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ピアス

私は常に、ピアスをあと何個開けようかと悩んでいる。今は、ロブ(耳たぶ)に1つずつと、左のヘリックス(軟骨)に1つの計3つ開いている。

初めて開けたのは大学3回生の冬、イギリスのバーミンガムに交換留学に行っていた時だった。それまでは別にピアスを開けてみたいと思ったことはなかった。高校の時友達が開けていても「へ〜先生にバレないようにね〜」くらいの興味のなさだった。ただ、イヤリングは好きで、遊びに行く時はよくつけていた。

バーミンガムのシティーセンターのモールに買い物に行った時、Claire'sというティーンエイジャーの女の子向けの雑貨屋さんで、ピアスを開けられることを知った。それがなぜかとても気になり、唐突に「開けるか」と思い立って、数日後にClaire’sでロブを開けた。今思うとあまりに衝動的で驚く。

不思議と緊張はなかった。開けてくれたお姉さんにどうだった?と聞かれて、思っていたより痛くなかったと答えた。この「意外と痛くないんだ」と、耳に常に何か飾りがあることの嬉しさで、ピアスへのハードルがぐんと下がった。

ところで、イギリスではかなり多くの人がピアスをしている。年齢も男女も関係なく、耳にいくつか穴が開いていた。そこで私は思う。「軟骨のピアス可愛いな……?」と。ただ、流石に軟骨は雑貨屋で開けるのには抵抗があった(開けようと思えば開けられた)。しかしボディスタジオに行くほどの勇気はなかった。

留学中のあるとき、フランスに3泊4日の一人旅に行った。日本人女性が運営している、女性限定のホステルに泊まった。そこで、日本から服飾を学ぶために留学に来ていて、本格的に住む部屋が決まるまで滞在しているという女の子に出会った。顔の至る所にピアスが開いていた。その子から日本のおすすめのピアススタジオを聞いた。

実際にそこに行けたのはそれから約3年後になる。一昨年のこの時期、ついにそのピアススタジオで軟骨を開けた。とてもアングラな見た目のおじさんが開けてくれた。まじで痛かった。バキバキと軟骨が砕けるような音がして、目がチカチカした。でも、軟骨にリングがついた耳を鏡で見て、痛みが吹っ飛んだ。あまりに可愛い。

そこからはピアス穴を追加していない。が、ずっと考えている。理想は、左にヘリックスをもう1つ追加して2連にしてロブにも1つ追加、右はロブに2つ追加と、アウターコンクに1つ開けたい。

しかし、これだけ開けると、ケア期間がかなりいる。右/左しか向いて寝れない期間がどれだけになるだろうか。それに、ピアス穴は要するにケガである。もうアラサーにさしかかっていて、これからどんどん自分の治癒能力が衰えていくのに、トラブルなく綺麗に完成するだろうか。

こんなことを考えていると、あとは右ロブ1つで終わるか〜というめんどくさがりが発動する。しかしそのあとで、ロブなら安定も早いし、左1、右2を追加してもいいのでは?とか、ヘリックス1個は寂しくないか?もう1個くらいなら開けれるのでは?2連が可愛いよ?と、別の私が囁き始める。いろんな私の意見をまとめて、右ロブはあと2個開けよう、というのが今の一旦の結論である。

いや〜〜〜でもそうなると左もロブ1個追加したいしヘリックス2連にしたい!!!!!

これを永遠に繰り返している。

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