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飯綱の俳句挑戦日誌 その2

こんにちは、飯綱です。
俳人の夏井いつき先生の著作「夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業」の内容に沿って俳句に挑むこの日記。

前回の俳句挑戦日記

今回も引き続き俳句の練習に励みたいと思います。
張り切っていきましょう!

十二音日記に挑む


本で「尻から俳句」の次に紹介されていたのが「十二音日記」という型です。

これは十二音で日記を書いて、それをもとに俳句を作っていくというものです。

本の中では、その日会社に出社してからの自分の行動を思い出し、それを、「五・七」もしくは「七・五」の言葉におこしていくという工程が描かれています。

会社での自分の行動…。

…お、思い出したくねえ…。

私は基本的に会社が大嫌いな人間ですので、この練習法はなかなかキツイです…。

い、いやしかし、一度やると自分で決めたこと。
ここはこの本を、夏井先生を信じて進めていきます…。

朝起きて会社に行くまで

まず、私は毎日朝6時45分頃に起床します。

その後、トイレを済ませ風呂場で顔を洗い、居間で妻と朝食を摂ります。
妻は毎日私より先に朝起きて、お弁当を作って持たせてくれます。本当にありがたいです。

その後、歯磨きを済ませ、お弁当をリュックに詰め、自宅を出て会社に向かいます。

私は自転車通勤です。
2021年秋頃にマウンテンバイクを購入し、それに乗っています(着物を着始めたのと同時期です)。
雨の日は上下セパレートのレインコートを被り、長靴を履いた上で出発します。会社まで片道大体12分ほどです。

会社についてから帰宅するまで

私は工場勤務です。
会社に到着したらまずタイムカードを押し、体温計で体温を測り、一覧表に記入します。
その後事務所から鍵を取って、工場に向かいます。

毎朝私が朝一番で出社するので、私が工場の立ち上げ作業を行います。
工場のブレーカーを上げ、機械の電源を付け、照明も付けます。
その後、一日の予定を確認し、作業の準備を行います。

工場では吹付け塗装を行っています。
私の仕事は、一日で使用する塗料を事前に用意することです。
一斗缶に入っている塗料をポットという容器に出し、それを混ぜ合わせます。

お昼は12時からです。会社の食堂で妻のお弁当を頂きます。
妻が作ってくれたお弁当の写真を撮るのが、会社での数少ない楽しみです。
以前は全社員で集まって食事を取っていたのですが、コロナ禍で人数制限があり、基本一人で食事します。
昼食後、早めに工場に戻り、午後使用する分の塗料を準備します。

定時は17時半です(繁忙期は18時半)。
作業の進み具合によって残業もありますが、基本的にはその時間までに作業を終わらせ、片付けを行い、工場の立ち下げ作業を行います。
全て完了したら、ロッカーに戻り、着替えてから帰ります。

…一日の流れをざっと書き出してみましたが、これで本当に俳句が詠めるのでしょうか…?

作成手順

この型の流れは以下のようになります。

  1. 日常の行動から「五・七」もしくは「七・五」の言葉を探す

  2. その言葉の心情に合う五音の季語を取り合わせる


1. 五音と七音の言葉を探す

まずは…。
1、日常の行動から「五・七」もしくは「七・五」の言葉を探す

先程の一日の流れから使えそうな言葉を考えてみたいと思います。
「タイムカード」なんてどうでしょうか。
六文字ですが、これに一文字足せば七音の言葉として使えそうです。
となると、次は五音の言葉ですね…。

…今思いついたのですが、雨の日にタイムカードを出そうとすると、カードに雨の雫が付くんですよね。
その光景を描写してみたいと思います。
…例えば、「すべる露」とか。

「タイムカードをすべる露」
これでいきましょう!これで「七・五」は揃いました。

2. 心情を分析し、五音の季語を取り合わせる


次に、五音の季語を取り合わせてみましょう!
季語はこれで調べました。

「俳句小歳時記」

メルカリにて500円で購入したものです。
この歳時記は基本的な季語を中心に収録されているようです。
手に収まるサイズで大変使いやすいです。
しかし、歳時記っていろいろな種類があるんですね!最初ということもあり、今回はリーズナブルなものを選びましたが、そのうちもっと多くの季語が収録されたものも買ってみたいと考えています。

完成した10句


調べたなかで、良さそうだと思った季語が「走り梅雨」です。
理由は、走り梅雨という言葉の響きが、会社まで自転車を走らせる自分と重なったからです。
また、「梅雨」ってどことなく重苦しいイメージがある言葉ですが、「走り梅雨」だとちょっと軽快な響きになると思いませんか?その軽やかな感じが気に入りました!

走り梅雨タイムカードをすべる露

これで完成です!

…なにげに「梅雨」と「露」で韻を踏んでましたね…。
無意識だったんですが、果たしてこれがいいのか悪いのか…。
…個人的には気に入っているので、良しとしましょう!

他に9句完成しました。

コンベアの平皿数多冴え返る

ロッカーで麦茶をべろりなめくじり

朝曇マウンテンバイクの重さ

春の果工場の外は青空

ひぐらしや工場のブレーカー落つ

梅雨曇のたりと混ざりゆく塗料

今年竹スマホで弁当を写す

梅雨晴間ビールを買った帰り道

薔薇の花妻が作ったラタトゥーユ

以上です!

自分なりに考えて作ってみたのですが、慣れていないこともあって、なかなか難しかったです。
改めて見直してみると、仕事が元になっているせいか、どこか暗い句が多いですね…。次はもっと明るい句を詠んでみたいです。

ただ、このままでは自分の作った俳句の良し悪しが分かりません。
そこで次は自分で作った俳句をチェックする方法を学んでいきたいと思います。


自作の句をチェックする方法


俳句は以下の3つに注意して作ると良いそうです。

  1. 季語の「本意」をつかむ

  2. 意味の重複を確認する

  3. 五感を複数入れる

一つずつ確認していきたいと思います。

1. 季語の「本意」をつかむ

季語の本意とは、季語が元々もっている情報のことです。

例えば、

雷は大きな音で怖いなあ

という句は、「雷」という季語に「怖い」や「大きな音」といった情報が元々含まれています。それらはいちいち説明する必要がないので、無駄だらけの句ということです。

俳句では、自分の感情を季語で表現するので、わざわざ言葉で「嬉しい」「悲しい」と書くのは、文字数の無駄になります。
その節約した文字数を描写にまわせばいいということですね。

2. 意味の重複を確認する

意味の重複とは、一句の中に同じような意味の言葉が重なってしまっていることです。「頭痛が痛い」とか「右に右折」みたいなことですね。

これを防ぐためには、句の単語に、それぞれどんな意味があるのかを書き出してみるのがいいそうです。

3. 五感を複数入れる

これは中級者以上のテクニックですが、一句の中に複数の感覚を入れると、いい句になるそうです。私はまだここまで出来るとは思えませんが、頭の片隅に入れておきたいと思います。

自分の句をチェックしてみる

今までの注意点を踏まえて、自分の句をチェックしてみたいと思います。

まずは…。

ロッカーで麦茶をべろりなめくじり

この句は、梅雨時のじめじめした日に、ロッカーで麦茶を舐め回すように飲んだ様子を描いたものです。個人的には、この気持ち悪さが気に入っていたのですが、問題発見。
「麦茶」って季語だったんですね…。「麦茶」と「なめくじり」で季重なりでした。知らなかった…。もっとよく調べてから作ればよかったですね…。

しかし!諦めませんよ!
この句の問題点が分かったので、このまま直しを行いたいと思います!
この句の場合は「なめくじり」を主役にしたいので、「麦茶」の代わりに別の言葉を入れたいと思います。

ここは…。

ロッカーでボトルをべろりなめくじり

もしくは…。

ロッカーで水筒べろりなめくじり

のどちらかでしょうか。

個人的には、字面と言葉のリズムを考えて、「ボトル」がいいんじゃないかと思います。直し前よりも、カタカナになった分なんだかシャープなイメージになったような気がします。気持ち悪く、なおかつかっこいい句が出来上がりました!多分。
このような感じで、これからも自分の句をチェックして、少しでも上達していきたいと思います。











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