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東北のおいしいこころ〜陸前高田の美味い地酒〜

 2016年の11月、陸前高田を訪ねました。
 この記事を読んでいるあなたも、テレビや現地に行って見ていることでしょう。広い土地のかさ上げをしていて、新しい住宅や学校などの施設は山の方に建てられていて、海の方では堤防を作る工事をしている傍らに一本の松の木が立っている、そういう景色を私も見ました。以前のまちがどんなだったかを私は知らない、波にのまれるまちの様子を見たことはあるけれど。これから、まちがどうなったら「復興」なのだろう。

 海沿いにあったお土産屋さんに行きました。海産の加工品や、地元産のお味噌やお醤油、私の大好物のかもめの玉子もある!そうだそうだ、かもめの玉子はとなりの大船渡市にある会社が作っているね。
 そして、なんともおいしそうな日本酒ずらりと並んでいました。お店の人に聞いてみたら「岩手は田んぼも畑も多いんだよ。波を被って塩害になってしまったけども、何度も何年も除塩して復活してきているんです」と話してくれました。

 そうか、なんにもない広い土地ばかりを見てきたから何にもないと思い込んでしまっていたんだ、ぜんぜんそんなことなかった。
 波を被った土地を開拓したり、再構築するのはとてつもないことだったと思う。家も、大切な人のことも失って、本当に何にもなくなった、けれどもう一度畑をやろう、事業を立て直そう。そのはじめの一歩を踏み出すのは大変な勇気だったと思う。私には到底想像もつかないような心持ちで、陸前高田の人々は震災の後を生き抜いてきたんだと、思いました。

 お土産屋さんで酔仙という酒造屋さんが作っている「雪っこ」を買いました。白い生原酒で、甘口です。
 飲んべぇのワリに、日本酒はそんなに得意ではないのですが、岩手の日本酒をどうても飲んでみたくて、お店のひとに飲みやすいものをたずねたら「コレです!」と激推し、即買いです。

 酔仙さんは、もともとは陸前高田にあったそうですが、震災後は大船渡で再建したとのことです。詳しくはわからないけれど、発酵して作るものの製造場所を変えるって、なかなかできないことだと想像します、だって、その場所でずっとお酒を育ててきた菌も引っ越ししなきゃならないもの。
 いくつもの難局を乗り越えてお酒の味を守っている酒造家さんの熱意を、味わってみたかったんです。

 これがまぁ〜本当に飲みやすい。麹の甘味があって、不思議にアルコール度数20度であることを感じない飲み口の良さが甘酒のよう。720mlがあっという間に体に吸い込まれていきました。おつまみは、するめいかとか、牡蠣の佃煮とか、チーかまとか、そんなにクセのないしょっぱいもの(塩辛とかブルーチーズとかではなく)が合わせるのが、個人的には好みです。

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 今日も、最後まで読んでいただきありがとうございます。
 インターネットで陸前高田のことを調べてみたら、昨年、一本松の近くに「道の駅高田松原」がオープンしたそうです。三陸の海で育った海産物と復活の農作物などのおいしいものをたっくさん揃えているみたい。またそのうち行きます、今度は三陸鉄道まで足を運んでみなきゃ。
 明日は、プリンの登場です。それでは、また明日。


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