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「高砂」の謡から進展。「美しい声を出して、呼びかける」愛のお姿へと。

発展月に一度、第3土曜日の午前中は、「論語塾」に通っています。
先生の造詣が深いので、論語はもちろんのこと、漢詩などの学びの時間もあります。その中に謡曲の一節がでてきます。僕が謡曲を習っている話をしたら、先月の講義の終わり頃に、「高砂」をひとくさり唸ることになりました。

ご存知、「高砂や この浦船に 帆をあげて〜」のところです。

その際に、吸いながら声を出す謡(うた)い方のことも話させていただきました。そして、より分かりやすい為に、「君が代」を吐く、吸う、吐く、吸うで歌ってみたりしました。具体的には、(はく)、(すう)、(はく)、(すう)、(はく)、(すう)、(はく)となります。

お聞きになった学びの仲間の方は、「えーー、吸いながら声を出すのは初めて聞いた。」「やってみようと思うけど、多分無理だろう!」とのことでした。


そして今回、一ヶ月ぶりにお会いした学びの仲間のおじさまは、「やっぱ、やってみたけど、なかなか吸いながらは声が出ない!」と、苦笑いしながらおっしゃっていました。

しかし、お隣に座られている50代の女性の方は、「吐く・吸うを教えてもらったので、そのことを意識して美しい声を出そうと思いました。私は、看護師をしているので、早速、患者さんを呼ぶときに意識して呼んでみました。」とのことでした。

僕は、その言葉に前のめりになりました。病院というのは、どうしても不安を感じてしまう場所ですが、そのようなお気持ちで接していただけると、どれだけ安心感や安らぎが生まれてくることでしょう。。。

その患者さんのことを想像しただけで、じーんときました。業務的な声で名前を呼ぶのと、愛情を込めて意識をして声を出すのとでは、本当に天と地の違いがあると思います。

僕の発したひとくさりの謡いからこのような世界に昇華するとは、思いもよりませんでした。僕もすぐ実践する方ですが、感じて、すぐ行動をなさるお姿にも感銘を受けました。元来、歌が大好きとのことですが、職場で相手を思いやり、その愛情を形にするって、とっても素敵な生き方だと思いました。


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