確かに、予想どおりに不合理な世の中だった
今回は行動経済学について。
普段無意識下でおこなう意思決定の「クセ」を、面白いほどにさまざまな角度・事例から指摘している本でした。
そうした意思決定のバイアスには、代表的なものに依存してしまう「依存性」という傾向や想起しやすいものに依存してしまう「想起性」、最初に無関係な情報を与えられると意思決定がその情報に依存してしまう「アンカリング」、絶対的なものより相対的なものから満足感を感じやすい「相対性」、みんなの支持こそが正しいものだと認識し判断する「代表性ヒューリスティクス」などがあります。
上記以外にもその時の楽しみを重視しすぎる「現状バイアス」など、日々の“気持ち”に左右される私たちは、日々の選択の連続に頭を抱えることが多いですよね。自分に置き換えると、こんなシーンで似たようなバイアスが思い出されました。
「依存性」や「想起性」には、就活時における大手企業などが該当するかなと。学生を過ごすなかで聞いたことのある、もしくは就活中によく聞く大手企業(事業会社や代理店など)は代表的かつ想起しやすいものの良い例です。
少しでもこうしたバイアスのない就活をするには、このバイアスを意識して自ら色んな情報を取りに行くことが重要だとよく言いますが、当時は色んな種類の説明会に足を運んで、Wantedlyで探したりTwitterで情報を追いかけたりしていました。バイアスがあることを客観視できていれば、行動一つひとつを変えることができますよね。
また、身近な点でいえば日々の食事についても、さまざまなバイアスのもとで選択をしていると改めて感じさせられました。食品添加物などに敏感な環境で育ったこともあり、添加物は避けて然るべきものという印象が根付いています。そりゃずーっと毎回の食事で言われたら、ひとりで食事をする際も意識するわ(有り難い)。
仕事で考えれば、バイアスを上手く活用することが想像しやすかったです。”予測の効果”を活用して、イベント時にクライアントやエンドユーザーをワクワクさせる雰囲気や環境をつくることや“価格の力”で魅せ方を変えること、「代表性ヒューリスティクス」を意識した戦略PRなどができる。
流行りのD2Cブランドを例にあげると、一見誰がつくっているのか分からないので不信感なども募りそうですが、D2Cに対するネガティブな印象もまだないし、Instagramによる日々のコミュニケーションで想起性は上がってポジティブでしかないのかなと。会ってみたり見てみたら、身近な人すぎてヒャッホー親近感って感じですし。
▼好きなD2CブランドのInstagramアカウント(サムネよ)
だからこそソーシャル活用による透明性や、Always On+オフラインでのコミュニケーション、そしてブランディングなども重視されているとも思う一方で、これらのバイアスを知りながらコントロールされている・できることを理解していると、行動経済学自体が一種の麻薬のようにさえ感じてしまいました。とはいえ、以下のような記述も然り、ものは考えようでして。
私たちが影響されてしまうのは、知識がないからでも、訓練が足りないからでも、意思や弱いからでもない。熟練者でも初心者と同じように、規則性のある予測できる形で何度も繰り返し影響を受ける。その結果である失敗がそのままわかしたちの生き方、ものごとのやり方になる。失敗もわたしたちの一部なのだ。
肯定的な予測は、ものごとをもっと楽しませてくれるし、まわりの世界の印象をよくしてくれる。何も期待しないことの外は、それ以上何も得られずに終わってしまうかもしれないということだ。
予想どおりに不合理であることを念頭に、ポジティブに予測して思い込むことで、私が私を楽しませられるようにしたいです。
Zzz……。