見出し画像

星野道夫写真展

大人になってたまたま行った水族館の渡り廊下で彼の写真を見かけた時、気づいたら私は魚よりも彼の写真から目が離せなくなっていた。
彼が教科書や教材に載るような写真家で、私が彼を子どもの頃から認知していたと知ったのはこのあとだった。そして遂に彼の写真展に行き着いた。

写真展に飾られていた作品を私は1枚1枚、その時シャッターを押されたカメラになったようなつもりで鑑賞した。私は無意識に「何が写っているか」よりも、シャッターが押された瞬間のその場の空気感を想像して楽しんでいる。写真からは、厳しいアラスカの世界で生きる目の前の生き物と一緒に息を潜める彼の様子が浮かんだ。写真の感想は見る側に委ねられてしまうが、私は勝手に星野さんと同じページにいるような感覚になっていた。
中盤に展示されていた彼の愛用フィルムカメラNikonをみたときは、つい自分の肩にぶら下げていたNikon Newfm2の肩紐を握りしめた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?