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No2. どういった気持ちで、何を伝えたくて、バンドやってましたか?

目が覚めるような
いい質問ありがとう。


19歳でパンクバンドを名乗れるのはすごいね。
自分が本格的にバンドを始めたのは二十歳をすぎた時で、しかも自分のバンドがパンクバンドだと言える理由を見つけるにはそこから3年かかったね。

自分もほとんど好きなバンドは解散してから知ってるからそんなもんなのかもね。

どういった気持ちで
何を伝えたくて
バンドをやっていたか


<A>

私にとってバンドをやるってことは
ちんこさらけ出して全裸で客の心の前に立つことだったね。
”お前との”たいまんだね。

一才の嘘無し。少しでも疑念が入れば切腹。
ライブは戦場。だからライブ中に給水した事はないね。

ステージに立てばいろんな事が裸の純粋な心に降りかかってくるね。
客のなんとも言えない顔は恐怖だし、自分のやりたいことが表現できない苛立ち。自分の中の欺瞞に気づく時。これは最悪。死んでやりたくなるね。

衝動が抑えきれないからギターは折るし、エフェクターを破壊したり、ドラムダイブして何針も塗ったり、全感情との闘争だね。

革ジャンでも着た心であれば、その純粋さから純粋さへと跳ね返ってくる
いろんなものに血を流さず済んだからもしれないけど

ちんこさらけ出して勝負する以上、剥き出して血だらけで結構
耐えきれず死んだら本望。

毎回、自分を生贄にして自分を獲るという気持ちで、死ぬ場所をずっと探してたね。

だから音楽活動をしていて純粋に楽しい時間なんて1秒も無かったし
要らなかった。
それよりもっと何かに近づくことだけが喜びだったね。


<B>

”生きてるこれ”を伝えたかったね。

というより”吐きたい”っていう気持ちが強くて、「伝える」ってほど高度で上品な事は一切考えてなかったね。
そんな余裕も無かったな。客のことを考えられるほど大人でも無かった。

音楽は嘘がつけるから、できるだけそれに頼りたくなかったね。
嘘だらけで、嘲笑と冷笑の世界に己の全存在をかけて殴り込まないと
自分が保てない程に疲弊した心。それから軋む音としての日常精神が
歌詞の行間から少しでも客に匂えばいいと思ってたかな。


<C>

バンドである必然的な理由はなくて
ただ大きな声で、叫べる事くらいだったね。

あとロックとは何かが知りたくて、それを知るのに一番いい世界が
バンドの世界だったというのはあるね。

始めた理由と続ける理由は違うもんで、おまけにバンドである必然性をチェックせずに始めたもんだから続ける理由は二転三転したよ。

かましてくださいね。飢えある限り。


真田


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