The 50 Best Songs of 2022
50. Snow Man / ブラザービート
49. HUH YUNJIN of LE SSERAFIM / Raise y_our glass
48. Hemlocke Springs / girlfriend
47. NCT 127 / Faster
46. Superorganism / Teenager feat. CHAI & Pi Ja Ma
45. agraph / unified perspective (variation)
44. Lil Uzi Vert / Just Wanna Rock
43. Summer Eye / 求婚
42. IVE / LOVE DIVE
41. Chance the Rapper ft. King Promise / YAH Know
40. Pharrell Williams, Travis Scott / Down In Atlanta
39. Calvin Harris / New To You ft Normani, Tinashe & Offset
38. Acid Angel from Asia. tripleS / Generation
37. ano / 普変
36. Flume feat. KUČKA & Quiet Bison / ESCAPE
35. Eve / Bubble feat.Uta
34. Megan Thee Stallion / Plan B
33. adieu / ワイン
32. Baird / Easy v2 (ft. Kevin Abstract)
31. ROTH BART BARON / 赤と青
30. DAMINI / DOG
29. Tohji / 舞浜
28. d4vd / Here With Me
27. DJ Sabrina The Teenage DJ / Under Your Spell
26. Pusha T / Dreamin Of The Past ft. Ye
25. Charli XCX / Every Rule
24. ずっと真夜中でいいのに。 / ミラーチューン
23. Post Malone / Cooped Up ft. Roddy Ricch
22. XG / MASCARA
21. KM · Lil' Leise But Gold / Stay II
20. (G)I-DLE / TOMBOY
19. 君島大空 / 世界はここで回るよ
18. Balming Tiger / SEXY NUKIM (feat. RM of BTS)
17. The 1975 / Happiness
16. Dominic Fike & Zendaya / Elliot's Song (From "Euphoria" An HBO Original Series)
15. NewJeans / Hype Boy
14. JUBEE / 手紙 feat.(sic)boy
13. The Weeknd / Out of Time
12. ずっと真夜中でいいのに。 / 消えてしまいそうです
11. Kendrick Lamar - The Heart Part 5
10. Jamie xx / LET'S DO IT AGAIN
9. Big Thief - Simulation Swarm
8. LEX / 大金持ちのあなたと貧乏な私
7. 乃木坂46 / 絶望の一秒前
6. NewJeans / Attention
5. Arctic Monkeys / There’d Better Be A Mirrorball
4. 100 gecs / Doritos & Fritos
3. 三浦透子 / 私は貴方
2. NewJeans / Ditto
1. Fivio Foreign, Kanye West, Alicia Keys / City of Gods
最後に
2022年初頭に突如リリースされたThe Weeknd『Dawn FM』は虚構のクラブで踊ることを余儀なくされた私たちに"I Feel Rave"の誓いを迫った。「キスする前の一瞬の0.5秒ぐらいを5分の曲に」と同じ具合に、強制的に引き延ばされたテープのような音像。しかしどこか不気味だ。踊っていても全然気持ち良くない。セックスを終えた男がピロートークのつもりで口にする「俺たちはもう終わりだ」なんてなんの説得力もないし、こんなものは哀歌(エレジー)でもなんでもない。『Out of Time』のエイベルの伸びやかな歌声とスムースなビートがジム・キャリーの号砲によって擦り切れはじめノイズに揺れた瞬間、私はどうしてもここが「なんでもない場所」であることを察知してしまう。"ここ"とはカラオケバーのことであり、わたしの部屋のことであり、ストリーミング・サービスのことであり、Twitterのことである。「つながる」ためのあらゆる手段が簡易化されたサービスにおいて本質的に「つながる」ことなんて不可能なのだ。ならば新しいベニューを、そうだ、「ここにはないもの」を探しに行こう。外に出よう。しかし一張羅のポケットの中にはいつだってお金は無いし、コロナだってなかなか終息しない。ならばせめてもと自分にとっての理想郷を頭に浮かべ、それを音楽に重ねるのだ。たとえば富良野や宮古のような美しき理想郷。The 1975もArctic MonkeysもNewJeansもBig ThiefもずとまよもCalvin Harrisも自分にとってはリゾートのような存在であり、簡単には手の届かない美しい音楽として羨望の対象にある。混沌とした日常生活の中でほんの一時(いっとき)の「静」ないし「整」を求めて逃げ込むためのシェルターだったはずの音楽にどうしても侵入・同化できず、ただ"眺めている"だけの自分の姿をもはや憐れむことはしない。さまざまな人たちが「2022年の音楽は総括しづらい」という。自分も本当にそう思うし、象徴的な作品をこれと挙げるのがとても困難なことは間違いない。"それぞれのコミュニティにおけるメインストリーム"を総括することの厳しさが明確になってきた今、敢えて「自分の好きな音楽はこれだ」と折れずに主張し続けることが"「つながり」によって無化されていく個"への対抗策となるのならば、わたしはKanye Westの音楽をベストに挙げることも厭わないだろう。乃木坂5期生とNewJeansが生まれ、カニエが消えていった2022年。悲しくなるほど無責任で、残酷で、途方もなく正しく、それはもう素晴らしいと言わざるを得ない一年だった。2023年も様々なポップ・カルチャーと向き合っていければと思います。イーロン・マスクが舵を取るTwitterという名の暴走船。毎週のスペースを聞いてくださった皆さん、どうもありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
キムラ
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