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出会い系

「医師の診断で、適応障害とのことです。
明日からしばらく休職させていただきます。
ご迷惑をおかけし申し訳ありません。
よろしくお願い致します。うしおだ」

会社を休むことにした。

休みの無い育児の日々が苦しかったんじゃない。

このままばばぁになるのが怖い。

経験人数3のまま人生を終えるのが怖い。

父の死で、私の中に沸いてきた思いはこれだった。

電車に乗っていても、
街を歩いていても、
スーパーで買い物をしていても、
目に入るのはおばあさんやだらしなく太ったおばさんたち。

こうなったらもう自由にエッチすることは無理だろう。
もう相手は見つからない。

そういう意味では誰にも相手にされない人生になるだろう。

耐えられない。
人生でやり残したことがあるとしたらこれだ。


40を超えると女性は性欲が強くなると聞いたことがある。
それもあるかもしれない。

でもとにかく、この5年が勝負だと思った。
それを過ぎたらどう取り繕っても
オバサン感をごまかすのは難しくなってくるだろう。


今しかない。


育児が苦しいという理由で心療内科で診断書をもらった。


Tinderにすぐに登録した。
最初の目的はイクこと。

私はエッチでイッたことがない。
このまま終わりたくないと思った大きな理由の一つだ。

いわゆる裏垢男子にコンタクトを取って
イかせてもらおうと思った。


横浜駅
「よろしくお願い致します。」
「行きましょうか。」

ホテル前で待ち合わせて
夫以外の男性と初めてことに及んだ。

特に罪悪感は無かった。
病院に行くような気分だった。
私は診察を受けて治療してもらうだけ。

イけない理由を見つけてもらって
治してもらうだけ。

そんな意識だった。



あの人に会うまでは。


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