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2022年 Yutong Sun 孙榆桐 中国ツアーまとめ⑤(9/13-9/14 上海大剧院@上海)

9/13-9/14に行われた孙榆桐さん上海公演の記事をまとめました。

・9/6 周笑扬氏による記事
「自由、新鲜,或许是演奏中最有趣的两个名词|“一个人的古典”专访钢琴家孙榆桐(上)」です。

以下、インタビューのみ抜粋(※意訳です)

Q.「幻想」という言葉と音楽の関係についてどう思いますか?
A.「幻想」という言葉から最も連想しやすいのは幻想曲です。まず曲の形式がソナタではなく構造に限界がありません。私が今回演奏するシューマンの「幻想曲」は、ソナタのような形式の作品ですが、リズムやメロディーにはロマン派の作品の特徴がはっきり現れています。
音楽表現上は幻想曲の方がより自由です。例えば、ショパンの「幻想曲」は自由で色彩にあふれ、想像力に富んでいます。

   シューマンの「幻想曲」の前に演奏するのは、カール・ヴァインの「5Bagatelles」で、5曲の小品それぞれに特色や風格があり、現代作品の中で比較的人々に受け入れられやすいものです。その中で3曲目の和声のメロディーは軽音楽や映画のサントラに似ていて、リゲティなどの現代の作曲家の作品とは異なります。4曲目はブルースやジャズのような感じです。5曲目は現在多く演奏される「挽歌」という作品で、5曲の中で唯一表題が付いている作品です。この小曲は「幻想」的な色彩と想像力を持ち、シューマンの「幻想曲」と共通したところがあるので、私は大曲の前に前奏として置くことで、後の偉大な幻想的主題を引き出しました。

Q.音楽ファンにとって、「展覧会の絵」のオケ版はピアノ版よりもよく知られていると思います。この2つの版の関係をどう思いますか?音楽と絵画の関係をどう思いますか?
A.音楽ファンにも、演奏者にとってもオケ版の方が理解しやすいです。
特にピアニストにとっては、オケの様々な楽器の音色や音楽処理が演奏において参考になりますが、ラヴェルのオケ版と同じように演奏する必要はありません。
「展覧会の絵」の勉強をしている時、絵と音楽の関係について考えてみました。音楽と絵画は両方とも確かに非常に興味深い芸術表現で、どちらも非常に抽象的です。音楽には視覚がなく、絵画には聴覚がないため、この2つの芸術形式は観客と少し隔たりがあるかもしれません。
 観客の前で偉大な作曲家が表現したいことを伝える時、演奏家が自分を一人の観客として捉え、初めてのようにこの作品を演奏する人になれたら、観客に新鮮さを与え、距離を縮めることができるのかもしれません。

Q.あなたは演奏中に新鮮さを強調しますか?
臨場感と即興性は演奏において非常に重要な2点ですか?
A.観客が生演奏を選ぶ最も大きな理由は、CDでは聴こえないものを聴きたいからです。生演奏の良し悪しや観客が演奏家の演奏を好むかどうかに関わらず、すべて未知の世界の一部です。
 私は未知のものは面白いと思いますが、既知のものは退屈になることがあります。もし音楽会で提示されたすべての内容がリハーサルで設計されていたとしたら、私と観客にとって少し面白くないと感じるかもしれません。

この記事には「下」があるため、次に続きます。

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