天才の器の伸びしろが埋められている

将棋の棋士は全て天才です。ただ天才でもその器の大きさは神さまの悪戯で皆同じ大きさではなかった。 オリンピックの100m走でも世界各国の選ばれた超精鋭アスリートが集まりますが、やはり順位が付きます。
スポーツ科学の進歩で練習方法やシューズなど選手の能力の伸びしろを増進させる方法は成熟の域に達していて、同じ練習内容なら天から与えられた身体能力に、記録は準じる域に到達している。

スポーツだけでなく頭脳のスポーツと呼ばれる将棋にしても同じである。昔とちがい将棋AIとネット対局の発達のおかげで、どこにいても将棋の能力を引き上げてくれる便利なツールが利用されている。直接盤を挟まなくても棋力の向上がはかれて、それぞれの棋士の器の限界近くまで引き上げてくれているのが現状では無いのだろうかと思う。ただAIを使うようになると棋士の棋力のピークは25才位という常識は崩れ去ってしまう。 22歳でピークアウトする棋士もいれば、AIを真剣に使いこなした30歳でピークを迎える棋士もいるだろう。
極一部の特別器の大きな棋士は、まだまだ棋力が伸びていくだろう。

将棋界では、今AIを利用する棋士が自分の伸びしろを引き上げており、ほぼ器の大きさの限度まで到達しているようにも感じる。レートで言うと1750から1800の棋士は、レートの数字が自分の器の大きさを表しているようにも見える。しかし練習しなかったりパソコンは嫌いだと言っていると即座に取り残されてしまう現実である。持って生まれた素質を努力によって更に伸ばしきる時代に突入しています。

棋士の保身のために順位戦など1年で1階級しかいくら成績が良くても進級できません。現実的にデビュー後2年で実力的にA級の力を持ち合わせていてもC級とかB級に所属して、光を浴びれない棋士が多くいます。 しかし名人戦以外の棋戦では、若手棋士が挑戦者を決める本戦に残ったり挑決リーグに進出するなど現実の棋力の充実ぶりをまざまざと見せつけています。 この様な好ましい状態は将棋AIの活用のおかげです。

将棋界は残念ながら、能力主義です。 将棋連盟の会長はタイトル保持者の経験が無いと万事何事も経験を積んでおく必要があるから当然選ばれる傾向がある。タイトルなど戴冠すれば、不思議なことに人間も出来てくるようである。 帝王学を教えなくても、回りから醸し出してくれる。それなりのキャパシティーの大きな人物なら、対談で様々な分野の叡智との仲を取り持って貰えてより人間性が深まるようになっている。 タイトル保持者の某若手トップ棋士は、色々と書籍で取り上げられて特異な能力について語られている。 それと人気女優との対談で将棋界以外の雑学もえられる。
いやタイトルの過半数を戴冠する若手トップ棋士は、経済界の重鎮丹羽宇一郎市との対談やIPS研究所長の山中伸弥京大教授との対談も何度かこなして、それが書籍化しています。どんな領域でもトップの人間との対談なら人間的にも成長できるし視野の広い引き出しのより多い人間になれます。

若くして棋界のトップに登りつめても謙虚で腰が低いのは、将棋だけでなく人間性でもトップを極めているのではないだろうか?

若き天才の背中を追いかける若手の台頭を待つのも楽しみである。

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