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二度目のポレンタ

「ポレンタ」は、イタリア北部の郷土料理です。とうもろこしの粉を熱湯に入れて、ひたすら練って作るお料理です。日本の、そば粉で作るそばがきに似ています。国も文化も違うのに、同じような調理法が世界各地に存在することっていくつもあることに驚きます。ヒトとしての生物にしか伝わらない以心伝心があるのかと、想像しちゃいます。

イタリアの地域によっては、とうもろこしだけでなくそば粉を混ぜたり、栗の粉を使うところもあるようです。そういえば、昨年訪ねたシチリアのレストランではポレンタに出会わなかったなぁ(探せばあるかもしれませんが)。日本同様、北の方と南の方では食べものの特徴が違うみたいです。

一度だけ、ポレンタを食べたことがあります。北海道の倶知安町、農家仕事の合間に行ったイタリアンレストランでサラダを頼んだら、サイコロ状にカットされた淡い黄色のむにゅっとした食感の食べ物が添えてありました。シェフに聞いてみたら「ポレンタっていうんです」と。あぁ、これがポレンタかぁ、イタリアの旅番組で見たことがある!へぇ〜〜〜、もろこしの練り物、おいしい。

パスタやニョッキのように日本にも根づいたイタリア料理もあるのに、とうもろこし粉のポレンタは日本のレストランでもあんまり見たことがない。というのは、日本にはとうもろこし粉を使う習慣が少ないからだろうなぁと思います。とうもろこし粉の日本料理を知らないものねぇ、どこかにあるのかしら。

米、麦、とうもろこし、じゃがいも、そばなどのあらゆる穀物は、土地に住む人の主食になり、それぞれの時代を生きる人の命を支えてきました。イタリアの寒い地域に住む人々の生活に想いを馳せながら、おうちでポレンタを作ってみました。食べるのは、2回目です。

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400mlくらいの熱湯に少し塩を入れて100gのコーングリッツも入れて、ひたすら混ぜる、練る!練る!とにかく練る!するとそのうちぼてぼての生地になります。ねっとりとした塊になってきたら(たぶん)OKです。この分量で、15分くらい練り続けました、いい運動になります。

この記事の上の写真が、今日のポレンタと、お夕飯の様子です。牛肉と野菜のトマト煮込みにポレンタを添えて。それと、昨夜に仕込んで寝かせておいたほうれん草とマッシュルームのキッシュ。じょうずにできた、おいしかったなぁ。とはいえ、いつか、イタリア北部に行って、地元の人が作るポレンタを食べて、答え合わせをしたいものです。

今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。好奇心が料理の幅を広げてくれます。どんな味だろう、どうやって作るんだろう、どんな文化背景があってできたレシピなんだろう。食べもの探求は、一生続く長い長い探検です。


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