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KRT惨敗の記録とあれやこれや

完走できませんでした

3月11-12日に球磨川リバイバルトレイルに参加しました。球磨郡五木村から八代市に向かって100kmを走る川辺川コースにエントリーしたんですが途中棄権、いわゆるDNFでした。もちろん悔しかったんですが、それよりも情けない気持ちのほうが勝るレースになってしまいました。

けちょんけちょんのこてんぱんでした

大会当日は現地で20度を越す暑さ。それなのにウールのロンTeeを着てスタートし、大量の発汗です。半袖やノースリーブのほうが適していたんでしょうがそもそも長袖しか持って行ってなかったんですよね。

スタートして間も無く、長袖で大はしゃぎのわたし。
すぐ後方にスイーパーのさちさんが迫る

そして1月2月と練習不足だったのが祟って全然登れない。股関節やお尻・ハムの筋肉に体重が乗り込む感覚がまるで得られません。体重は今年に入って大幅に増えてるし、暑さも上乗せされて気分も体調も悪くなってしまった。かなり後方にいたのにそこからさらに集団から離されてしまいました。

この後めちゃくちゃ吐いた

仰烏帽子山までの大きな登り区間をようやく終え、福寿草の花が咲く尾根をとぼとぼと走り、宇那川林道に下ります。ようやく一区切りするのですが完走ラインのペースからはすでに遅れはじめていました。屋形のASに到着したころには計画から1時間の遅れ。必要なペースと自分の頑張り具合がまったく噛み合ってない。気分も体調も上向きにできず、早くも敗退ムードでした。

それでも夜間走の準備とエイドでの食事を手早く終えて休憩7分で出発。教えてもらった「17分前を走っているはずの友人」を追いかけるつもりでリスタートしましたが、13kmほど走って次のポイントに到着した時に縮まっていてほしかった差は17分からまさか45分に広がっていました。

がーーーん。
夜になって涼しくなればと期待していた体調復活も兆しはなく、いつまでも呼吸は浅いまま。肋骨の内側に指を差し込んでも全然入っていきません。休憩を手短に終えて先に進む選手を横目に気持ちは焦るのですが腰が椅子から離れない。なにか起爆剤がほしくてもっとずっと後で使う予定にしていたカフェイン錠剤を投入してどうにかこうにか再出発です。

ですが、白岩山に取り付いて三分の一も登らないあたりでいよいよ足が前を向かなくなってしまいました。30秒だけ座ってみたりザックをゆるめてみたりしてもなんだかもうぜんぜんだめ。無駄に頭だけしゃっきりしてる状態で、次の関門にはもう絶対間に合わないなあなんて気持ちが弱り切っているときにiPhoneを手にすると4Gの電波が入っているのが目に入り、ああ、ここからなら大会に迷惑をかけずにレースを降りられそうだなあと。

そうやって夜の22時ごろ早々にレースを終えることを自ら決めました。コースを逆走してリタイヤしました。自分のIBUKIをわざわざ見てはいませんが、終始最後尾5番手あたりだったんじゃないかな。

てんでおはなしになりませんでした

DNFっていつも心の折り合いをつけるのが難しいですね。判断としては間違えてなかったと思うけど、詰み筋が見えた後でももがく経験はできませんでした。

とはいえ楽しかったのは楽しかったんだよ

レースを通じて、またレース前の準備を経て得たものもありました。冬季の山中行動を(それと大量の買い物をw)通じて保温着の選択肢が増えたことや、タイムテーブル作りの技量が向上してレース前の理解レベルが上がったことがそうじゃないかな。

完走できなかったなりに「自分があのまま進んでいたら完走に何時間かかったか」みたいな「たられば」も試算してみました。まだまだ走力向上に取り組んでいきたいし、数値化された目標を得るためならたらればも悪くないでしょ。って思ってやってみたら面白い計算結果がでたのでこれからのレース選びの参考にはなりそう。

球磨川リバイバルが選手に求めた走力は、わたしにとってはベストコンディションの状態でーたとえば前年9月に広島湾岸を完走したーようやく関門ファイトできるかどうか、というところだったんじゃないでしょうか。

事前の計画に実際の通過時刻を載せてみてあれやこれやして
ゴールまで行けたテイで計算してみると……?!

レースでは大惨敗でしたが、パンチの効いたコース(直前のアップデートもきっちり調べて万全だったのにコテンパンにやられたな~)、行く先々で待っててくれていた九州の仲間、前回大会から定評のあった素晴らしいエイドなどなど、選手として参加してみることで、KRTこと球磨川リバイバルは素晴らしいレースだと改めて感じることができました。

ちゃんとコース変更箇所も調べたしな
くりめぐさんとKRT専門委員長のまこっちゃん
繋いでくれたコースを走らせてくれてありがとう
まっきーさんふるしょーさんとがさん
お待たせしてほんとにごめんね
りかさんと山江のみなさん
ボランティアありがとう

「人と自然の関わりを見つめ直し、被災地の復興を後押しする」ことがKRTのコンセプトとして掲げてあってその視座から立派なメッセージを発信する気分には今回はなれそうにありません。しかし完走できなかったなりに週末を満喫したことで自分自身がレースの一部になれたのであれば、すばらしさが拡散されていくための歯車というか球磨川の大きな流れの一滴にはなれたんじゃないかなと、まあそのくらいでもいいのかなって風に思ってます。

自分の機嫌は自分で取る

レースの振り返りに少し含ませましたが、小手先のことは置いといて反省と改善が必要なのは次の2つだということがはっきりわかっています
・故障が原因で落ち込んだ身体の感覚を取り戻す
・練習不足と過食が原因で増えた体重を落とす

年明けにふくらはぎの肉離れを経験したことがきっかけで、またほとんど同時に身内の不幸が重なるなどして気分が沈み込んでしまいました。ランニングの代わりのクロストレーニングをやろうという気にもならず、エントリーしてたハーフマラソンを脚の具合の様子見のつもりで走って余計に痛めてしまったんです。

それからは練習帳もちゃんと書かなくなったし部屋も散らかってしまったし間食がやめられなくなって1月2月で3kgほど増量。KRT目前までそんな調子で、今になって思えば完走できない原因を自ら作りにいってたんかなっていうくらいポテチばっか(のりしおばっか)食べてた。

2月に控えていた熊本城マラソンへの参加を諦めていよいよやさぐれていたものの、その翌週に熊本市内でのランニングイベントに参加したときに思っていた以上に走れました。仲間に恵まれてすごい楽しくて、ようやくKRTのスタートラインに立とうという気になれたんです。花岡山に助けてもらいました。

2月26日花岡山にて
お分かりだろうか、顔面パンパンである

KRTへの直前準備を進めながら次第に気分が持ち上がるのを感じました。直前の高揚感って一種の幻覚剤ですよねえ、後ろめたさや不安を打ち消す効果みたいなのがありました。レース当日に付け焼刃は通らなかったけど。

ここまで起きたことって全部自分次第なんですよね。うまくいかないことがあったって平常を淡々と刻み、そして自分の機嫌は自分でとってあげないといけないのに3か月も甘やかしてしまってはダメだったんです。そして5月にはまた100kmのトレイルレースを走ります。阿蘇ボルケーノトレイルです。トレイルランニングを始めたばかりの頃に恋焦がれた阿蘇の牧野を走れるときがやってくるんです。
たった2か月後に!ぎゃー!

たった2ヶ月で何ができるか、詰め込み過ぎずにしかし自分を甘やかさずに毎日を大切にしないといけないですね。

なにか分かりやすいけじめが必要で

髪を4年ぶりくらいの短さに切りました。KRTをリタイアした時点で何かはっきりしたけじめが自分自身にとって必要だと感じていたんです。

わたしが髪を伸ばしていた理由は、100マイルを完走するまでのちょっとした願掛けのようなものであり、トレイルランニングに関わるうえでこれから出会うであろうたくさんの人たちに自分のことを覚えてもらうための目印が欲しかったからです。

ホワイトデーの決意

だけど練習不足・コンディション不良でも100kmくらいなら完走できるやろ~とどこか慢心していた自分に何かしら傷をつけたかった。こんなことって感傷的で、40代のおっさんがやることじゃないのは分かってるんですがそれが必要だった。そもそもロン毛で覚えてもらおうって魂胆が浅ましいw

2年前に膝をけがしていた当時、復帰するためにリハビリに取り組んでいたころのほうがひとつひとつのことに努力できていたんですよね、膝と髪とじゃ比べようがないけど、あの頃の熱い気持ちを取り戻すきっかけが欲しかったんです。

本当は100マイルレースを初完走したら一度スパッと切ろうなんて思っていたんですが、まあまあ短くしちゃったので先は長くなりそうです。ゴールテープを切るころには再びロン毛のおじさんに戻っているんじゃないかなあ。がんばります!

おわりに

うまくいかない時期を過ごした2023年1Qを振り返って区切りをつけ、次のレースに向かって仕切り直しの動機づけとしてこの記事を書きました。球磨川リバイバルを軸にした話です(髪切りましたの報告じゃないw)ので、同じレースに関わったひとにとって楽しく読んでもらえたら、そしてレースの結果に限らず何かうまくいかなくて苦しんでいる人に何かが届けば、ほかに言うことはありません。

切った髪でちょうど20cmほどの束が作れましたのでヘアドネーションに送ることにしました。寄付できるのは長さ30cmからって聞いてたんですけど短くても受け入れてくれる送り先があるみたいです。

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