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ドラマ#4『仮面ライダーアマゾンズ Season2』


仮面ライダーアマゾンズ
Season2
監督:石田秀範、田崎竜太、金田治
原作:石ノ森章太郎
脚本:小林晴子
出演:藤田富、谷口賢志、前嶋曜、白本彩奈、三浦孝太、武田玲奈、他


アマゾンとしての過酷な運命を背負う少年少女に襲う悲劇

前作から5年後の物語。

主人公はSeason1と打って変わり、「仮面ライダーアマゾンネオ」に変身する「千翼」に。そしてヒロインは「カラスアマゾン」に変身する「イユ」だ。

養殖と野生」がSeason1のコンセプトなら、本シーズンのコンセプトは「少年と少女」となる。かいつまんで言ってしまえば「千翼とイユの心の交流」をベースに描いているのがSeason2となる。所謂「ジュブナイル恋愛ストーリー」だ。

ではSeason1よりも優しい内容となっているのか?答えは全くもってNOだ。むしろバイオレンスな表現に関してはSeason1を遥かに超えていると言える。

Season1での記事でも言ったように『仮面ライダーアマゾンズ』は他の仮面ライダーと比べて非常に猟奇的であり、特に敵を倒す際は首がもげ血飛沫が辺りに撒き散る表現が成されていた。一方Season2ではそういった表現は敵のみならず、人間にも適応されている。これだけで如何にヤバいかがお分かり頂けるだろう。


結構綺麗に写ってるシーン載せたらヤバそうなのでこの画像にしておく。
とにかく本当にグロい。キツい。

特にエピソード2のイユがアマゾンと化した父親に惨殺されるシーンは最早スプラッター映画のような代物だ。部屋一面が血の赤で染められ、同じく父親に殺された母親、姉の遺体からは臓物がはみ出ている。まだ物語が始まったばかりなのにも関わらず、Season1よりも遥かにヤバいと言うことをこの時点で悟らざるを得ない。

新たなベルトを装着することで悠は「ニューオメガ」に変身。

物語に関しては主に千翼とイユを中心に進んでいくが、当然Season1の顔ぶれも登場する。自身の決意を揺らすことなく更に強くなった水澤悠。そんな悠をもしもの時に倒すために「戦うこと」を決意した水澤美月。アマゾンを全て狩ると言う使命を全うすべく彷徨う鷹山仁。かつて仲間だったマモルを止めるべく再び集結した駆除班。その全員の思惑が絡み合い、物語は混迷を極めていく。

Season1の根底にあるテーマを私は「エゴイズム」と表現した訳だが、本シーズンにおいてもそれは変わらないと思っている。前シーズンでは悠と仁がそのエゴイズムを「振るう」ことで自らの生きる意味を見出していた訳だが、本シーズンは千翼とイユがそれを「受ける」ことで、同じく生きる意味を見出していると感じた。

本シーズンでは実験によって誕生したアマゾンだけでなく、「溶源性細胞」なるものに感染することで人がアマゾンとなる事例が発生した(イユの父親もそれが原因でアマゾンとなってしまった)。それは最早アマゾンウイルスなのでは…と思うがそれはさておき、その元となる「オリジナル」がまさかの千翼自身なのである。

千翼が「素体」として覚醒した姿。

もっとも、そのオリジナルとは千翼の他に、彼の母親にして仁の恋人、泉七羽/クラゲアマゾンであったり、そのオリジナルの溶源性細胞を流していたのは元駆除班のマモル/モグラアマゾンだったりするのだが。

当然、千翼は物語が進むにつれ徐々にその身を追われるようになる。4Cのみならず悠や、実の父親である仁にまで命を狙われる中で、千翼はイユを抱き締め「なんで俺たちは生きちゃいけないんだ」と嘆く。

実際、千翼は何の罪も犯してはいない。本シーズンで繰り広げられる数多くの悲劇の原因は千翼にあるものの、その大元は全て父親の鷹山仁がいる(その責任を取るべく、彼は自身を顧みず行動している訳だが…)。なのにも関わらず、感染源というだけで命を狙われる千翼は可哀想でしかない。

しかしそんな彼にも救いの存在はいた。それがヒロインのイユの存在だ。死体をそのままアマゾンに変貌させる(前シーズンでいう「前原淳/仮面ライダーアマゾンシグマ」と同じ)ことで4Cで戦っていたイユは、千翼の手によって徐々に自身の記憶を思い出していく。

最終的には「楽しい思い出」を思い出し、笑顔を浮かべてこの世を去った。どう足掻いても待ち受けていたのは「死」であったことには遺憾だが、彼女の散り方は千翼にとってもイユにとっても確かに「救い」ではあったと思う。

そして千翼も、自身を殺しに来た悠と仁に一人で立ち向かい自分の生を全うしようとする。テーマソングの一つである『やがて星が降る』をバックに、イユと千翼がつけていた腕輪が添えられ、物語の幕は閉じる。


総評

ほぼ分かりきっていたことだけど、Season1と同様釈然としない終わり方だったなぁと。千翼もイユも、初めからこうなる定めだったと考えるとやるせない気分になる。

でも千翼を殺さなければ更に多くの人間がアマゾンになっていた可能性だってあるわけで。んん〜〜〜非常に難しい。でも最後の最後にイユが笑えて良かった。本当に良かった。千翼が今までやってきたことは無駄じゃなかったんだなと…あれ、目から汗が

…さて、マモル/モグラアマゾンは駆除班に、泉七羽/クラゲアマゾンは仁に、そして千翼は悠と仁にそれぞれ倒され、途方もない数だったアマゾンは遂に

水澤悠/仮面ライダーアマゾンオメガ
鷹山仁/仮面ライダーアマゾンアルファ

この二人だけに。
Season1から時に共闘し、だがそのほとんどは対立してきた二人のアマゾン。彼らの宿命の対決は…『最後ノ審判』にて決することとなる。

参考↓

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