミステリ、説話集、新書とまさに闇鍋状態ですが、これくらいごちゃごちゃな方が読んでいてちょうどいいんです。
もしロシア文学を3冊同時に読んでいたら頭がおかしくなるかもしれません。
一般的ではないでしょうが、読書を趣味として掲げている人の中にはこういう人もいるんじゃないかと思います。
読書家ってたまに雑誌で特集が組まれるくらいジャンルとしてはメジャーになってきているので、そのうち多様性とか読書をあえてしない民とかが登場するんですかね?
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