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初心者に縫いやすい物

和裁所に入ったころによく任された物は『長襦袢』でした。
単衣の長襦袢、無双袖の長襦袢、男物の長襦袢
実際に縫っている時は、お客様の品物といえど下に着るものなので、幾分かは気を楽にして仕立てに入れる。

でも今長襦袢が来ると、「長襦袢か…」と思ってしまう。
けして長襦袢が嫌いなわけではない。ないのだけど、ほとんどの長襦袢の記事は薄く柔らかい。そのため変なところを針で引っ掛けると布にぴっと糸を引いたような傷になってしまうこともある。
 それにおおむねの長襦袢地はとっても柔らかいからなんだか縫いにくかったりもする(気がする)。
個人的に縫いやすさ★★★

では何が初心者に優しい反物なのか。
和裁士のたまごでもよく担当するのが浴衣。
浴衣はとにかくコテも効くし、生地もしっかりしていて扱いやすい。
難点はとにかく生地が固いことが多いということくらい。
木綿用の針で縫っていると辛いので、絹用の針で縫っていますがそれでも指皮に穴が開くほど固い。
なので個人的には★★★★
別格として絞りの浴衣は★★

単衣の着物は・・・★~★★★★★
これは本当に生地によります。
難しい反物もありますが、しっかりしているのに針通りの良い反物だと嬉しい!ってなりますね。
浴衣は固いけど同じ木綿でも、綿薩摩の単衣なんかはとても縫いやすくびっくりするほど。柔らかくて最高。ただし手折りは見にくいので★★★止まりかな。

単衣でも夏物はまたやりにくさが変わってきます。
中でも麻の着物はキセをいつもの通りにかけてしまうと、キセがなさすぎたり、多すぎたり・・・縫いやすいけど、きれいに仕上げるには技術が必要でした。
なので★★★

結果何が縫いやすいのか・・・大変難しい。
もし反物の購入を考えていらっしゃるなら、いっそ自前の針を持参して何針か運針させてもらうと良いかも。
柔らかいのが運針はしやすいけど、こしがないと縫いにくい。
長襦袢もなるべく厚地のしっかりした反物が良いです!どこのとは言わないけど、ある呉服屋さんオリジナル蚕から作られた長襦袢用の反物はとても良かった。間違いなく★★★★★でした。お値段も★★★★★でしょうけれど。

最後に個人的な好みになりますが、私は紬の反物が一番好きかもしれない。
特に結城や石毛紬が大好物です★★★★★

お気に入りの縫いやすい反物があったら是非教えてください!

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