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【闇】塾業界の合格実績を見て感じること

受験結果が概ね出揃った昨今、多くの塾が合格実績を掲載しています。毎年そうした実績を見て疑問に思うことがあります。
もちろん、模試で好成績の生徒に対して、格安ないし無料で講座を受講してもらう→合格したら(実際には授業を受けていなくても)合格実績に加える、というような一般的に見て「それを合格実績に入れていいのか?」というものも、こうした数字に含まれているケースがあるというのは多くの人が知っていると思いますので、あえてここでは触れません。

私が毎回こうした数字を見る度に感じるのは、この数字の裏でどれだけの受験生が涙を飲んでいるのだろうかということです。
合格した人は本当に素晴らしいです。おめでとうございます。努力の末合格を果たしたことはその後の人生でも自信につながるでしょう。そうした素晴らしい結果に水を差すつもりはありません。
しかし、合格実績として華々しく祝われている裏には、多くの不合格者がいるということが忘れ去られているような気がしています。不合格者は塾の広告にならないので表に出てきませんからね。
さらに言えば、優秀な数人の生徒が何校も合格する→その数人しか受かっていないけどその人がたくさんの学校に受かって、全体の合格率は8割を超える、というような数字のマジックで、不合格者の存在を消すように見せ方を”工夫”しているところもあるようで・・・。(もちろん、全ての塾がそうではありませんよ)

個別指導塾で教えてきたからこそ思うのかもしれませんが、合格者を祝うことと同様に(あるいはそれ以上に)目を向けるべきは第一志望に惜しくも受からなかった人、今年満足できる結果が得られずに浪人する人だと思っています。
合格した人はそもそも喜んでいますし、良かったね、と話を終えられますが、不合格者はそうはいきません。彼らは、この先どうすればよいか迷っていますし、悩んでいます。だからこそ、手厚くサポートすべきなんですよね。
生存者バイアスの一種だと思いますが、こうした表に出てこない部分も大事にすべきだと合格実績を見ていつも思っています。

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