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阿蘇ボルケーノの振り返り(またあかんやった)

5月13~14日に阿蘇ボルケーノトレイルに参加してきました。
情けないことに前戦の球磨川リバイバルトレイルに続きDNF。66kmのAS4に到着したところで制限時間オーバーでした。

思い通りの結果を得ることができなかったレースは、振り返ろうにもなかなか言葉が出てこないですね。しかも2戦連続となると尚のこと。”たられば”をいくつ重ねたら関門を通過できたのか、ゴールまで辿りつけたのか、そのことを考えてはみますが、

雨が降らなければ......

これがどうしてもネックに引っ掛かってしまい、それ以上掘り下げて考えられませんでした。雨が降ったくらいで完走できなかったのであれば参加資格を十分に満たしていたとは言えないのかもしれないですね。

レースを振り返る中で即効性のある改善に繋がりそうな「悪天候を乗り切るウェアや補給」に焦点を当てて今回のレースを振り返ります。

準備

Tシャツ2枚(ANSWER4)
タンクトップ2枚(Teton Bros、Houdini)
短パン2枚(山と道)
メッシュインナー(MILLET)
インナーショーツ(T8、innerfact)
5本指ソックス2枚(innerfact)

トラッカーキャップ(patagonia)
アームカバー(ORENO)
サンスクリーン(mont-bell)
ウールてぶくろ(extremetities)
ミトン(山と道)
ハンドウォーマー(innerfact)
レッグウォーマー(mont-bell)
カーフサポーター(ORENO)
手ぬぐい、ネックゲイターなど

ソフトシェル(Teton Bros)
レインウェア上下(The North Face)
レインウェア上(Teton Bros)

これが現地に持ち込んだウェア類のリストです。
ぴらぴらことサンスクリーン、今回も出番なし!

スタート~日中

レース開始時からしっかり降雨があり、しかし夜になれば雨が止む予報であったことを考慮してスタート時のウェアはこの組み合わせでした。

Tシャツ
短パン
メッシュインナー
インナーショーツ
5本指ソックス
トラッカーキャップ
アームカバー
カーフサポーター
レインウェア上

2種類持ち込んでいたレインウェアのうち、しっかりした方のTB ツルギライトジャケットを選んで着ました。TNFストライクトレイルフーディ上下の方が携行性もよくまた薄手なので、雨が止む予報の後半戦との使い分けをもくろんでいた形です。

カーフサポーターはコース後半の南阿蘇外輪山でのヒル対策に持ち込んでいましたが繰り上げて着用しました。ほどほどの着圧があり、しかしゲイター特有のテカテカ感がないのでお気に入りになりつつあります。

ザックの中には
ソフトシェル
レインウェア上下
ウールてぶくろ
ミトン
ネックゲイター
これらを収納し、またデポに残りのウェア類を預けてレースをスタートしました。

はじめのセクションでロープを使った登りがあり、これを素手でこなしました。正直やらかした~って感じ。阿蘇外輪山の稜線への登りはどのセクションでも急こう配が予想でき、この先でも手を使うケースが多そうです

レインウェアに選んだTBツルギライトは行動時間が長くなっても蒸れにくく、ずっと(ほんとにずっと!)降り続けた雨をしのぐのに正解を選ぶことができました。しかし稜線上では下から吹き上がる風で体感やや寒く、はじめに感じた困難は手の冷えでした。

渋滞などあった割にはプランB程度のタイムでAS1に到着。サポートしてくれたあやかさんに準備してもらった作業用グローブを2双受け取り、またミトンをザックから取り出してリスタートしました。

このミトンがめちゃ優秀で、大雨のせいで速攻で浸水はしたんですが防風効果はじゅうぶん。作業グローブの上にミトンを着け、必要な個所ではミトンを外して手を使う運用で進みました。

正午を回っても雨脚は衰えず、稜線に上がれば風が吹いて素肌の部分が冷たい。スタートから終始一緒だったさとみは身体の線が細いので、わたしを風除けにしてもらいました。AS1を出る時からあまり顔色が良くないので定期的な補給を心がけるよう声をかけながら前に進みます。

わたしは残念なことに相変わらず体重超過なのですが、この週末ばかりは太ってて良かった......雨で滑ってペースは出ないので心拍数は低く、ちょうど有酸素域で行動し続けられていたようでした。

AS2に着く頃にはシューズの中も完全に浸水してしまっていて、足元からも冷えを感じていました。ソックスを一度脱ぎたい、足を乾かしてクリームを塗りなおしたい、だけどどうせすぐにまたズブズブになるだろうな~。そんなことを考えながらエイドステーション到着。どこに行っても友人や仲間ばかりで、顔を見るとつい安心して笑いが出ちゃうね。

ソックスを脱いで固く絞ると黒い泥水。足を軽くふいて同じソックスを履きなおします。新品のソックスは30km先のデポにしかない。事前の雨予報を受けて買っておいたテーピング用スプレーが効果的だったようで、足首も膝もずぶ濡れになりながら、テーピングは剥がれずに残っていました。

Xテープにブラウンカラーは、ない

いっぽうバディのさとみはかなり寒そうで弱気になってきていました。レインパンツを履き、しかしトップスにはこれ以上重ね着できるものがないというのでエマージェンシーシートを使って腹巻きをしてもらいます。空気の層を作ることがエマージェンシーシートによる保温の狙いなので、巻くのはアンダーウェアとトップスの間。キラキラ腹巻きネキ爆誕です。

次のA3に向かう道中では風の吹く稜線のあいだだけミトンをさとみに渡したり、うまくやりくりしながら進みました。多少の違いはあれどA1、A2、A3、そしてA4までのセクションはサーフェスという点で似たり寄ったりと言っていいかもしれません。はいここフラグですよ!

止まない雨〜レース終了

制限時間30分ほど前にAS3に到着し、夜間走の準備をしました。レインパンツを履き、ヘッデンを着けます。手伝ってくれた綾香さん、あいちゃんまいちゃん、まじでありがとう。見られていると思うとそれだけで元気が出る性分なのもあってメンタルが折れる気配はまったくありませんでした。それにここから先は区間ごとの制限時間が緩むのが分かっているので、前に進みさえすればゴールへ近づくと思ってました。

AS3では、わたしたちの前方でレースをしていたはずのアリサを吸収しました。1時間近くエイドステーションに留まって震えていたようでこの子もくちびる真っ白。しかしレースを止めたくない気持ちでぎりぎり踏みとどまっていたようです。前戦の球磨川リバイバルから一緒に頑張ってきたいわばマイメンですので、行くぞ行くぞと声をかけてリスタートを促しました。腹巻き姉妹、エマージェンシーシスターズ、あるいはキラキラ腹巻きネキ2号。3人そろってAS3をあとにしたのは制限時間4分ほど前でした。すげー賑やかに送り出してくれたエイドのみなさんありがとう!

これまでの区間と同じ展開であれば次のAS4には制限時間の30分前には到着できるだろう、であれば全身着替えることが出来るな~と望みを繋ぎながら根子岳の裾野を進みました。腹巻き姉妹の長女さとみがいくらか元気になっているように見えました。妹アリサが出来て気持ちが強くなったのかな。

擦れ防止のクリームを塗りなおして靴下を履き替えたい
レインパンツの下にレッグウォーマーを着けようか
短パンTシャツの交換は言うまでもないな
アームカバーの替えが無い!絞って再利用か~
レインウェアの選択は雨次第だな、止まないなあ

次のAS4に到着したらやりたいことを考えていました。レース後半に使うつもりだった冷え対策としてのアームカバーを前半から投入し、しかも雨が浸水して濡れてしまうとは想像してなかった。アームカバーの替え、アームカバーのアンダー、もしくは長袖の準備があればすっきり仕切り直しできていたのかもしれません。

しかし暗くなってからレースはさらに困難になりました。これまでの区間と比べてぬかるんだトレイルが多く、ペースが完全に低下。それだけじゃなく何度も転ぶようになり背中や肩や頭を打ち付け、極めつけに膝を捻ってしまった。2年前の大けがを思い出しました。

しんどかったけど前に進みました。
トレイルの脇のヤブを切って少しでも足元の良いところを登りました。俺はもうほんとにずっと我慢してた!転んで膝がすごい痛いのを我慢してた!俺は長男だから我慢できたけど次男だったら我慢できなかった

とかなんとか言うとりますが最後のセクションの進まなさはそれまでの比じゃなくて、5km進むのに120分かかるほど。AS4に到着した時には着替えの時間を残すどころか制限時間を20分超過しており、ここでタイムオーバー、DNFとなったのでした。

まとめ

雨の中でペースを作れなかった走力不足が根本的な原因であることに間違いはないのですが、こうやって振り返ると雨と風と、そして雨風がもたらす冷えへの対策が十分でなかったことがよく分かります。

そしてウェア類が不十分だったのはあくまでも結果に過ぎなくて、「5月・阿蘇・終日の雨」このことから風と冷えを想定して対策・準備し、そしてそれらを十分に使いこなす、ここまでがトレイルランニングということなのかなと痛感しました。上位入賞・完走したひとたちの準備を聞いたけど、特別なことは無くて、開けるべき引き出しをちゃんと開けるってことだったもんなあ。

これで100kmレース3戦2敗。
まだまだ空の引き出しが多いようです。ぎゃふん!

↑夏の雨の冷えくらいなら乗り切れると聞いた防水グローブ。一双300円ほどだそうなので今度買ってみよう。

↑アームカバーの濡れからくる腕の冷えにリスクを感じてアンダーウェアを替えた方も。やってるひとはそこまでやってるんだな〜。

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