キャリア開発と私と。

今回は、キャリア開発の視点とフリーライダー問題について。

キャリア思春期だった私たち

いま、若手向けのキャリア研修を控えていて「キャリア開発」というキーワードに敏感だったので、それに関して気になった箇所をまとめます。

私がOLをキメている会社では、昨年度からキャリア思春期というキーワードが囁かれています。数ヶ月前に書かれた以下のブログにも、その時の話が出ていましたね。

「キャリア思春期」は、頑張りたい気持ちはある、頑張ればいまの職場で結果が出せる自信がある(もしくはすでに出している)、上司や先輩からも期待されている、その期待に応えたい気持ちがある、でも頑張れない…なぜだか頑張れない…という状態を指す(らしい)

私はそのキーワードが開発された打ち合わせにいた一人で、実際に数年前にキャリア思春期を経験していました。
日々業務に追われ、いつの間にかできた後輩を背中に感じながらも抜かされないように前を向いてがむしゃらに仕事をし続ける。ふと顔をあげると、いつの間にか周りの友人はライフステージが変化していて「アレ、私ってこれからどうする(したい)んだっけ?」「何を得意として進んでいけばいいんだっけ?」と分からなくなる(以下ループ)。

前述したキャリア研修は、そのキャリア思春期をいま迎えている・これから迎える後輩たちがひとりで悩むことのないように「これまでの仕事を振り返る」「いま、そしてこれからを考える」機会として用意したものです。

とはいえ、私自身「キャリアとは何ぞ」がよく分かっていないので、この本を読んで少しクリアになった箇所を引用すると……。

現在キャリアという考え方については多くの議論がされていますが、キャリアの捉え方のひとつは、個人がさまざまな経験や訓練を通じて、自分の職業人としての価値を高めていく過程です。働く人は、職業生活を通じて成長することができる、というのがキャリア論のひとつの前提です。

また書籍では、個人がキャリア開発をするには、どんなキャリアを望み、どんな仕事をしなくてはならないのかについて現実的なイメージを持っていることが重要だと書かれています。今回のような節目で考えるべきポイントは(よく言うものばかりだけれど)以下3つ(カッコの中はこれまで読んできた書籍でもよく見てきたキーワード=会社と一緒だな感)。

1. 自分は何が得意で、何ができるのか(コアコンピタンス)
2. 自分は何をしたいのか(ドメイン)
3. 自分は、何をするべきなのか(理念・価値観)

あくまでその過程には会社と個人の相互作用が必要なので、会社は個人に対して何を期待しているかを伝え、個人はそれを自律的に受け止めることでマッチングがどんどん高まるのでは、と。今回用意した節目は書籍のなかで紹介されているOff-JTに近いと思うし、それを定期的に用意するのが人材マネジメントとして重要だと改めて感じています(いろいろ言われるけれど、良い研修にしたいな)。

フリーライダー問題

そして、私のなかでいま少しホットなフリーライダー問題について。これについては以下の書籍で詳しく書かれていました。

後輩や部下を教育する際によくある「(ここまで指摘すると後輩に嫌われてしまいそうだし)誰かが言ってくれるだろうから言わないでおこう」は完全にフリーライダーさんですよね。こういう状態が蔓延しないようにするための解決策として以下が提示されていますが、うーんそれが難しいよなぁと思います。

責任感の強い人を採用・育成するという前提の上で、組織全体の長期的な運命と自分の運命が密接に関連していると思う人をある程度作っておくこと

はじめに伝えた「キャリア」について考える際にも、会社の長期的な目線と一緒になって考えられると百点満点だと思いますが、そもそも合わせる気がない場合はこちら側も徐々にすり合わせていく認識でいるしかないかなと。

人材マネジメント周りの経験が浅い(ほぼない)分、視点が狭いと思いますが、感じたことはここまで。