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あの日。9.11

9月の11日は、世界にとって忘れることが許されない出来事が起こった日である。
2001年9月11日、NYのシンボルの一つだった「ワールド・トレード・センター」に旅客機が相次いでぶつかり、南棟と北棟が立て続けにガラガラ崩れ、夥しい死者が出た。このビルで働いていた日本人だけでも24人が亡くなった。

世に言う「NY同時多発テロ事件」である。

当時、21世紀到来に浮かれまくっていた世界中の世間に強烈な冷水を浴びせたのみならず、その後の世界の分断の火種となった事件だ。死者2,996人、負傷者25,000人以上、ワールドトレードセンターの他に米国国防省(ペンタゴン)も標的にされた。現地に滞在していた日本人だけでも24人が犠牲になり、遺族の嘆きようはまさに心が非常に痛むものであった。
犯人と目されたアル・カーイダと首領格ウサマ・ビンラディンを叩くべく、アメリカは愛国モードに一気に変わった。その転換たるやまさにヒステリックとしか言えなかった。
そのヒステリックの行きついた先が、アメリカ🇺🇸をはじめ深刻化した社会や道義、そして個人間の分断なのだと思う。

同時多発テロの前、アメリカははしゃいでいた。2001年が楽しく希望に満ち満ちた、新世紀の到来と思い、みんなが浮かれていた。まさに喜劇的な空気の中にいた。アメリカだけでない。日本🇯🇵も台湾も韓国🇰🇷も、希望の気分が|齎[もたら]す、嬉々とした喜劇的的なムードに浸かりまくっていた。ワールドトレードセンターが、2機の乗っとられ旅客機で相次いで破壊される迄は。

「道義の観念が極度に衰えて、生を欲する万人の社会を満足に維持し難き時、悲劇は突然として起る。ここに於て万人の眼は悉く自己の出立点に向かう。始めて生の隣に死が住む事を知る」

夏目漱石著「虞美人草」454ページ・新潮文庫版

あの日…みんなが、世界中で、新世紀到来の希望に浮かれまくっていたとき、漱石謂うところの「道義の観念」は既に極度に衰えていたのに違いない。生を欲する万人の社会が維持し難き時に、あの時達していたに違いない。そこへ同時多発テロ事件という「悲劇」がまさに「突然」として起こったのだ。
この悲劇が世界の分断と民主主義の衰退を招き、今日の紛争塗れの世界情勢に繋がったのは過言ではないだろう。
あの日から23年。今私達はそんな紛争塗れの世界情勢で、如何にすれば本当の平和をきづけるか、考え実行しないといけないときのなかにいる。

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