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ネットサーフィンするより本読むほうがラクなのだ

 ネットサーフィンは、決断の連続を強いてくる。
 次は何を読もうかな、
 どんなワードで検索したらいいかな、
 このリンクを踏もうかな……。
 怠惰な姿勢でスマホをいじっているように見えて、頭は常に忙しく働いている。どこかに楽しいものはないか、見逃している情報はないか、目を皿にして探しつづけている。

 これが、けっこうなストレスなのではないかと、さいきん思った。

 決断を続けていると、脳が余裕を失ってしまうのだ。
 考える余裕を。

 考えることができなくなれば、完全にインプットになってしまう。
 次々と入ってくる情報の取捨選択をし、面白そうなものを探し回り、忙しく頭を働かせながら、同時に思考を進めることは難しい。
 それがたやすくできるひとたちもいるのかもしれないが、すくなくとも、ぼくにとっては難しい。

 だから、ネットサーフィンをしているときにアイデアを見出すことは、ほとんどないのだ。頭に空白がないから。

 本を読むのがすばらしいのは、読んでいる間は決断を迫られないからだ。
 どの章を読もうかな、どの向きから読もうかな、とか考えなくていい。
 前から後ろにまっすぐ読んでいけばいい。

 だから、精神に余裕が生まれる。
 思いつきを得ることができる。
 広げたノートに、思いついたことを書き残すことができるし、じぶんのことと引き比べて、学びを得ることができる。

 また、価値ある情報だと見なされていればこそ、本は商品としてパッケージングされ、出版に至っている。このことも、ある程度の保険として機能する。
 価値があるかないかを、常にじぶんで判断しなくていいのだ。ぼくよりもずっと頭のいいひとたちが、フィルタリングを済ませてくれている。これはありがたい。

 だからぼくは本を読むのだ。
 楽だから。

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