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見知らぬ人の暴挙

「プシュー バタン。」
1人のサラリーマン風の男性が乗り込み
バスが動きだした。


優先席以外は埋まっていた。
私と利用者さんは
最後列の5人がけシートの
真ん中に並ぶようにして座っていた。

4人。

冬だからみんな上着を着ているから
5人座ると狭い。


『そこ開けてもらえますか』

サラリーマン風のその人が
横にしたスマホを手に私にいう。 

『5人座れますよね?』

2秒悩んだ。

「いやぁ、、、ちょっとせま、、、」
い まで言わせず
サラリーマン風メガネは
私の左ももに革靴のカカトをこすりながら
左がわにまたいで座った。

えっ いや。 と左窓がわに座る女性が
声をあげた。


完全に狭い。てかオイ。


「お兄さん。イヤホン取って」

『はい』

「足当たってんだよ」と左ももの汚れを指差す。

『あ。はい。すみません。』

「いや、謝って終わりかよ。優先席空いてるんだからそこ座ればいいじゃない。」

『誰か来たらどうするんですか?』

「どけたらいいじゃない。立つしかないでしょ。
空いたら座ったら良いでしょうよ。」

片手映画メガネサラリーマン風は
不満気だ。

「人の上またいでまで座るかよ普通。しかも服汚してるしさ」

静かな怒りに声が震える。
ヤバイ。仕事中なのにスイッチが。

『すみません。』


堪えた。必死に堪えた。
利用者さんがいなければ次の停留所で
イヤホン片手映画メガリーマンを
引きずり下ろしている。

2個先のバス停で運転席の真後ろの
1人がけが空いた。


すかさず言う。

「空いたよお兄さん」

『僕が座れと?』

「当たり前だろコラ。踏みつけられて我慢してんだからよ。気分わりぃから向こう行ってくれや」


スタスタと歩いていった。

運転手と私がルームミラー越しに目が合った。



みなさんはどう思うだろうか。

私は、この対応をしたあと少し後悔した。
大人気なかったなと。

しかし踏みつけられたのは不愉快だった。


てか、映画観るか通勤するか
どちらかにしろや。

という、あまり気分のよい話ではありませんでした。

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