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【リサイクル着物】

昨今、年齢を問わず着物離れに拍車がかかっています。それについては様々な理由がありますが、逆に人数は少ないとはいえ趣味として着物を楽しまれている方々がいらっしゃることも事実です。

特に40代くらいから、なんとなく「着物を着たい」という気持ちを持ち始める方が多いようです。また、20代前後の若い女性はそれまで浴衣や成人式の振袖くらいしか着物を着たことがないにも関わらず、着物に対して「可愛い」という気持ちを持たれていてYouTubeなどのSNSを参考にして自由に楽しんでいる方も見受けられとても良いなぁと思います。そういった気持ちは日本人のDNAに組み込まれているのか・・と思ったりするのですが、最近ではInstagramなどで外国の方でも着物を着ているのを目にすることがあり、一概に日本人だからというのではなく「着物自体に魅力がある」ということがわかります。

が、しかし。。。実際に着物が着たい!と思っても、高価で買えない、着付けができない、寸法がわからない、コーディネートがわからない、決まりがあるのか、汚れたらどうしよう、お手入れはどうすればいいのか、・・・と、わからないことだらけで二の足を踏んでしまう方がほとんどでしょう。今は母親も祖母も着物を着ない人が多く聞ける人がいないので尚更です。

1番着物が売られていて、且つ着られていたのは昭和の時代。昭和と言っても初期ではなく今から40年~50年くらい前の昭和50年前後、西暦で言うと1970年~1980年あたりです。その頃着物は呉服屋さんから買うのが当たり前で、その呉服屋さんも全国にたくさんありました。SALE以外は一般的に定価で買うことが普通だったので、その頃の給与賃金や専業主婦が多かった時代背景を考えると、手持ちの着物の数の違いはあれどたくさんの人が着物を持っていたというのは驚きです。月賦という買い方も始まっていて一括ではなく月賦払いで購入していた人がたくさんいたと思います。私の小学校の入学式(昭和45年、1970年)のクラス写真を見ると、子供たちの後ろに色無地や付け下げに揃えたように黒羽織を着ている母親達がずらっと並んでいます。生活に余裕がなかったはずの私の母親もどうやって調達したのかやはり着ていました。そういったことを考えると、その頃はまだ、着物を着ることが身近で当たり前のようにあった時代でした。

時は流れて。平成の時代になると街中で「リサイクル着物」のショップを見かけるようになりました。値段設定は今よりやや高めですが当時は画期的なことだったと思います。それまで買えなくて諦めていた人や呉服屋さんに入ることに二の足を踏んでいた人が、リサイクル着物が出てきた時に自分でも着物が着られる・・・と、始めの一歩を踏み出した人も多かったことでしょう。

そして令和の今。ネットの時代になり、お店に足を運ばなくてもパソコンやスマホで商品を見られるようになりました。リサイクル着物のショップも形を変え値段もさらに安くなっています。安く、どこに居ても商品を見ることができ、問い合わせもできる・・・実は着物離れが著しい今こそ、着物を着るにはもってこいの良い時代になっています。

とはいえ、最低限の知識がないと安いリサイクル着物でも失敗をしてしまいます。せっかく安く買っても結局着なくて高くついてしまうことになったら残念です。

次回から実際にリサイクル着物を購入する際の注意点や寸法についての役立つ情報を詳細にお伝えしてまいります。

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