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日本人が着物を着なくなった訳は? その2~着付け教室~

日本人が着物を普段着なくなった理由の一つは、言行一致でない業界人であると一刀両断した。問屋、小売屋の店主が、着る大切さの提唱よりも、売る喜びに走って、利益をこうむった。自分の懐はヌクヌクだが、泣く泣く低賃金で働いている着物職人は数知れない。

さて、今日の本題だ。その2つ目の理由は、「着付け教室」にも大きな責任がある。個人的に呉服店が着付け教室を経営しているところは、着物販売のアフターフォローであったり、より深い顧客満足のためである。
しかし、大手で着付け教室を生業としているところで、着付けで利益をだしているところは、日本でも一件ほどだ。それは、鹿児島にある着付け教室だ。

そのほかは全てだとは言い難いが、ほとんどが着付けを「まき餌」にしている。ビジネス用語でいえば、着付けが興味を持たせる「フロント商品」である。そして、メインは「着物販売!」。それ以外の何物でもない。

その間やることは、先生と生徒との人間関係づくりだ。師弟関係を持ち込んで、着物を売ろうと目論んでいるおっさん達の影が見え隠れる。先生と弟子の関係性は、日本特有のものらしいが、よくも見事に付け込んだ心理作戦だ。

本当に着付けにコミットすると、素人でも1日5時間で着付けが一人で出来るようになる。最近でこそ1~2ヶ月で着物が着れるようになるというフレーズも耳にするが、以前であれば3ヶ月経っても着物姿で出かけられない状態が当たり前だった。

その理由の一つは、自社の着付け道具を販売したりするからである。入会金、そして受講料はもちろんだが、進度による着付けの道具を販売し、着物購入というゴールが待っている。それは、着物の目利きができない主婦にとっては、あり地獄へのスタートかもしれない。

無料着付け教室も一世を風靡しているが、本当に無料でやっていけるのか?無料の分の講師料や広告宣伝費は、着物を購入した人が払っていることになる。購入者ほど、そこに目を向けていない。

話ついでだが、着物の商品にも一流二流がある。一流のモノは、全国の呉服専門店は知っている。自社で求めてくださろうが、和の國以外の呉服店でお求めになろうが、「本当に良いもの」は存在する。しかし、その数は少ない。できることなら、一流の着物にも出会っていただきたい。


追伸:
僕が言っていること自体が、本当のことか?ナンチャッテ(ウソ偽り)かは分からない。フラットに物事を見て、あなた自身で判断してほしい。解釈は自由だが、真実は一つだ。
今回は、不安や心配ごとや気がかりが増える内容かもしれない。
しかし、「感じる」「気づく」などのきっかけになっていたら、ありがたい限りである。


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