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骨格的に成熟した野球選手における両側の上腕骨後捻角と野球開始年齢との関係

今回はTakenaga氏らによる『骨格的に成熟した野球選手における両側の上腕骨後捻角と野球開始年齢との関係』について調べた論文を要約してみました。

一般的にまだ身体が成熟しきっていない幼少期に野球のピッチング動作を繰り返し行うと、上腕骨後捻角が増すと考えられています。過去の研究では野球選手の上腕骨後捻角の左右差は9歳〜11歳の間に生じると報告されています。この研究では骨格的に成熟した野球選手における両側の上腕骨後捻角と野球を始めた年齢との関係を調査しています。

研究方法として、大学やアマチュアチームに所属する117名の野球選手を対象に調査を行いました。両腕の上腕骨後捻角は超音波を用いた手法で測定し、全選手は野球を始めた年齢を基準に4つのグループに分けられました。

- 6歳以前に野球を始めた選手

- 7歳から8歳の間に始めた選手

- 9歳から10歳の間に始めた選手

- 11歳以降に始めた選手

両側の上腕骨後捻角はこれら4つの年齢グループ間で比較されました。

結果、全選手は5歳〜12歳の間に野球を始めていました。投球腕を比較すると11-12歳グループの上腕骨後捻角(72°)は他の3グループ(5-6歳グループ81°、7-8歳グループ82°、9-10歳グループ80°)に比べて有意に小さいことが判明しました。非投球腕を比較した場合、4つの開始年齢グループ間で有意な差は見られませんでした(5-6歳グループ71°、7-8歳グループ72°、9-10歳グループ70°、11-12歳グループ66°)。

骨格的に成熟した野球選手において、11歳以降に野球を始めた選手は11歳以前に野球を始めた選手に比べて、投球腕の上腕骨後捻角が有意に小さいことがわかりました。

ちなみに僕は野球経験者ではないので、僕の上腕骨はむしろ内向きになっており、キャッチボールをする際にはどうしてもプッシュ気味な投球動作になります。

論文のリンクを貼っておくので、ご興味のある方はどうぞ:

画像のリンク:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1058274620301543


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