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RTA in Japan 2021 Winter でおもしろかった動画

こんばんは。きなこもちです。

みなさんはRTA (Real Time Attack) をご存知ですか?RTAとはゲームを可能な限り急いでクリアするタイムアタックのことです。似たようなものにTAS (Tool Assisted Speedrun) というツールを使って急いでクリアするものもあります。TASは早く走るプログラムを組む完全自動のタイムアタックですが、RTAは人力でタイムアタックをおこなうので、いわゆるスーパープレイでクリアを目指すものです。TASは基本的にゲームの乱数の影響しか受けないため、その時にだけ起こるスーパープレイというものはほぼ起こらないのですが、RTAは人がコントローラーを使ってプレイするのでイベントの空気感などで走者も緊張しますし、ゲームのオリンピックにたとえてもいいような独特のおもしろさがあります。

RTA in Japan とは RTA の日本でのオンラインイベントのことで、2021年の冬は12月26日から31日の大晦日まで開催されていました。ちなみにはじまったのは2016年からで、夏も開催しており、2021年の8月11日から8月15日でもやっていました。だいたいのRTAの動画は一人で黙々とプレイする動画が多いのですが、今回はイベントなので4人で一斉に同じゲームをはじめて誰が一番早くクリアできるか競争したり、解説者がついて見てるだけだとわからないスーパープレイの意味や発見の経緯の説明など、このときだけの楽しみもあるのが魅力です。

リアルタイムでは見れなかったものの、YouTubeでアーカイブが公開されており、その一部をいくつか見ました。アーカイブは以下のYouTubeチャンネルで見ることができます。意外なゲームや懐かしいゲームなどもRTAで走ってたりするので、ゲームが好きな人ならかなり楽しめるイベントとなっております。

今回は私が見た中でおもしろかったアーカイブを抜粋して紹介します。

ヨッシーのクッキー

昔のスーパーファミコンのゲームから『パネルでポン』、『Dr.マリオ』と『ヨッシーのクッキー』を一本のゲームキューブのソフト『Nintendoパズルコレクション』として過去販売されていました。今回はその中から『ヨッシーのクッキー』のRTAをしたものです。ちなみに『パネルでポン』のRTAも別動画であがってます。

見ればわかりますが何が起こってるかわからないスピードでクッキーがそろって気持ち悪かったです。

このRTAは走者(ゲームをプレイする人)と解説者(バグやスーパープレイの説明をする人)が分かれておらず、走者がプレイしながら解説する形式のRTAでしたが、「はい、そろいました」みたいなこと言ってて、いやいやどうやったのかが知りたいんだが???と頭にはてなマークが大量に出る不思議RTAでした。懐かしさから見始めたRTAでしたが、意味がわからなくて真似できないなこれ、と思ってるうちにフィニッシュです。ちょいちょい走者がミスったようなことを口走っていましたが、どこでミスしたのかもよくわかりませんでした。

なお、このRTAは30分かかってないので、様々なRTAの中では比較的短いものになります。RTAを今まで一度も見たことない方にはRTAが一体どんなものなのか知っていただくのにはちょうどよい気がします。

スーパーマリオ64を目隠しでクリア

もう意味がわからない。この一言です。なぜ目隠しでやってみようと思ったのか。聞けば教えてくれるんでしょうが、聞いてどないするん?という気持ちになる疑問です。え?やる???

実際に見るとわかりますが、本当に目隠しなのか?と思うほどサクサククリアします。動きをよく見ると確かに目隠しじゃないと起こらないような動きもしますが、チャートと呼ばれるゲームクリアまでの手順がしっかり確立されてるので、詰まってもあっという間に抜け出します。

ちなみに私の記憶の中のマリオ64はこんなに簡単じゃなかったので、ニンテンドースイッチにバーチャルコンソールで出たマリオ64を普通にプレイしてみましたが、目隠ししてる走者よりプレイできませんでした。

解説の人も淡々と解説するのですが、なぜ解説できるのかも不思議でした。理屈はわかっても真似できません

ムジュラの仮面、一部バグ使用不可

RTAはレギュレーションという、プレイする上での決まり事ごとにタイムを競います。たとえばゼルダの伝説のブレスオブザワイルドであればAny%という「どんなバグを使ってもいいから最速でクリアする」ものもあれば、All Shrinesという「すべてのほこらをクリアした上でガノンを倒すところまでの最速クリアを目指す」ものもあります。そしてこのムジュラの仮面の動画はAny%ですが一部バグを禁止したものです。

64ゼルダではある画期的なバグが発見され、特定の手順で強制的にゲームのエンドロールを出せるバグが見つかってしまいました。このバグが強力すぎてもはや競争にならなくなってしまったため、それを禁止したAny%が新たにレギュレーションとして追加されたのです。なお、この強力なバグを使った時のオカリナの遊びもこのあと紹介します。

で、このムジュラですが、そんなクリア方法があったのかー!と思わされるような方法をそこかしこに使ってました。一度真面目にプレイしたことがある人なら感動すると思います。バグ技はズルをしてるような気持ちになるのですが、仕様をついてうまくダンジョンを攻略してるところを見るのは純粋にすごいです

大事なことなのですがハード、つまり64なのか、スーパーファミコンなのか、ゲームキューブなのかなどの違いと、ソフトが日本語版なのか海外版なのか、複数言語対応ソフトの場合は何語なのかがタイムの短縮に大きく影響を与えることがあります。際どいタイムを狙うならゲームキューブのディスク回転よりもスーファミのカセットROMから読む方が早いこともありますし、ゲームキューブの方が後発なのでバグが修正されてスーファミで使えてた時間短縮のバグが使えなくなってることもあります。今どきならオンラインでバグ修正のパッチが当たることもあるので、あえてネット回線を切ってプレイすることすらあります。翻訳の関係で海外版の方が文字数が少ないこともあるのです。

今回のムジュラは英語版のほうが速いとのことで、採用されてました。

時のオカリナAny%

これはクリアのときに大笑いしてしまいました🤣🤣🤣

先ほどムジュラで話した強制的にエンディングを出すバグを使うのですが、普通の64ではなく、Wiiのスマブラについてきた体験版の時オカを使います。体験版は強制的に5分で終了してしまうので、5分以内にクリアが見るだけではっきりわかるのです。

4人で一斉にプレイし始めて、みんなおんなじ動きなのに絶妙に差があるのも含めておもしろかったです。最初はエンディングを強制的に出すチャレンジをやってて、なんと全員成功!この時点でもびっくりでしたが、その続きのガノン戦強制呼び出しもいい感じで本当に驚きました。

この動画も結構短めなのでサクッと見るにはいいです。

セーラームーンR easyモードクリア

走者も解説も変態です(文字通り)

私の知ってるタキシード仮面様はこんなにデブじゃない

地味に解説者は医療従事者っぽいのですが、看護師さんに突然セーラームーンの話を振らないであげて。普通に困る

そういう動画です。

スーパードンキーコング3 105%クリア

マジもののスーパープレイ動画でした2時間ずっとスーパープレイです

スーパードンキーコング3にはコレクション要素があり、通常プレイだと100%止まりなのですが、バナナバードという鳥を集めることでパーセンテージが100%を超えるのです。今回は105%をできるだけ速くクリアするレギュレーションでした。

ちょっと長い動画ですが、このゲームは小学校の頃にプレイして思い入れもあったので全部見ました。アクションゲームなのでたぶん1秒間に60枚(フレームといいます)の映像が使われてるのですが、1フレームのタイミングをぴったり合わせてくるんですよ。一度もミスしなかった。長時間のプレイだと、やっぱり集中力が切れてくるので失敗が増えるんですが、目立った失敗は雷が落ちてくるステージくらいでした。本当にすごかったです。

星のカービィ スーパーデラックス 100%

これもよかったです!結構接戦でした!

一見離されたように見えても予定タイム1時間20分の中で数分の差が4人の間でできた程度でした。敵キャラの出現条件などが乱数でブレるので、一発勝負だと結構難しいんですよね。本来のRTAであれば何度もリセットするので、数分程度であればプレイの力量としてはかなり拮抗してると言えるでしょう。

最後まで手に汗握る感じで、1時間20分などあっという間です。

スプラトゥーン1 ヒーローモード Any%

イベントで自己ベスト更新はすごすぎます。ふゆにこさん、おめでとうございました🎉🎉🎉一回だけミスしたんですが、その後立て直し、ほとんどブレずに完走してたんで、驚異的なメンタルタフネスでした。

この動画に限らずですが、走者の方々はだいたい本番前に練習していて、練習した時の平均タイムより少し長めの時間を予定タイムとしてRTA in Japanの運営に伝えているそうなんです。そしてほとんどの走者が緊張して何らかのミスをしてタイムが遅れるんですね。予定タイムは大きく見積もっておくことが多いようですが、それでも結構ギリギリになったりします。なので、本番で更新するのは本当にすごいことです。

おわりに

というわけでRTA in Japan 2021 Winterの紹介でした。全部見るには動画の本数がかなりあって大変なので、気になるゲームをちょこっと見ていくといいと思います。レトロゲームから最新作まで幅広く取りあげているので、ご自分の趣味でいろいろ探してみてください。もちろん今回紹介した中から見ていってもいいと思います。

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