恋愛小説⑯

その後、僕は福岡の大学。麗奈は鹿児島の大学へ進学した。
「えー。嘘だ。入れ違いじゃん。」
麗奈は少し残念そうに呟いた。
「仕方ないだろ。お互い知らなかったんだし。」
「私だって岡崎が鹿児島の大学とかに進学するかなって狙って進学先選んだのに。」
「お前そんなので選んだのかよ。」
「そんなのって何よ。もう。とにかく、ちゃんと返事書いてくれるんだよね。まさかこれを口実に…。」
「はいはい。ちゃんと書くから、本当に申し訳ないけど、あと少し考えさせて。」
「しょうがないな。」
麗奈に渋々了承を得た後、僕は彼女が住んでいる場所の住所をもらい、そこに送ることに。
「今度は逃げるなよ。もし逃げたら、あの引き出しの中身の存在、お母さんにバラしちゃおうかな。」
「わかってるよ。」
彼女に半分脅しとも取れる釘を刺され、僕は何の抵抗もできなかった。

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