Craftman ✖️Artist @ブランドSTORY
2022年夏
たまたま訪れたリッツカールトン東京。
オブジェのあるロビーの空間に心を奪われた。
「ここに、ステンレスアートの生花を置いてみたい。」
ふと、想いが湧き上がった
昔から、物作りが好きだった。
大学を中退してから、板金工、鳶職、大理石の磨きや、
セメント塗り、土建業の現場のあらゆる雑務に
携わってきた。
冷暖房の効いたオフィスの仕事を羨ましく思っていた
時もある。
それでも、僕の性質には向いていなかったし、
目の前のものに対して、
「丁寧な手仕事をする」ということが好きだった。
ひとつの道を追求する面白さがそこにはあった。
そんな”職人気質”が自分に馴染んでゆく反面、
疑問も抱えていた。
「この製品は、どこで何に使われるのだろう?」
考えながら、仕事に向き合う自分がいた。
どこに届けられ、誰が使うのか。
想像するよろこびが欲しい。
作業に没頭する感覚とは裏腹に、
言われた通りのものを作るのではなく、
「何か」を加えたいという気持ちが高まる。
同じように手を動かしながらも「想いをのせたい」という
”アーティスト気質”が僕の中にうごめいていた。
当時は押し込めていたその欲求が、アーティストとして
ものづくりをすることで結実した。
それが僕のステンレスアートだ。
創作におけるキーワードのひとつは、”違和感”
ステンレスという工業製品と、花という自然物。
一見、相容れないものの”あわい”で生まれる違和感で、
日本を象徴的にあらわしたい。
摘み取っているのに”生きる”と表現される生花や、
計算し尽くした配置で、自然の美を表現する枯山水。
僕が大好きな日本文化は、”合わせの違和感”があるから
美しく映える。
そして、「空間に在る」ことで完成する。
僕のアートが置かれる場所
その場に生まれる空気
目に留めてくれる誰かの気持ち
職人時代には叶わなかった、
「ものが届く先」への想いを込めて。
僕は今日も、あの頃と変わらない
溶接マスクを身につけている。
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ブランディングライター
by @shinobu.library
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