【恐竜杯優勝】PJCS後・ナイトワンダラー環境メタ・麒麟闘鬼アルセハピナス
はいどうも。
ポケカプレイヤーの解説note記事、
「ら」抜きことば めっちゃ気になる。
はじめまして、京都でポケカをやってるきむけんといいます。
今回、第三回恐竜杯で優勝しました。正直、試合の最後ではけっこう運が絡んで勝った対面も多かったのですが、それでも各対面にプランを準備していたし、そのおかげもあって最後まで戦い抜くことができました。自分としてもいいリストに仕上がったと思っていますので、せっかくなのでここに解説を残したいと思います。
自己紹介や構築経緯は後回しにしましょう。前置きが長ったらしいのは面倒ですよね。もしそういうのにも興味があったら後日に追記を書くので、また読んでください。
※6/3構築経緯と解説の一部を加筆修正しました。
もちろん全文無料です。
デッキリスト
基本的な解説
アルセウスのトリニティノヴァ(チャージ)で場にエネをため、ハピナスのハッピースイッチで他のアタッカーにエネを供給します。
対面によって、チェレンによる受けまわしと特性による攻撃シャットアウトとを使い分け、防御しながら中打点の攻撃を通します。
ジャミングタワーやビワ、ボスによって相手の動きを阻害します。
状況によってはキャンセルコロン月光手裏剣による盤面破壊も狙います。
環境デッキのほとんどに勝利するためのプランを用意してあり、柔軟な戦術をとれます。
採用理由と役割
ポケモン
アルセウス 4-3
メインアタッカーおよびエネ加速、さらに特性スターバースがとにかく強い。
なるべくアルセウススタートしたいので下は4採用。安定感を考えれば上も4採用したい気はするけど、受けまわし要員にハピナスもいるので枠を作るためにも3枚でよいと考えました。
スターバースは温存できれば本当に強いけど、先2でダブルターボエネやプライムキャッチャーを持ってくる試合も多いです。
このデッキでは200打点出るアルセを作っておけるとロトムVを狩れたりするので、ターボを貼るのは最初のアルセだけであとはハピナスに回したいです。
ハピナス ラッキー 3-3
メインアタッカーかつシステムであり、受けまわしの重要ポケモンです。
1進化でHP300はさすがの原作再現ですよね。(初代旧裏ラッキーのHP120は当時もチートだと思ってました。そう考えると現代ポケカってインフレしてるなぁ……。)(誰か初代ラッキーのコインください。)
おんがえしは手札干渉に一定の耐性がもてるほか、自分の手札が減るナンジャモ使用後にも手札を増やせます(ターンの最後なので動きとしてはあまり強くないけど)。
しかし、自分がいちばん強いと思うのは、ボスを打ちながら次のターンのボスを探しに行けるということです。エネを貼りたいならアルセウス、手札を補充したいならハピナスで、とアタッカーを使い分けられるようになったのは、アルセウスデッキの大きな強化ポイントだと思います。
さらに特性ハッピースイッチで、アルセウスで場にためたエネルギー、チェレンフトゥーで回収回復するポケモンについているエネルギーを移動させ、手張りと合わせて場全体にエネを行き届かせることができます。
2-2採用も試しましたが、後述の輝くゲッコウガのこともあり場に2体置きたいので3-3採用です。
ただし、縛られるとつらくなりがちです。エネなしで呼び出されても手札にダブルターボエネがあればスイッチ一回で、その他のエネでもスイッチ2回で起動できるほか、回収札や入れ替えもあるので大丈夫、と思いがちですが、アルセで山から持ってきているなら手張りエネが引けないこともあるし、チェレンはダメカンをのせてもらわないと回収できません。特にコントロール系統の場合は出さないほうがよいと考えています。
ラッキーはドラパルトのことを考えれば130を採用したほうが良いのですが、技でミミッキュを突破でき上技も優秀なHP120のこちらを採用しました。ドラパルトをより重く見るならHP130ですが、それをしなくても勝てるという判断です(ただ、恐竜杯ではそれが負け筋になったので一枚だけでも差し替えてもいいかもしれません。)
正直どっちもどっちですので、決定打はARのイラストです。笑
ちなみにHP110のラッキーもミミッキュの観点からはありなのですが、ウッウのおとぼけスピットを耐えられないのでおすすめはしません。確率的にも特性はあまり期待できませんし。(でも一回だけラッキーコインで勝った試合はあります。たのしい!!!)
リキキリン キリンリキ 1-1
特性でたねexからのダメージをシャットアウトします。ワザはベンチに30乗せることもできるので、盤面がかみ合えば複数同時取りなどもできます。
大流行しており且つ勝てない対面であるたけるぽにお(この呼び方がいちばんかわいいと思う)へのメタカードです。これを立てるだけでおおむね勝てます。また、闘ぽにおと合わせてミライドン相手や、パオジアン相手に立てることもあります。その他の対面では基本使いません。
ただし、キリンリキは技サイコダメージが優秀なので、ほかの対面でも非エクアタッカーとして準備するといい働きをすることもあります。アルセウスなどで180乗せておけばキリンリキが200出しますし、サイコエンブレイスでダメカン40乗ったミミッキュを倒せます。他のキリンリキも優秀(とくにサイクルドローの子)ですが、このデッキにおいて貴重な非エクアタッカーなのでこの子一択でしょう。ただ、さすがに2-2採用する枠はないです。PJCSの大活躍を見て、2-2採用も検討できると思いました。
闘ぽにお 1
主にリザードン対面で使います。ただし、キャンコロやホムラ、炎リザ採用もあるので過信は禁物、リザ相手には単騎にするのはけっこう怖いです。これだけで勝つには相手の構築を注意深く見ての割り切りが必要です。(例えば、今回恐竜杯で当たったリザはピジョとビーダル両採用が見えたので、デッキ枠に対策札の空きがないだろうと予測してほぼ単騎で突破しました。)リザのほかにもチラを枯らせた後のルギア対面や相手の闘ぽにお・ミミッキュ突破など様々な対面で使います。2枚あると盤石になるので、枠があればぜひ2枚目を入れたくなりますが、一枚でも十分と考えています(使わない対面でスタートすると邪魔になります)。ヘビーボールを入れてないのでサイド落ちはつらい。
輝くゲッコウガ 1
置きドロソとしてだけでなく、月光手裏剣を積極的に狙えるのがこのデッキにおけるゲッコウガの売り。手張りとハッピースイッチ二回ができればネスト呼び出しでいきなり手裏剣です。要求が高く基本的に中盤以降にしかできませんが、マナフィを置かない相手には痛い目を見せることができます。キャンセルコロンも採用したロマン砲枠。スターバース温存でキャンコロ手裏剣が打ちやすく、スターバースを温存するための隠し札ができる、というのがなんとも相性がよくて好きです。
ただし、このデッキのエネは三色で2~3枚ずつの少数採用なので、隠し札で切るエネは対面・プランごとに使う使わないをよく考えて切りましょう。
グッズ
ネストボール 4
ハイパーボール 4
対面によって柔軟に出すポケモンを変える必要のあるデッキですので妥協なく採用します。ヘビーボールも本当は入れたい。
ただ、キャプチャーアロマなどこれら以外のボールはこのデッキでは魅力に欠けるので採用しません。安定感的にはギリギリこれで大丈夫、という感じです。もうちょい汎用性高いボールがカードプールにほしいですね。
キャンセルコロン 1
マナフィ呼び出しての月光手裏剣をやりたくて採用しました。スターバースを温存できている試合だと結構やれます。
ロマン枠かつ副次効果として、このカードのおかげでミミッキュを複数回突破しやすくなっています。
ポケモン入れ替え 1
先2でトリニティノヴァを打つアルセウスデッキ従来の役割に加え、ラッキーハピナスの縛られケアで手に持っていると強い場面が多いです。以前ほどハイボで安易に切れなくなりました。
すごいつりざお 1
博士を採用している上、エネ管理がシビアなわりに山札を見る前から隠し札を打たなきゃいけない試合も多く、手裏剣を打つ試合だとエネ消費も激しくなりやすいため抜けません。ポケモンだとハピナスラインを戻すことが多いです。
プライムキャッチャー 1
入れ替え・ボスの両役割が持てるのがこのデッキと非常に相性がよく、序盤にスターバースから持ってくることが非常に多い一枚です。先2ノヴァで相手のベンチにいる相手にとっての重要ポケモンを吹き飛ばすことが勝率に大きく貢献するため、他のAceSpecより強いと考えています。
他の候補としてはポケモン回収サイクロンとヒーローマント(サバイブギプス)がありますが、前者はこのデッキにおいてはチェレンがほぼ同じ役割ができ唯一無二の性能ではないことや単騎を目指すことがないということ、後者は後述するジャミングタワーを採用する兼ね合いやスイーパーに弱いことなどから採用する考えはなくなりました。またレガシーエネルギーは有効なタイミングで使えれば強いと思いますが、トリニティノヴァとハッピースイッチに対応しておらず、序盤にアルセウスに貼らざるを得ない動きが大変悲惨だと思います……
サポート
ナンジャモ 3
博士の研究 2
アクロマの実験 2
要求札として進化ポケモンが複数あり事故率も高めなのでドロサポは手厚く7枚です。6枚で最初回していましたがボスを1抜いて7枚にしたほうが安定しました。
どれを3枚にするかは非常に悩みましたが、以前のアルセウスより進化ラインが多くなったことで捨てづらい手札が多くなりエネ管理もシビアになったことを考え、博士ではなく山札にエネをもどせるナンジャモに3枚目の枠を与えました。前述のとおり自分の手札が細くなっても恩返しで補充できるので、中終盤に相手に強気で複数回手札干渉をしかけることができるようにもなりました。
アクロマは弱く見えますが、手札を維持したまま常に一定枚数縦引きできるカードとしては現カードプールで最強の性能です。(この次だと真面目にハヤトくんとかになってくるので……ナイトワンダラー環境で抜くかどうかは非常に悩みどころです。)とりあえず暇なターンに打てると強い。
ボスの指令 3
本当は4枚入れたい。中打点デッキなので裏呼び回数はとにかく多いほうがいいです。ただ、チェレン受けまわしのターンには打てないので、安定感を考えてドロサポに枠を譲りました。
チェレンの気配り 2 フトゥー博士のシナリオ 1
受けまわしのキーカードです。タイプやダメカンの縛りがなく回収できるフトゥーもハッピースイッチのおかげで気楽に使えるのでしっかり採用。3回打ちたい試合も多いですが、計4枚は重たいので3枚です。サイド落ちはしっかり確認しましょう。
チェレンで強いのはダブルターボやミストも回収できること。基本エネをスイッチで動かしつつ手張りターボで即起動できるポケモンが多いです。
フトゥーはバトル場に縛られたポケモンを回収するほか、ゲッコウガをもどして隠し札の2回目を打てるなど、緊急時に光るカードです。
ビワ 1
これは特定対面へのメタカードとして入れています。といっても強く使える対面は多く、個人的にも好きなカードなのでなるべく抜きたくありません。以前は2枚入れていたくらいです。
ざっと使い道を列挙するだけでも
ロスト対面でミラージュゲート・すごい釣り竿(特に序中盤に2枚抜きすると致命傷を与えられる。アクロマ直後がねらい目、相手のロスト送り札をよく見よう。)
2進化デッキのふしぎなアメ(ドラパルト・リザ・ゲコ・パオセグ・ピジョコンなど。ロトムが充電した返しや事故って手札かかえてそうな時に使えると強い)
たけるぽにお・古代などターボ系デッキのポケギア・つりざお等
パオジアン・サーフゴーのスーパーエネルギー回収
トラッシュにアーケを送れていないときのルギアが抱えているハイパーボール(あまりないけど……)
などなど、使えない対面のほうが少なく、上記のあたり以外にもカウンターキャッチャーや抱えたAceSpecなどを落とせると大変強いです。
ただ、このカードのもう一つの強みとして、相手の手札を見たうえで最善手を考えられるということがあります。これによって次のターンに手札干渉されるかどうかや、どのベンチポケモンを狙われるとつらいかがわかり、非常に戦いやすくなります。その後のプレイにも安心感があり、心理的なメリットが非常に大きいです(特に僕は、疑心暗鬼から緊張してミスすることが多いので……笑)
枠に余裕があれば2枚採用やともだちてちょう採用での使いまわしを考えたくなるカードです。
スタジアム
ジャミングタワー 3
個人的にこのデッキで一番のポイントだと思っています。現環境におけるジャミングタワーは間違いなく「入れ得」です。
ふつう2枚採用までだと思いますし、枠を考えれば僕も2枚に抑えたいと何度も考えたのですが我慢の3採用です。これは要するに「常にジャミングして試合を進めたい」ということです。
端的に言えば、このカードの採用は「サーナイトに勝率を出すため」の一言に尽きます。
このデッキはサナに勝てません。必ずといっていいほど捲られます。サーナイトを一撃で落とす手段もなければ詰ませるポケモンもいない(なんならミミッキュで詰まされそうになる)からです。
ではサナに勝つためにどうするか。
まず先手でジャミングタワーを貼ればエヴォリューションを妨害できます(最近アロマ型が多いですが……)。
また、ジャミングしている限りはフワンテで火力を出せないため、こちらのアルセアピナスがワンパンされることはありません。ワンパンされないということは、受けまわしが可能だということです。
そして、相手がスイーパーなどでジャミングを剥がしてお守りフワンテで攻撃してきても、返しに再度ジャミングすることでフワンテが気絶し、そのターン2枚取りできます。
最初に1枚、フワンテ気絶に1~2枚と考えたとき、初手で引く確率を上げることを考えたとき、3枚どうしても必要だと考えました。
お気づきかと思いますが、ジャミングタワーはサナ以外の様々なデッキに今刺さります。特に、封印石ロトムやエヴォリューションに展開を依存する2進化デッキ。ペパー4採用デッキがこれだけ多いのだから、このカードが刺さらないわけがありません。相手の足回りにかなりの妨害をしかけることができる強いスタジアムです。
もちろん、自分もポケモンのどうぐが使えませんが、採用しなければいいだけの話なので問題はありません。このデッキはスターアルケミーではなくスターバースを使うデッキなので、どうぐを入れる余地はマントギプスとハンディサーキュレーター程度です。それらを切って別のメタ札に変えるだけで、アルセウスデッキの多くはサナ他多くのデッキに強く妨害を仕掛けることができるようになります。
また、このデッキは現在様々なデッキに採用されるシンオウ神殿に弱く貼り替え要求があるという点でも、3枚採用は理にかなっていると思っています。新環境でもくさりもちやニュートラルタワーなどが流行する可能性がありますので、ジャミングタワーは間違いなく「入れ得」です。
追記:PJCS優勝選手がルギアに2枚採用していました。自分の考えが補強されたようでうれしい。笑
対面ごとのプラン
まず前提として、裏呼びしてシステムを倒すことの多いこのデッキに決まったサイドプランというのはありません。あるのは「環境に存在する相手の動きを阻害・シャットアウトして機能不全にし、相手のプラン遂行をできなくするプラン」です。
ドラパルト(ネイティオ・ピジョ)
このデッキの基盤であるハピナスとアルセウスをチェレンで受け回すだけで基本的には有利です。ドラパルトに勝つためにアルセハピナスを握っているのだと考えてください、キリンやぽにおは出しません。
ベンチに出すアルセウスVやラッキーは非常にもろいので、次のターンに進化する前提で出しましょう。次のターンにチェレンやフトゥーを使うならその下準備として出す感覚です。ミストエネをベンチに上手く貼れるとなお良いでしょう。
回収札は、手札にないなら探しに行く必要があります。この試合ではスターバースでよくチェレンを持ってきます。先2での攻撃要求がターボやプラキャのみの場合、次のターン用のチェレンを持ってくるのも強いです(もちろん、相手にはその他のすでに手札にある要求札をスタバで持ってきたように見えるようプレイをしましょう)。
また、再序盤からのジャミングタワーもよく効きます。緊急ボード・エヴォリューション・封印石どれも展開を支えるカードですので、これを封じれば相手の展開は遅くなります。
ドラパルトが立っても相手をせず、ボスでエネのついたドロンチを狩る・ポッポを狩る方が有利に試合を運びやすいと思います。特にピジョは立つと厄介になりますので、ポッポ一体のみで出してきているなら優先して狙いたいところです。逆にネイティオ型の場合、トゥートゥー無視してドロンチを優先して倒す方が、後続のアタッカーがいなくなり足回りも弱くなります。あとは要所でターボなしアルセウスからロトム(ネオラント)を倒せばサイドも取り切りやすいので、崩れたスタジアムを貼られる前に(封印石を使われる前が理想)倒しましょう。最後にはドラパルトを倒すことになると思うので、裏呼びの残り枚数だけは注意です。
理想を言えば月光手裏剣を通して盤面を破壊しにいきたいところですが、しなくても充分勝てるので、手札要求や盤面のエネと相談し、無理せず狙いましょう。
たけるぽにお(この呼び方がいちばんかわいいと思う)
まずはキリンさんラインと超エネのサイド落ちを確認します。話はそれから。落ちていたらイキリンコやミュウを狙って全力で拾いにいきましょう。
こちらの勝利条件は
リキキリンを出し、起動する
リキキリン以外でとられるサイドを5枚までにする
相手のハネカミ等をいなしながら6枚とりきる
となります。
1が最も危なく、キリンリキを出した返しのターンにボス等で呼ばれて倒される、という流れを相手はまず考えます。よって、キリンリキを出すタイミングはよく見計らう必要があります。スターバースを温存した状態で手札干渉しながら返したり、相手のライコにエネがない状態で出してボスオーリムの二重要求にしたり(最近はプラキャ採用減っていますがリスクはあります、またポケモンキャッチャー採用の可能性はPJCS準優勝で増える可能性があります)。
進化さえできればエネがつかなくても特性で倒されないのはオンバーンにない強みです。ターボをつけると打点140でお守りライコを2パンできなくなり後ろへの打点も下がるので、可能ならターボなしミスト込みで育てたいところ……と思いきや、ジャミングタワーの影響下であればお守り無効で2パンできます。後ろへの10点はイキリンコに乗せておくといいかもですね。
2はチェレンフトゥーこみで後から作ることもできるので、プレイに注意すれば問題なく満たせるはずです。リキキリンが立てばエネを焦る必要はありませんので、ハピナスやアルセウスを出さないことも時には必要です。
3で考えられるのは「ハネのねっしょうどとう2回やけど込み」「カミのたたりとばす」「コライドンのげんせいらんだ」などが負け筋になります。ミストを貼ればやけどになりませんし、全体として複数回のエネ要求が相手にとって重たすぎるので、育てられる前にボスで呼び出して優先して排除します。また、サポ権に余裕があればビワで釣り竿を落とすことも非常に有効です。総じて相手に無理難題を押し付けることになりますし、相手の構築しだいで突破不可能になっていることもあるでしょう。
逆に相手がキャンセルコロンを採用していたら、相手のほうが一枚上手だった……ということになるでしょうか。ビワで落とせたら最高なのですが。
このように互いに割り切りをする対面、ということでもあると思います。
ルギア
まず先2アッセンブルされる展開は半ば切っている対面です。よって改造ハンマーやプテラはこの構築では入れていません。その枠を使って他をメタっているデッキですので、他対面で勝率を出しましょう。
※追記
PJCSの大活躍を見て、やはりここを切るべきではないと考えを改め始めています。
有効なカードは、改造ハンマーにプテラVstarです。特にプテラはこれまでに採用して外したカードでしたので、採用の予知は十分あります。ただ、枠の捻出が難しいことと、先攻を取ってスターバースなしで上下エネ(と入れ替え)を実現する再現性の低さがネックになります。この再現性のなさが今回の構築で切った最大の理由です。
本気でルギアを見るなら、そのために構築を曲げる必要まで出てくる、かもしれません。要検討課題です。
とはいえ、プテラ無しでも戦い方はあります。それは「チラーミィを枯らせてぽにおで蓋をする」です。チラを三体倒したら、ぽにおを突破できるのはルギアVとカイナだけです。相手にとってこの二匹はエネ要求も重たいので、チラを狩りつくしてぽにおを立てれば相手は裏呼びしてサイドを取りきるしかほぼ択がありません。が、チラがいなければワンパンもされないので受けまわしだって可能です。ですので、手裏剣でチラーミィ一体のみのを倒すことさえ視野に入れましょう。
この戦い方であれば先2アッセンブルでもチャンスはありますし、相手のアッセンブルが遅れればそれだけチャンスが広がっています。ルギアはどうしても互いの運が絡むデッキです(恐竜杯でも2回先2アッセンブルされましたが、運が絡んで2回とも勝ちました)あきらめず勝ち筋を追い、ネジキにだけは注意してなんとか勝ち切りましょう。
ミライドン
後1でアルセウスVを倒される・ラッキーをごっつぁんされるとかなり苦しい相手ですが、それでも闘ぽにおとリキキリンがよく刺さる相手ですし、進化さえできればアルセハピナスの受けまわしも効きます。
先1でできるケアとしては、「アルセウス前なら可能な限りラッキーと2体目のアルセウスを出す」「エネは基本エネを後ろにつける」、でしょうか。前が倒されなければハピナスからスイッチしてターボ手貼りで前が入れ替えなし起動します。
最大の警戒対象はライチュウです。HPが200しかないのでターボなしアルセウスでワンパン可能です。ジャミングしながらボスで呼んで先に倒せると理想的。この対面もジャミングがよく効きます。理想的にはライチュウライコウイキリンコの三体を攻撃してサイドを取り切りたいところ。
注意として、ゲッコウガはなるべく出さないほうがよいです。ごっつぁんされるので。ラッキーもHP120なので中盤うかつに出すのは危険です。また、ツツミは常にケアしましょう。
リザードン
闘ぽにおを強く使います。相手にホムラやミュウ、炎リザが採用されていなければヒトカゲ(リザード)で突破しなければなりません。ホムラやミュウが採用され倒されてしまった場合は釣り竿で回収して再度立て直すことが必要になりますが、まずはそうならないように立ち回る必要があります。
まず、最初は悪リザの打点が低いので、受けまわし風に試合を進めて大丈夫です。その後、ぽにおを立ててハッピースイッチから起動します。どうせリザは3パン、ホムラは2パンなのでターボ付きでも大丈夫。
ホムラ・ミュウ・炎リザいずれの場合でも共通の相手の要求として「悪リザの煉獄支配でエネをつけなければならない」ということがあります。よってこちらはヒトカゲをひたすらボスでつぶします。またボスが打てないターンにビワで釣り竿やアメを落とすのも効果的です。エネがなければぽにおも突破できませんし、ヒトカゲをつぶせばひのこやヒートタックルによって倒されることもありません。マキシマムベルトやマントはジャミングで無効化しましょう。
ぽにおがサイド落ちしていなければ有利に回る対面です。
サーナイト
ジャミングタワーの説明をほぼコピペしますが、とにかくジャミングタワーをいいタイミングで貼りたい対面です。サイド落ちを確認し、ドロサポを駆使して引きましょう。
まず最初にジャミングタワーが手にあればエヴォリューションを妨害できます(最近アロマ型が多いですが……)。三枚あるので遠慮無く出しましょう。相手は必死にスイーパーやスタジアムを探しに行くことになります。ジャミングしている限りはフワンテで火力を出せないため、こちらのアルセアピナスがワンパンされることはありません。ワンパンされないということは、受けまわしが可能だということです。そして、相手がスイーパーなどでジャミングを剥がしてお守りフワンテで攻撃してきても、返しに再度ジャミングすることでフワンテが気絶し、そのターン2枚取りできます。通常の構築では不利に回る相手ですが、ジャミング三枚でかなり有利に運びます。
また、早い段階で月光手裏剣を決められれば相手の盤面が崩壊します。このためにスターバースを可能な限り温存したい相手です。
なお、相手のミミッキュが重たいですが、手裏剣やキリンリキ、ラッキーで突破することができますし、手裏剣を打てそうにないならキャンコロをミミッキュに使ってしまうのもありです。ただし、いずれの場合でも通常の構築なら最大2回つりざおで復帰してくるので、詰まされないように注意。ビワでつりざおを落とせると良いです。
その他、リキキリンをターボなしで起動できると悪弱点でサーナイトexをワンパン(エンブレイスでHP280以下になっているならターボ込みでもワンパン)できることを覚えておくと有効に働く場面もあるかもしれません。
ロスト
これまで紹介した複数の作戦を採ることが出来る対面ですが、特に悪エネが見えるかどうか(フーパ・ツキの採用の有無)で戦略が変わります。
フーパにはこちらの闘弱点をつかれワンパンされ、ツキも先殴りできなければくるいえぐるされ、受け回しがききません。特性もないのでぽにおも突破されます。この場合、ミストエネを付けたリキキリンを立てることが重要になります。
悪エネ採用がなさそうなら、通常の受け回し戦略にぽにおを混ぜることになります。草エネ(ギラティナ)が見えたらミストをつけたハピナスで受け回すことが重要になります(ただし、神殿ハンマーで突破されるので過信は禁物)。なお、ベルト採用型でもジャミングしていればワンパンされません。
序盤に手裏剣でキュワワー2取りしたり、ロスト7枚溜める直前のビワでミラゲを刈り取ることができれば美味しい展開です。特にビワを最高のタイミングで使うことを意識して立ち回りましょう。この対面を重く見るならビワの2枚採用または友達手帳の採用をおすすめします。2採用ビワは本当に強いです。
カビゴン/ ピジョコン
ハピナスやラッキー、ゲッコウガなど縛られるポケモンを出さないでアルセウスで殴り続けます。おはやしエリカ等で呼び出されないようトラッシュに送れるとなお良し。マンタイン採用されていても一体ならフトゥーで回収できます。ミミッキュはぽにおで突破できます。キャンコロはカビゴンやミミッキュに使えます。採用しているカードで自然に対応できるので有利です。
パオジアン
鉄則通り、セグレイブ・ビーダルラインを狩ります。手裏剣を狙うことも考えましょう。最近のビッパはHP70が採用されがちなので手裏剣も通ります。
パオジアンにはぽにおとリキキリンが通ります。
この対面ではビワでスーパーエネルギー回収(次点でアメ)を落とせるかが勝敗を分けると思います。
以上の妨害が通らなければ青天井でアルセハピナスが毎ターン吹き飛ぶので苦しい展開になります。
ゲッコウガ
むりです。ビワでアメ狩るくらいが関の山。一応進化させなければ大丈夫なのでケロマツから狩る感じになります。手裏剣ねらいたいですが要求高すぎるので厳しく、完全に切っている対面です。
ともっこ(モモワロウex/イイネイヌex)
新弾で登場が予想される、悪軸でたね260打点にくさりもち込み300をたたき出すデッキです。アルセハピナスがワンパンされるのは脅威ですが、ジャミングでくさりもちを無効化すれば受けまわしが効くこと、なによりリキキリンが刺さることを意識すればこちらが有利だと考えています。ただ、採用されるサブアタッカー候補が豊富な点には注意したいところ。(特にダークライVstarが強そうだなと個人的には考えています)
構築経緯
お気づきの方もおられるかと思いますが、このデッキとその思想はアルセウスロコンの延長線上にあります。
ここからは自己紹介も兼ねることになりますが、僕は昨年からポケカをはじめて、CL京都の配信を見て2024のシティS3という途中からシーズンに参戦することにしました。
ちょうどレギュ落ちの時期で、それまでジムバトルで握っていたサーナイトミュウツーV-UNIONが使えなくなるタイミングでしたので、なんのデッキを握るか悩みました。
リザードンが強くなるタイミングであったのもあり、推しポケのアローラロコンを使えるアルセウスロコンを握ることにして、ジムバなどで練習を始めましたが、手探りで構築していて葉隠れポンチョ、ヒーローマント、びーだる採用で構築していました。(レシピはどこかいっちゃった)ジムバ優勝など使用感は悪くなかったのですが、どこかスペックほどには安定して勝ちきれない感じがありました。
そのタイミングでCL福岡でアルセロコンが準優勝します。配信を見ながら、正直当時は「うわーこっそりロコン持っていくつもりだったのに注目されちゃうなぁ」くらいの気持ちがありましたが、その後この準優勝選手である密林さんのnote記事を読んで目から鱗がぼたぼたしました。
有料noteなのですが、優良です本当に。今でもこの種別のデッキの示唆に富む内容ですので、皆さんもぜひご一読ください。僕にとってこの記事は「強者の思想」をインストールできた最高の教材でした。
そこでシティにはこのレシピと思想をほぼそのままに、ただ一部だけアレンジして持っていくことにし、そこで競技シーン初参加ながらベスト4の成績を残すことができました。
このデッキの思想を純粋に受け継ぎつつ、ハピナスの登場でより強い受けまわしとアルセのエネ加速+ハッピースイッチによるエネ機動力を手に入れたアルセハピナスを変幻の仮面以降研究することにしました。
アロコン使いの自負もあり、当初は水軸で手裏剣を中心に構築していました。エネ管理が楽でしたし、ドラパ大流行の環境ではそれだけで強いものがありました。
しかしその後、たけるぽにおが台頭しはじめ、従来のケガワライコと合わせて苦しい相手となります。また、CL優勝のミライドンをメタる必要性も感じましたし、ルギアを切るのもなぁ、という気持ちからメタの方向は増え始めます。
オンバーンもプテラも強いのですが、さすがに安定感がなくなってきたこと、メタ対象に刺さりきらないこと等が気になりました。特にオンバーンは単騎でないと突破されやすく、エーススペックに回収サイクロンを要求されるのがつらい構築となりました。
このあたりで同時並行して、PJCSに出場するはらさんの壁役をしている中で「リキキリン強いんじゃないか」説が彼から出ました。自分としては、たね全体を見られるオンバーンのほうが強いと思っていましたが、リキキリンは特性のみで完結し単騎を強く要求しないことを指摘され、同時に闘ぽにおも同様であることに気づきました。つまり、単騎を目指さずゆるくstallする構築が安定感を上げるのでは、という気づきです。
そこからリキキリンと闘ぽにお採用の現在の形になっていきました。
以上が構築経緯です。振り返りながら書いてみて、他人からの教えが非常に大事だとわかったような気がします。
ポケカは集合知によってメタの回りが非常に早いゲームだと感じていますが、やはり人間ひとりの環境把握能力には限界があります。そこを補完するのは、強者の思想を得られる考察記事であったり、アナログ対面での対話だからこそ出てくるアイデアであったりするのだと思います。
自分は強者ではありませんが、今回の記事がここまで読んでくれた方の刺激や次の構築へのヒントにでもなっていれば幸いです。
よもやま話
あとで追記します(たぶん)。
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