ちょっと番外編!社交ダンスドレスの特徴{フロート}について
お衣装ライターきむらです!
超お衣装解説では一着のドレスに関してそのデザインや資材や特徴を深堀しているのですが、今回は番外編企画第二弾{フロート}についてです。
ちなみに第一弾は大好評のこちら↓
※カラーや生地など、弊社生地店舗JJ DRESS FABRICSでご案内できるものに関してはリンクを付けておきます。ご興味ある方は是非ご覧下さいませ。
※ご紹介するドレスはお衣装座談会vol.1の限定公開記事で使ったものもございます。見て下さった方はより詳細情報となりますので合わせてお楽しみください♪
限定公開記事も気になるかも...という方は、私のTwitterのフォローと、下記RTでお送りしております!是非よろしくお願い致します!
まずフロートとは?
社交ダンスには、スタンダードとラテン、という大きく分けて2種類ある、ということをお伝えしておりますが。
{フロート}とはスタンダードのお衣装に使われています。手首から、腕から、布地が垂れていたり、腰元に繋がっていて大きな布がふわっと広がったりするものです。
基本的に男女が"組みっぱなし"になる踊りなので、女性の腕はずっと挙がった状態。つまりここに付けられた布地は常に宙に浮いているということになります。
YouTubeで「社交ダンス」と検索してすぐに出てきたこちらの動画をお借りします!ステップの説明動画ですが...社交ダンスをなさっていない方はとりあえずドレスを見て下さい!笑
この女性たちの手~腕付近に揺れている布のことです!
ひらひら~、と優雅ですよね。社交ダンスらしい、と言いますか、こういうイメージを持たれている方は多いかと思います。
この動画の中でもフロートに様々な種類があったこと、お気付きでしょうか?
今回はこのフロートの種類や、その形になっている理由等をお伝えできればと思います!
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余談なのですが、、、今までスタンダードの説明として「ディズニープリンセスが踊っているイメージ」とお伝えしておりましたが。
今回このフロート記事を書くにあたってまずシンデレラを調べましたところ...
参照:http://supercali.tokyo/cinderella/
あ、フロートって付いていないんだ....
いや別に良いんですけどね。社交ダンスドレスの見過ぎなんですけどね笑!
参照:http://supercali.tokyo/cinderella/
実写版でも付いていないですね。そりゃそうか!笑
社交ダンスドレスではないんですもんね....ちなみに美女と野獣のベルも付いていなかったです。
①大きいタイプ(手首~腰)
こちらはグラデーションの美しいパールシフォン生地が大きく使われたタイプです。
パールシフォンは、透け感と強い発色。そしてその名の通り、パールがかった艶っとした光沢感が特徴の透ける生地です。
グラデーションのパールシフォンは現在店舗在庫はありません。取り寄せになりますのでご希望の方はお問い合わせくださいませ!
グラデーション生地はジョーゼットはお色限定にはなりますがお在庫ございます!
手首から腰元に繋がっているので、大きな面で使われたこの布地はめくれたり小さく見えてしまうこともなく、常にこのサイズ感でひらひら、をキープできるということです。
そして手首位置には垂れているだけ、の布地もあり、手元にボリューム感も感じられますね!
このドレスの全体はこちら↓
そう!スカートも同じ生地を使っているので統一感があります!
このドレスはスカートにボリュームがないタイプ。
このあと他のドレスもお見せするので比べて頂ければ、と思いますが。比較的すとん、としたシルエットのドレスには大き目のフロートが合います!
ボリュームのあるスカートにこのサイズ感のフロートを合わせてしまうと、全体が大きなシルエットになりすぎてしまい...。やり過ぎ感が!
またボリュームのあるスカート、となると内側にペチコートが入っており、翻った際に綺麗!といったドレスも多いのですが。
フロートがスカート全体を覆ってしまうようなこのサイズですと、せっかくのそういったポイントも見えなくなってしまいますよね!
柄生地などデザイン性のあるスカートに対しても同じ考えとなります!
もちろんこちらもグラデーション生地、というポイントはあるのですが、フロートにも同じ生地を使用していることで全体の中でスカートとフロートとが合体して見え。
全身で布地が優雅に、大きく揺れているように見せてくれる、という効果があります。
②大きいタイプ(手首~脇 装飾付き)
手首から脇に繋がっているタイプ。布地を大きく使っていますね。この布地はジョーゼットです。
ジョーゼットは日常着でも使われています。透け感があり軽く上品な印象。光沢はない生地です。
そう、フロートには透け感のある生地が多いです!!やはりひらひらさせる部分なので軽やかな方が良いのかなと。
光沢のあるサテン地、でも格好良いかも、ですが...このサイズ感にしてしまうと実際に重量感がありそうですね苦笑
このドレスの全体がこちら↓
①のドレス同様、スカートと同じ生地、同じ装飾ですね!
スカートは裾にオーストリッチという羽資材をたくさん付けていてゴージャス、その繋がりでフロートにもちょんちょん、とあしらわれています。
↑こちらのTweet、こちらのドレスです!
ジョーゼットの軽やかなひらひらに合わせて、あしらわれた羽もふわふわ~と。とてもエレガント。
純白のジョーゼット地の中に黒い羽が目を引くので、インパクトもありますね!
③中くらいタイプ(バングル付属型)
こちらはお衣装座談会vol.1で私がご紹介したドレスです!
お衣装座談会でも少しフロートについてお話しておりますが...
このドレスはバングルに布地が縫い留めてあるタイプです。サイズ感としては中くらい。
3枚布地が垂らしてあるのですが、お分かり頂けますでしょうか。写真上部がジョーゼット、真ん中がパールシフォン、下部ジョーゼット。同じお色でも質感が異なっておりますね!
①②で使われているパールシフォンとジョーゼット、どちらも使用されています。
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SNS等でもお伝えしておりますが、衣装用の生地はこのように異なる種の生地もお色を揃えることが出来ます!
このドレスの青み系ピンクは「ハワイアンピンク」というお色です!
ボディ部分のライクラ、お袖のメッシュも同じお色ですね。衣装でなければこのような使い方はあまりしないかも...ですが。
是非生地をお探しの方は日暮里JJ DRESS FABRICSへ!(宣伝)
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こちらのドレスはご覧の通り、スカートにたくさんの羽が使われております。
さらに!
内側には鮮やかなブルーグリーンのペチコートが入っているので、翻ったとき、またはキック、というその名の通りスカートを蹴り上げるように脚を挙げる動作をする際にここを見せたい!というデザインです。
①でお話した通り、ですが、ここを隠してしまってはもったいない!ということでこのサイズ感。スカートのデザインを邪魔しない、軽快に動くフロートが適しております!
3枚垂らすと適度にボリュームもありますが全てお色が統一されており。生地の違いによって光沢や透け感の異なりによるメリハリが感じられるので、存在感がありながらも全身の中で邪魔をしない、絶妙なフロートと言えます!
④小さいタイプ(お袖縫い留め)
こちらは袖元にツインクルナイロンを波状にしたものと、白のサテンリボンが垂れております。
ツインクルナイロンは、スカートのボリューム出し用ペチコートにもよく使われる素材です。軽くて透け感があります。パールシフォンの艶っとした光沢とは異なり、てらてらとした強い印象の光沢を放ちます。
この波状のフロートは「わかめフロート」とも呼ばれます。完全に見た目からですね笑
この後ろ姿でもお分かり頂けると思いますが、一応正面も、、、↓
スカートに特徴がありますね~!これはボーニングを段々に繋げたものです。
ボーニングはスカート裾に一周付けて、外側に広げながら揺れ感を出すために使われたり。コサージュ等飾りに使われる資材です。ホースヘアーとも呼ばれています。
この超個性的なスカートもやはり隠したらもったいない!ということでこのサイズ感のフロートが良いですね。③の布地がそのまま垂れているよりもさらに軽快に揺れるタイプです。
ドレスのデザインに合わせて青と白の2色をフロートにも。白はおリボンなのでわかめフロートとは違った質感。異なるものを組み合わせると揺れ方も異なるので印象に残るポイントになります!例えば、一方が遅れて付いてくる、あとから揺れる、などですね!
⑤小さいタイプ(おリボン)
とうとうおリボンだけになりました~!
袖口が広がっており目を引きますよね。近年このようなデザインが増えております!
そして特徴的なのが柄のスカート!
↑Twitterにてご紹介しましたら、この生地が欲しい‼とのお声が...そうですよね~すみません!!オートクチュールドレスなんです....!!
この柄が隠れてしまったら、、、もうこの生地を使った意味がないですよね。
大きな面で柄生地を使っているのでシルエット自体はシンプル、、、ですので、少しアクセントを加えるこのおリボンのフロートはバランスがとても良いなと考えております。
↓前からはこんな感じ
柄生地をこれだけ贅沢に使用しているんです。これが広がると思うと、お衣装好きなら大興奮はなず!
このドレスに①や②のようなフロートが使われていたら、、、と考えてみて下さい・・・即外したくなりますよね!?そういうことです!!
そしておリボンが緑系と紫系の2色。緑はベースの柄生地に合わせて。紫はお袖の広がっている内側同様、スカート内側にも紫のペチコートが入っているので、そこにお色を揃えています。
多色使いも多いお衣装ですが、全体に繋がりを持たせると、がちゃがちゃせず、派手なのになんだかまとまりのある!デザインになりますよ♪
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おリボンフロートについては私こんなことも呟いておりました↓
ボリュームのあるドレスには大きなフロートは不要、、、でもなにか欲しい!なんてときに良いですよ!
そして布地ほど主張もないので、アクセントカラーを取り入れてもしつこくならずお洒落に見えるのでおすすめです!
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〆(どこかでまた....)
番外編記事いかがでしたでしょうか?
フロートって社交ダンス独特のアイテムだと思います。私も最初見たときはとても興味深かったです。
例えばドレスのフロートを変えるだけでもだいぶ印象は変えられますので、リフォームのご相談もとても多いですね。大きなフロートをわかめフロートに変える、だとか!
本日ご紹介したように、全体のバランスが大切ですので、是非リフォームご希望の方は一度ご相談くださいませ!
JJでは他社製品でもリフォームを承っておりますよ!!(宣伝)
そしてどんどん新しい形、変わった形が出てくるのです!
本日ご紹介したものはベーシックなタイプの物。次は変わり種フロート特集でもしようかな~....お楽しみに!!
いつもお読み頂きありがとうございます。
感想や、こんなこと書いて~!なんてお声も大歓迎です!
社交ダンスドレスJJ
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衣装用生地資材JJ DRESS FABRICS
https://jj-dress-fabrics.jp/
【お衣装ライター】木村
Twitter:KIMURA_JJ
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