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After コロナで見えてきたこと~リモートワークの普及のもたらすもの

こんにちは

まだ”after”じゃない時期かもしれませんが、withコロナというとなんか中途半端な印象があるのでafterにしてみました。こんな風にライフワークが変わるんじゃないかなあということを書いてみます。

1.働かないおじさんがあぶりだされる

今回の緊急事態宣言下でリモートワークをせざるを得なかった会社もたくさんあったと思います。やってみてどうだったかの印象は働いている社員の感覚は「こっちのほうがいいんじゃね!!」というのが恐らく半分以上。一方管理者や経営者の感覚は「やっぱ無理」、「もとに戻したい」というのが本音というのが半分以上(以上、ヤマキン感覚値)だったのではと思います。

社員のほうの「こっちのほうがいいんじゃね!!」は通勤に無駄な時間を使わなくて済むとかかえって集中できるとか、効率があがるということが本音として体感できたからではないかと思うのですが、会社側のネガティブな印象は「さぼっているのかどうかわからない」という不安に尽きるのではと思います。これってもう少し深掘りしてみるとやるべきことを把握して自律的に仕事を動かしている社員にとってはリモートワークはとっても良い制度なのですが、おそらく言われたことを言われた通りにやることしかしていない人にはそれがあまり降りてこないので不安にしかなっていなくて、管理職のネガティブ評価というのはそういう仕事を部下にさせていて(させているつもりだけかもしれない)、そのチェックがしにくいことで自分の仕事ができなくなっているじゃないかという不安がもたらしているのではないでしょうか?

これって通常勤務に戻すと会社にある自分の机に座ることで安心してしまって元の木阿弥に戻るような気がします。自分の机に座ってパソコン開いてメール読んでいるだけで安らぎを感じてしまうみたいな・・(笑)

現実的にはなかなか難しいかもしれませんが、通常の状態を在宅勤務にして会社に来るのは届け出制にしてはどうかと思っています。会社の机はすべてフリーデスクで、社員数の6割くらいに減らして、その分席と席の間をあけて密を防止みたいな感じで・・

そうすると、ある程度主体的に動かざるを得ない状況になるので、働いていなかったおじさんも少しは変わるんではないかと・・

そのうち全然会社に来なくなって誰もその姿を見たことがない伝説のおじさんが生まれてくるかもしれません。

2.日本企業の残念なマネジメントの真実が明らかになる

日本企業の管理職には部下のチェックが主な仕事になってしまっているという残念で不都合な真実がリモートワークによって炙り出されてしまったのではないでしょうか?

先日高校の同級生のオンライン飲みやっていて、大手SIerに努めている管理職の友人がリモートになったせいで出勤と退勤のチェックだけでも結構なメールが来て大変だとこぼしていましたが、そういう事ですよね。あと、終身雇用の約束された日本企業、特に大手は仕事しないおじさんがある一定の確率は存在しているのですがそういう人をリモートにすると本当に仕事しなくなるのでやばくね??みたいな話をしていたのですが、そういう人はリモートになると恐らくしばらくはさぼりを満喫できると思うのですが、それがながく続くとおそらく不安になってくると思うのですね。日本人って根が真面目なんで本当にさぼって給料もらえてラッキーと感じられる方は恐らくそんなにいないと思うんです。なので周囲から仕事しないおじさんと思われている人も自分の中ではある一定の仕事をこなしている自負をお持ちになっていると思うのです。

実態はそれは本人の勘違いにすぎないという事実が今回のコロナ強制リモートで図らずも炙り出されてしまったのではというのが私の読みです。

で、リモートいんじゃない派とリモートあかん派のせめぎあいがこれから日本企業の中でどんどん発生し、リモートあかん派の勝った会社はこれから転げ落ちるようにダメになっていくんじゃないかという気がします。次年度の新卒の会社選びにもリモートのあるなしは結構聞かれるようになるような気もしますし、、

ホワイトカラーの仕事ってそもそも知的労働のなので、時間管理になじまないし、マイクロマネジメントになじまないはずなのにいつの間にか日本の企業ではそれがセットでまとめられてしまい、管理職の仕事になってしまっていたという残念な実態が明らかになったという事でしょうかね・・・(マイクロマネジメントが必要なホワイトカラーの仕事は数年以内にAI(人工知能)に代替えされると思います)。

でも、逆に在宅勤務で仕事やりすぎちゃう人が増えてそれで体調崩したりまで行っちゃうとそれはそれで良くないし、なんかそこまでを無理強いさせるような状況には絶対にしていけないと思います。そういう点ではそのあたりに関する法的な整備も含めてこれからきちんと議論していく必要があるのではと思います。

3.副業する人がますます増える

リモートワークやっていると、当たり前ですがずっと管理されているわけではないので当然、自分の好きなように使える時間が増えるわけです。その結果副業をやる人が増えるだろうと思っています。ぶっちゃけ何やっていてもわからないわけですので・・。

この動きについて止めることはできないと思っていますが、それを今後どのようにとらえていくかが問われるのがまさしくAfter コロナの時代だと考えています。現状の労働法で考えれば、自宅であろうが会社であろうが労働時間中に別のことやっていてはNGということになるのですが、これは本当にダメなんでしょうか?個人の考えとしては別にさぼっていようが、副業していようがやるべきこと(結果につなげるために必要な何か)をやっていれば全然OKだと思っています。自分自身の行動でかんがみた場合でも、仕事上の課題に対するヒントが生まれるのはフリーディスカッションしている時、コーチング受けている時、そして別の何かに取り組んでいる隙間時間(例えばスキー場のリフトの上、とかスポーツジムのサウナ→水風呂のローテーションタイムなど)が多いように感じています。知的労働はそればかりやっていても上手くいかないのだろうと思っていてそういう意味では在宅勤務中に副業やるのは別にいいんじゃないかと思うわけです。いやむしろ本業では関われない人的ネットワークの構築や、情報、知見、スキルが蓄積されるのであればむしろ奨励すべきではとさえ思います。

当社の場合、フリーフレックス、フルリモートなんですが、現行の労働法ではやはり労働時間を管理する必要があるので3か月の期間で労働時間の集計を行う管理方法をとっています。労働時間をまったく管理せずに野放しにしてしまうとそれはそれでサービス残業の温床にある可能性がありますので、まったく無管理というのもいかがとは思いますが、法律の見直しも含めて丁寧な議論を行っていく必要があるのではと感じています。

4.仕事に役立つ人材スペックが変わる

withコロナの時点においても、日本の課題点がいろいろ炙り出されてきましたが、人材スペックの点でいうと、複数以上の専門性を持つ人材がこれほど求められたことはなかったんではと思っています。有識者専門会議において感染症の専門家が対策を熱心に議論されていらっしゃったとは思いますが、経済政策についての知見がないので、かなり偏った政策(感染症を防ぐためには経済を完全ストップしてもかまわない)になってしまったような印象があります。今は科学分野の専門性はかなり細分化されてしまっていてその分野しかわからない傾向が強くなっていて、そうするとそもそも感染症の専門家だけで国の政策に対して意見具申すること自体が間違っているわけですよね。せめて経済対策の専門家もいないと(現在は入っていると聞いています)総合的な政策に対する意見具申なんぞできないわけで、でも感染症の専門家は経済のことはわからないし、経済の専門家は感染症のことはわからないので双方で議論しても議論がかみ合わず???な結果にならないリスクもあるわけです。今回の感染と経済の両方を研究いた人がいれば理想的でしょうがそんなキャリアでは飯が食えない(今は一時的にめちゃくちゃ需要はあるでしょうが)です。そういう意味では日本の高等教育及び研究機関が単線型の研究者向けのキャリアしか用意できていないという部分に大きな問題があると思います。自分自身のこれまでのキャリアを振り返るとき、自分が最も成長することができた最大の理由は転職をしたことだと思っています。人事の仕事を20年、3社で経験して、さらに今の会社の仕事を13年、その間に大学の仕事を10年くらい掛け持ちしていますが、自分の場合、いろいろな会社、仕事を経験することで人的ネットワークが多層化(大学の教育研究関係の専門家から、大手企業の人事マン、さらに地方の中小企業の経営者と社員、国家、地方公務員、フリーランスからスタートアップベンチャーのメンバーまで)したこと、モノの見方が相対的(立場によってもの見方、考え方が変わらざるを得ない)になったこと、などがそのまま自分の武器になっています。なぜ武器になるかというと環境変化やパラダイムシフトに対しての対応力の引き出しが多くなるんですよね?でもこれって経験を通して習得できるもので私でなくても同じような経験を積んだ人なら同じようなスキルは容易に習得できると思っています。日本の公務員や大企業がここれから数年で終身雇用制を全面的に否定するとは考えにくいので副業を積極的に推奨することはこうしたスキルを育成するうえでもとても有効だと思います。中小企業の場合は社外留学制度みたいな感じで人の限定トレードみたいなことも積極的に行うとよいんじゃないかと思ったりしております。

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